先日、とても暑かった日に、発表会と発表会の間の時間調整にて、ビルの地下にあるほの暗い喫茶店(※カフェではなく純喫茶風味の)のすみっこの席でアイスミルクティーを飲んでいたところ、わたしの3つ隣くらいに汗だくで駆け込んできたサラリーマン風の男性が、注文をとりに来たお店の人に向かって、元気よく「コットホーヒー!…あ。いや、ホットコーヒー…」って言ったんですよ! そんなに汗かいているにもかかわらず、熱いコーヒーを飲もうとするなんて、この人、どれだけチャレンジャーなのか? とかいうことはこの際置いといて、よりにもよって、コットホーヒー。コットホーヒーですよ、奥さま! でも、仕方がないの。それほどこの日は暑かった。そう、おそらくかなり言いなれているであろう「ホットコーヒー」という言葉の「ホ」と「コ」が入れ替わってお口から出てしまうほどに。かくもかように暑さというものは人の”正気”を奪うものなのですね。御意! これからますます暑くなる折、わたしも早急に”正気”を保つためのなにかを投入せねば。他山の石!
などと思っていたところ、うってつけな発表会に行ってきました。
数々の名香を扱っている、ブルーベル・ジャパンがこの夏から冬にかけて発表する香水たちを一同に集めたまさに「香水市」のような発表会です。その日も例に漏れず暑い日だったのですが、ずらっと並んだ10種類以上もの香水の芳香がふんわり漂った会場に足を踏み入れただけで、ぼやっとしがちな頭もシャキーンと目覚める感じで。やはり心地よい香りの効能ってすごいものがありますよね。
で、使ってみたいな、と思う香りがたくさんあったのですが、中でも、これは! と膝を打ったのが写真のメゾン フランシス クルジャンの2種類の香り。「プティ マタン(=朝)」、「グラン ニュイ(=夜)」というネーミングからも分かるように、朝と夜をイメージした香りなんです。朝は一日の活力を呼び覚ますようなフレッシュさのある香調、夜は一日の終わりを優雅な気分で過ごせそうな深みのある香調、とそれぞれ、その時間帯にふさわしい気分を高めるのにぴったりな香りで。お気に入りの1本が見つかると、ついつい一日中その香りで過ごしてしまいがちだけど、朝と夜で香りを変えて、その時々の自分に一番必要なスイッチを押してもらうのは、暑い中でも心地よくスマートに過ごすためにとても有効なんじゃないかと思いました。
こちらの2つの香水は10月発売予定なので、残念ながらこの夏には纏えませんが、せめてこのコンセプトを流用して、朝と夜の2本を常備し、今年の夏の”正気”を保っていきたいと思います。(ハラチノ)