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正統派時代劇「ヘチ」でも圧倒的な存在感のチョン・イルさんが来日!

 ファン待望の正統派時代劇「ヘチ(原題)」。面白いと評判の作品で、貫禄さえ感じる主演のチョン・イルさんの存在感にも圧倒されます。「名場面が毎話にある」という彼の”心の演技”にきっと引き込まれるはず。久しぶりにお会いしたイルさんは、相変わらず誰よりもスタイリッシュ!ドラマのこと、近況をたっぷりうかがいました。ちなみに“ヘチ(獬豸)”とは、善悪を見分け正義を守る伝説の動物のことです。
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●除隊後復帰作に「ヘチ」を選んだ理由をお聞かせください。

ー最初にオファーを受けたのは、昨年の夏でした。「ヘチ」を選んだいちばん大きな理由は、脚本を担当したキム・イヨン作家と一緒に仕事がしたいと思ったからです。これまでたくさんの英祖に関連する作品や本を読んできて関心もあったので、一度挑戦してみたいと思ったんです。僕が復帰作に現代劇ではなく時代劇を選んだ理由を多くの方が気になっているようですが、俳優はジャンルにこだわるというより、「いい作品に出る」ということを第一に考えるもの。今回もその結果だと言えます。

●これまでキム・イヨン作家の作品を観たことはありましたか?

ーほとんど観てきたと思いますよ。最近は「オクニョ 運命の女(ひと)」も観ましたし、「華政(ファジョン)」、「イ・サン」、「トンイ」も! 日本では、なかでも「トンイ」が人気だったそうですね。キム・イヨン作家の作品は深みがあり、言わんとするメッセージがはっきりしているため、とくに面白いのではないかと思います。

●キム・イヨン作家に言われたことでとくに印象に残っていることはありますか?

ーイヨン作家から、今回、演技に対するお話をたくさんしていただきました。僕は「思いっきりハイキック」(シットコム)でデビューしたこともあり、演じる時にわかりやすい表情や仕草をする傾向があったんです。そんな僕に、イヨン作家は「表情で演じるのではなく、心で演技するという気持ちで演技をした方がいい。心で演じてみて」とアドバイスをくださいました。それがとても役に立ちましたね。また、僕の長所は目がすごく澄んでいること、「目がいい俳優」だとも言ってくださって。

●イ・ヨンソク監督から「酔っ払った演技が韓国一うまい」と褒められたそうですね。

ーイ・ヨンソク監督はリップサービスのように、毎回、そういうことを言ってくださるんです(笑)。酔っ払った演技をすれば「酔っ払った演技がいちばんうまい」、泣く演技をすれば「お前は韓国で泣きの演技がいちばんうまい」って言ってくださるので気分が良かったですね。すべての俳優が自信を持てるように、気分よく演じられるように引っ張ってくださいました。そのおかげで、どんなドラマよりも現場の雰囲気がよかったです。

●地方での撮影も多かったそうですが、どちらで撮影していたんですか?

ー聞慶(ムンギョン)が多かったです。他には、龍仁(ヨンイン)、扶安(プアン)でも撮影しました。本当に全国を回りながら撮影していました。

●「ヘチ」は多くの方々に愛された作品ですが、その理由はどんなところにあったと思いますか?ドラマの見どころを教えてください。

ーこのドラマはブロマンスもありロマンスもあるので楽しく観ていただける作品だと思います。英祖という人物が孤軍奮闘しながら王になっていく成長物語でもあります。そこをじっくりと見ていただけるといいです。興味深いのが、キム・イヨン作家が描かれた「トンイ」でハン・ヒョジュさんが演じた役が、イ・グムの実母なんです。そういう他のドラマとの繋がりを頭の隅に覚えておくと、より楽しめると思いますよ。

●チョン・イルさん的見どころは?

ー英祖の千変万化の姿を見られるのが見どころではないかと思います。本当に、本当に様々な演技をしました。回が進むにつれて、すこしずつ演技も深みを帯びていく姿を見るうちに、英祖の魅力にハマっていくのではないかと思います。

●以前、演技の面白さは演技には答えがないこと、とおっしゃっていましたが、「ヘチ」の撮影を終えて何か他に感じたことはありますか?俳優としてどんな言葉が最高の褒め言葉ですか?

ー実は今も演技は難しいですし、答えがないのが魅力です。だから長い間ずっと演技を続けているんだと思います。30代に入って、余裕のような、ゆとりや自信感が20代の頃より滲んでいるんじゃないでしょうか。僕自身にしかない色を持った俳優、と言われたいです。チョン・イルだけのカラーでどんなキャラクターも演じる、というのが最高の褒め言葉です。

●ファッショニスタで知られるイルさんですが、最近のお気に入りスタイル、ブランドやデザイナーは?

ーデザイナーやブランドというよりも、「1LDK」のようなセレクトショップが気になります。ファッションは毎年、その時々で変わるものなので、今好んで着ているのは、ルーズで楽な、そんなスタイルの服です。

●編集長を務めるマルチプラットフォームの雑誌「KRIBBIT」についてお聞かせください。日本語版も創刊しましたね。

ーファンの方々に、俳優としてはお見せできない姿や、今現在僕が関心のあることを発信して共有したいと思ったのが創刊のきっかけなんです。本や旅行、展示会に行くのも好きなので、インスピレーションはそういったところから得ています。

●よくお聴きになるアーティストや最近観てよかった映画やドラマはありますか?

ーずっとレディオヘッドのファンなのでよく聴いています。映画は2007年の映画『イントゥ・ザ・ワイルド』が良かったです。偶然観た映画ですが、メッセージ性が強く、幸せとは何かを深く考えさせられました。

●イルさんはどんな人でありたいですか?どんな人たちと気が合いますか?

ー俳優という仕事をしながら、多くの人々に良い意味で影響を与えられる人でありたいです。人を利用したりとかではなく、真心のこもった行動をする人、澄んでいる人たちと付き合いたいと思っています。

●最近スペインを旅してきたそうですが、スペインを選んだのはどうしてですか?イルさんにとって旅とは?

ースペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、小さい頃から行ってみたかったんです。すでに3回行っています。ハイキング、トレッキングしながら、いろいろなことを感じました。旅は僕にとって、自分自身を探す時間です。次はオーロラを見に行きたいと思っています。

●マリソル読者が韓国を旅するのにオススメの場所はありますか?

ーチェジュ島が有名ですけど、平昌オリンピックのあった江原道もいいんです。東海(トンヘ)の海が美しいので推薦したいです!
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桂まり●かつらまり 韓流予報士(?)。温泉保養士。「SPUR」や「eclat」などで、トラベル、フード記事など担当するライター。趣味は各国で料理教室に行くこと。「専門外ではありますが、泣いて笑って癒される韓流ドラマのお勧めを不定期で紹介します」

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