「いよいよ、これから。 ここから私の男役が始まる」宙組 桜木みなとさん

【宝塚スターインタビュー】第8回は宙組 桜木みなとさんです
宙組 桜木みなと

男役10年目にしてやっとスタート地点に立てた気がする

 宙組の男役スターとして活躍する桜木みなとさん。彼女が宝塚歌劇に出会ったのは小学生のころ。
「母親の知り合いが宙組の『エリザベート』のビデオを貸してくれたんです。それは私にとって初の舞台映像鑑賞でもあり、“こんな世界もあるんだ!”と驚き、夢中に。そこから、宝塚だけでなく、お小遣いを貯めて舞台やミュージカル映画を観るようになりました」

 舞台に携わる仕事がしたい。その思いが明確になったのは中学生のころ。
「英語の授業の一環として英語劇『シンデレラ』をやることに。その主役になぜか私が選ばれたんです(笑)。でも、当時の私が惹かれたのは“演じること”ではなく“皆でひとつの作品を作り上げる楽しさ”でした。それをきっかけに高校も、芝居や表現を学べるユニークな学校へと進学したんです」

 そんな彼女の気持ちを変えたのが高校で出会った同級生たち。表舞台に立つ夢を追いかける友達に刺激され、「私も演者として舞台作りに携われるかもしれない」と思うように。宝塚音楽学校受験を決意したのはまさにそのころ。
「とはいえ、そこを目ざしてお稽古を積み重ねてきたわけでもなく。さらに面接で“演出家になりたい”とトンチンカンな発言をする始末(笑)。なのに、まさかの合格。喜びをかみしめたのもつかの間、入学できたものの、まわりとの実力差は歴然。そこからが、本当に大変でした」

 昨年で男役10年目を迎えたが、振り返ると、そこには「とにかく必死だった」毎日が。「役とまっすぐに向き合う、熱中して作り上げる、今まではそれだけで精いっぱいでした。それ以外のことに目を向ける余裕をもてるようになったのは、本当に最近の話です」と言葉を続ける。
「男役としてどうあるべきか、どんな男役を目ざすべきか……今までも考えてはきましたが、本当の意味で向き合えるようになったのも、ごく最近。そこで私が出した答えが“お客さまに恋をしてもらえる男役でありたい”ということでした。そのために目ざす男役像は“かっこいい男役”というひと言になってしまうのですが、それこそがすべてだと私は思うんです。実際に幼い私が宝塚に夢中になったのも“かっこよかったから”。あの日の私を惹きつけたように、私もまた多くのお客さまに恋をしてもらえる存在でありたいな、と」

 そして「今までは技術面に重きを置いて自分を磨いてきましたが、今は“自分”ではなく“客席”により気持ちが向いているのを感じています」と微笑む。以前からその演技力に定評ある彼女だが、最近はそこに雄々しさや思わずドキッとしてしまう男の色気が加わり、舞台上の存在感は増すばかり。その理由もきっとそこにあるのだろう。
「男役10年目を迎えた今、やっとスタート地点に立てたような気がします。だいぶ時間かかってしまいましたが(笑)、ここから私の男役が始まる、いよいよこれからだぞ、そんなふうに感じています」

【この記事はMarisol 2019年4月号より掲載されたものです】

Profile

さくらぎ・みなと●2009年、宝塚歌劇団に入団。宙組に配属され『Amour それは…』で初舞台を踏む。その実力は早くから注目を集め、二度の新人公演主演とバウホール公演主演を経験。少年役を演じることが多かったが、最近はグッと大人の男性の魅力を身につけ、ファンも急増中。注目の男役スターのひとり


NEXT STAGE
ミュージカル 『オーシャンズ11』

「いよいよ、これから。 ここから私の男役が始まる」宙組 桜木みなとさん_1_2
©宝塚歌劇団
ラスベガスにあるカジノホテルを舞台に、11人の男たちが金庫破りに挑む。大ヒットしたハリウッド映画『オーシャンズ11』を舞台化。男たちの無謀とも言える賭けを痛快にドラマティックに描き出す。主演:真風涼帆 星風まどか 4/19〜5/27:宝塚大劇場 6/14〜7/21:東京宝塚劇場

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