ドイツ料理に似て、
オーストリアに対する食の期待はほぼ皆無だったのですが、
出会ってしまいました……。
◼︎ターフェルシュピッツの名店『プラフッタ(Plachutta)』
牛肉と根菜をコトコトと煮込んだスープ兼、肉料理。
なんとなく高貴なイメージがありますが、
実際はわりとどこのレストランにも置いてある
オーストリアの定番メニューです。
材料と調理法がシンプルなだけに、
厨房の実力が、味に直結してしまうから!
ウィーン市内に4店ある『プラフッタ』。
まず見た目からして迫力満点!
テーブルの真ん中にドーン!とサーブされます。
まるで名古屋のひつまぶしみたいに、
一品で三段階の食べ方を楽しめるんです。
お鍋からスープをなみなみと注いで
牛肉の旨味をじっくりと味わいます。
この日はクレープを細切りにしたような「フリッターテン」を。
脂がキラキラ光っていて、
普通のコンソメ以上にこってりした味わいなのに、
後味はしつこくなく、むしろ香ばしくて
いつまでも口中で楽しんでいたい感じ。
と心配になるほどの、素晴らしい味わいです。
お皿にお肉や付け合わせのソースを手際良く盛ってくれます。
コロンと置かれた骨の中にナイフを入れて、
バターをすくう要領で骨髄をすくい、
薄いトーストに塗っていただきます。
どんな味なのかしら……と恐る恐るでしたが、
サラッとしたパテのような味わいで、
口の中でスッと溶けて、なくなってしまいました!
なるべく早く食べてしまい、
最後は大きな牛肉の塊を、お好みのソースと一緒に楽しみます。
ソースはリンゴ×ホースラディッシュ、ほうれん草、
パンの3種類。
珍しいのはパンで、「センメル」という、
ちょっとバゲットのような味わいの白パンを
何かで(何かは謎)ふやかしてソースにしています。
塩味が強めで、わたしはこのソースが一番お肉に合うと思います。
まだまだしっかりとした旨味が残る牛肉。
とろけるような柔らかさと調味の絶妙さに
さすが肉食民族の技……と感心してしまいました。
これまでの経験上、たぶん『プラフッタ』を超える店はそう無いはず!
ウィーン旅行の際は、騙されたと思って
ぜひ食べに行ってみてください。
(パッケージツアーでご飯は全部付いてるのよー、
という人は、食後に2軒目として行っても決して後悔しません!)
人気店なので予約がベターです。