池田理代子先生の『ベルばら』といえば、知らない人はいないくらい有名ですよね。1970年代に描かれた作品ながら、50年近くたった今も色褪せることない不朽の名作です。舞台は18世紀のフランス・ブルボン朝後期。王妃マリー・アントワネットと、男装の麗人オスカルの人生を交錯させながら、フランス革命に向かっていく波乱万丈な時代を描いた歴史大河です。
香港のデモに触発されて、この前もまた読んでしまいましたが、やっぱりオスカルさまがカッコイイんですよ! フランス革命は、身分制などを廃止して、自由や平等を手に入れるために平民が蜂起した市民革命ですが、オスカルは、「自由であるべきは心のみにあらず!! 人間は髪の毛1本、指1本も自由でなくてはならない」という信念のもと、貴族でありながら、最後は平民側について闘います。
物語の後半、オスカル率いるフランス衛兵に出動命令がくだり、パリに向けて出発するときのオカスルさまの言葉が「前進!!」。美しい金髪をなびかせ、部隊の先頭にたって指揮するオスカルさまは、気高くて、尊い!! そのお姿は、若かったパクチー先輩の目にしっかりと焼き付き、今でも何か困難に立ち向かうとき、かならず心の中のオスカルさまが「前進!!」と叫ぶのです。(おもに原稿書くのに徹夜するときですが……)。
そして、こんな素敵なオスカルさまを支える幼馴染のアンドレは、まさに働く女性が求める理想の男性像。オスカルとの身分違いの恋に苦しみながらも影となり、献身的に彼女を守り続けます。一方のオスカルさまは、ジェローデル少佐に熱烈にアプローチされ、唇を奪われてしまいますが、そこで自分の心に気づきます。これは自分が求めていた唇ではないと。求めていたのはアンドレだったと……。アンドレとオスカルの魂は二人でひとつ。なんて素敵なんでしょう!
そういえば、中学校のときの同級生のBちゃん、どうしてるかな? 彼女は熱烈なオスカルファンで、ジェローデル少佐とキスしたあとのオスカルさまのセリフをよく暗唱してくれました。「わたしの知っている唇は熱っぽくて 弾力があって すうようにしっとりと わたしの唇を おしつつみしのびこみ」。
あれから数十年たち、Bちゃんがそんな唇と出会えたのか……。今度聞いてみたいと思います。
それでは、試し読み、どうぞ~!!