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「女の子らしさ」は誰のため?『さよならミニスカート』で考えてみよう! 【パクチー先輩の漫画日記 #31】

元アイドルの経歴を隠して、高校生活を送る美少女・仁那。ミニスカートをやめて、スラックス姿で学校に通う彼女のトラウマが癒される日は来るのか!?
卒業&入学シーズンを迎えて、この時期は、制服姿の子たちがいつもよりきらきらと輝いて見えますねぇ。そうそう、制服といえば、最近、女子学生がスラックスを選べる学校が増えているとか。「女子=スカート」という固定観念を払拭する目的や、性同一性障害の生徒への配慮を考えてのことらしいけれど、実際、防寒対策にもなるし、自転車通学の人は便利だし、スラックスをはく女子も増えているとか。なんか新鮮!パクチー先生もスラックス通学したかったわ~。

じつは今回、紹介する牧野あおい先生の大ヒット作『さよならミニスカート』のヒロイン・神山仁那(かみやまにな)もスラックス姿で学校に通っている女の子です。ショートカットで、不愛想で、一見、男の子みたいな雰囲気なんですが、彼女がそんな姿をしているのは、あるトラウマを抱え、過去を隠して生きているからなのでした。

その秘密とは、彼女が「PURE CLUB」というアイドルグループの不動のセンターとして活躍していた元アイドルだということ。雨宮花恋(あまみやかれん)という芸名のように、ミニスカートのよく似合う可憐な女の子でした。ところがあるとき、握手会であぶないファンに斬りつけられ、心と体に大きな傷を負い、芸能界を引退。襲ってきた犯人もつかまっていないことから、元アイドルということを隠し、スラックス姿のマスキュリンな女子に姿を変えて、知らない町で学校生活を送ることになったのでした。

誰も彼女の正体に気づかない中、唯一、仁那が花恋だと気づいたのが柔道部の堀内光。アイドル当時の自分を肯定的に見てくれる彼に、仁那は次第に心を開いていきますが、一方で、自分を斬りつけた犯人は光なのでは……という疑いが!? 今どきのアイドルグループの在り方やジェンダーの問題など、ホットな話題に深く切り込んだ内容で、各方面で話題沸騰の作品です。

男性に媚びを売ってきた、これまでの自分の生き方を否定するように、ミニスカートをはくのをやめた仁那。でも、作品自体はアイドルを否定するものではなくて、アイドルにはアイドルなりの仁義があったり、アイドルに人生を救われたという人が出てきたり、アイドルへの愛が感じられます。その上で、「女性」という自分の性とどう向き合っていくか――を考える重層的な作品。さらにそこにミステリー要素が加わって、ぐいぐい引き込まれていく感じ。アラフォーの大人でも読み応え十分。ついでにアイドルに熱中する男性たちの気持ちも理解できそうです。

しかしあれですね。パクチー先輩くらいの年齢になると、自分のワードローブにミニスカートはゼロ。別の意味で、「さよならミニスカート」なのでした(笑)。

それでは試し読み、どうぞ~!
さよならミニスカート 試し読み1

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さよならミニスカート 試し読み2

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さよならミニスカート 試し読み3

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さよならミニスカート 試し読み4

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さよならミニスカート 試し読み5

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さよならミニスカート 試し読み6

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さよならミニスカート 試し読み7

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さよならミニスカート 試し読み8

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さよならミニスカート 試し読み9

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さよならミニスカート 試し読み11

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さよならミニスカート 試し読み13

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さよならミニスカート 試し読み14

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さよならミニスカート 試し読み15

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さよならミニスカート 試し読み16

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さよならミニスカート 試し読み17

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さよならミニスカート 試し読み18

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さよならミニスカート 試し読み19

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さよならミニスカート 試し読み23

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さよならミニスカート 試し読み24

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パクチー先輩
漫画大好きライター。女性誌や男性誌でインタビューやカルチャー企画を担当。手塚治虫の「W3」でマンガ愛に目覚める。「パクチーが持つ効能のように、みなさんの体内の毒素を排出してくれるような漫画を紹介していきたいと思います」

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