「昔はよくマンガを読んだけど、最近、遠ざかってるわ~」というアラフォー、結構多いと思います。一度、読まなくなると、なんだか億劫になりますよね。でも、今回紹介する森本梢子先生のラブコメディ『アシガール』は、そんな人にこそ、読んでほしい作品。ファンタジックな要素満載のタイムマシンものです。
主人公は、高校1年生の速川唯(はやかわ ゆい)。恋におしゃれにも無頓着で、取り柄といえば、足が速いことだけ。授業中も寝てばかりで、全然のやる気のない彼女が、天才頭脳を持つ弟の作ったタイムマシンをうっかり作動させてしまい、過去にタイムスリップしてしまいます。
着いたところは、永禄2年、戦国時代。そこで偶然、黒羽城城主の嫡男・羽木九八郎忠清(はぎくはちろうただきよ)と出会います。超イケメンの若君に一目惚れしてしまった唯は、現代に戻ったのも束の間、若君にもう一度会いたい一心で、再び、過去へ。過酷な戦国時代の状況をものともせず、足軽・唯之助と名乗り、俊足を生かして、若君のために奮闘するのでした。
普通、女子高生が戦国時代にタイムスリップしたら、「キャア、怖い!」「服が汚れる!」「お風呂に入りたい!!」とかなるじゃないですか。でも、唯のオヤジのような性格が、戦国時代では生きる生きる。すっぴんでも大丈夫だし、雑魚寝もオーケー。足軽として、すっかり部隊に溶け込んでしまうところがおもしろいんですよね。
そしてなんといっても目を見張るのが、若君のカッコ良さ!! イケメンなのは顔だけじゃなくて、性格も超男前なんです。勇敢で家臣思い。さらに武芸にも戦術にも秀でた男気あふれる武将。こりゃ唯じなくても「惚れてまうやろー!」という感じ。アラフォー女子の心にもきっと響くキャラだと思います!!
そんな若君にお仕えしたいという執念で、距離を縮め、やがて特別な関係になっていく唯。二人の恋の行方も見逃せません。森本先生といえば、『研修医なな子』『ごくせん』『デカワンコ』と、ドラマ化された作品がたくさんあるヒットメーカーだけに、読んでいるとグイグイ引き込まれます。本作もテンポが早くて、13ページくらいでタイムトリップしてますからね。あっという間に、作品の世界へ連れて行ってくれるはず。
そういえばパクチー先輩が、最初に「タイムトラベル」というものの存在を知ったのは、小学生のときに読んだSF小説『時をかける少女』でした。いや~、夢中になって読みましたね。ラベンダーの香りをきっかけにタイムスリップするヒロインを真似て、ラベンダーの香りの芳香剤を嗅ぎすぎて、気分が悪くなったりして……。バカな子でした。そしてバカな大人になりました(笑)。
それでは、試し読み、どうぞ~!!
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漫画大好きライター。女性誌や男性誌でインタビューやカルチャー企画を担当。手塚治虫の「W3」でマンガ愛に目覚める。「パクチーが持つ効能のように、みなさんの体内の毒素を排出してくれるような漫画を紹介していきたいと思います」