今回の展覧会では、現代作品を紹介するだけあって、世界中の個人所蔵の作品を展示され、総出品数の半分以上を個人蔵が占めているとのこと。
「時間」を軸に、色や素材、フォルムといった単位から展示が構成されています。
もっとも感銘を受けたのが「時の間 ミステリークロック、プリズムクロック」と題された序章。
展示スペースが円形に構成され、カルティエが手がけた時計の数々が並んでいます。
透明の時計盤上で浮かび上がるように存在する時計針がどうやって動いているのか、仕組みがとても不思議。
時計針が動く仕掛けがどのようにされているのか食い入るように見ましたが、全く分かりませんでした。
加えて個人蔵で各オーナーの好みが反映されるように、作品によって文化の西・東のテイストが分かれ、興味深かったです。
展示の演出も秀逸で、暗闇の中にミステリークロックが浮かび上がるように、1つ1つのミステリーを囲むように白いカーテンが施された様子は、光の柱がいくつも浮かんでいるような光景でした。
この展示は非常に見ごたえがあり、気づけば2時間以上滞在していました。
展示は上記の序章と1~3章で構成されており、「色と素材のトランスフォーメーション」「フォルムとデザイン」「ユニヴァーサルな好奇心」の各章でそれぞれに異なる展示空間が広がっていました。
最後の章のみ、写真撮影もOKでした。
写真に写っている宝飾品を支えるデコルテや腕などを模した「トルソー」は仏師による特注品で、屋久杉や神代杉などを素材として使用しているそうです。
デザイナーは世界の様々な国を訪れては、それぞれの個性を見事に融合させて新たなデザインを構築していて、世界は繋がっていて、お互いに良い刺激を得ながら昇華しているのだと感じました。
ここ最近で一番印象に残った企画展でした。
是非おすすめです!!