2019年3月31日

『こどものおもちゃ』を読めばわかる、こどもをなめたらいかんぜよ！【パクチー先輩のマンガ日記 #32】

子役として活躍しながらも楽しく学校に通う倉田紗南。そんな彼女の悩みの種は、先生や女子をいじめるクラスの羽山秋人。紗南と秋人のバトルが勃発！？

ついに東京では、桜が満開になりました！　お花見の季節ですねぇ。パクチー先輩は、来週、屋形船に乗る予定ですが、昨日テレビを観ていたら屋形船が大炎上しているじゃないですか！　ビックリ。火事になったら、すぐに水に飛び込めるように、浮き輪持参で参加しようと思います。

さてさて、前回に続き、今週、紹介する小花美穂先生の『こどものおもちゃ』もヒロインが芸能人です。といっても、まだまだ子どもの小学6年生。

倉田紗南(くらたさな)は、小さいころに「劇団こまわり」に入り、子役として活躍する元気いっぱいの女の子。明石家よんま（笑）が司会を務める人気バラエティ番組『こどものおもちゃ』にレギュラー出演していて、ちょっとした有名人。トーク上手でバラエティはお手のものだし、マネージャーの玲(れい)くんはイケメンだし、友達ともうまくいってるし、ハッピーな毎日を送っています。

そんな紗南の頭を唯一、悩ませているのは、クラスメートの男子たち。授業中に騒ぎまくって先生を泣かせたり、女の子に嫌がらせをしたり。中でもリーダー的存在の羽山秋人(はやまあきと)は、頭がキレるぶん、タチが悪くて、超ムカつくヤツ。正義感の強い紗南は、そんな秋人とバトルになり、クラスは女子VS男子の闘いに。でも、紗南は次第に秋人が家庭に問題を抱えていることを知り、彼に心を寄せていくのでした。

1990年代に連載されていた作品ですが、学級崩壊、イジメ、親の離婚……など、すでに今と同じような問題を子どもたちは抱えていたんですよね。そしてそんな深刻なテーマをポップな要素を交えながら、コメディタッチで描くことで、タブーなもの、アンタッチャブルなものにしていないところがいいなって思います。悩んでる子もこれを読んだら、「みんな同じだなぁ」って安心するはず。

それにしても恐ろしいのは、紗南や秋人の人を見る目。大人並みの洞察力というか、子どもって、大人より人のことをよく見てる。フィルターがかかっていないぶん、いろんなものが見えてるんでしょう。だから大人たちは、「子どもだから適当に言っておけばいい」なんて思ってたら、必ずしっぺ返しをくらいます。気をつけなくちゃ。

ところで本作品でパクチ―先輩のお気に入りキャラは、紗南の母・実紗子(みさこ)。『ヒモと私』で青木賞を受賞した人気作家で、頭の上でまろちゃんというリスを飼っています。自由すぎるでしょう！？　少女マンガ史上に名を残す超変人！　でも、なんかうらやましい。パクチー先輩も青木賞を目指して頑張りたいと思います（笑）。

それでは試し読み、どうぞ～！