気がつけば11月ももう後半。ぐっと気温が下がり、冬の気配が感じられる今日この頃。お鍋とか、マフラーとか、ラブストーリーとか、温かいものが恋しくなる季節です。そこで今回ピックアップしたのは、谷川史子先生の『はじめてのひと』です。
「はじめて」といっても子ども時代や学生時代の話ではありません。大人たちが恋愛関係の中で体験するさまざまな‘はじめて’を瑞々しく描き出した切ないラブストーリー集。
博物館に勤める女性が半同棲生活を送る彼との結婚に躊躇しなからもはじめて抱いた心のつながり、彼に愛されているか不安を募らせる中で、はじめて感じる確かな絆……。連作作品集ということで、つながりをもった登場人物がヒロインとして入れ替っていくところもおもしろくて、前の作品の主人公が、他の作品に登場したりするので、なんだか読んでいる自分も彼女たちの友達のひとりになったような気分に。
中でも絵画の修復作業を仕事にしている与(くみ)が、16歳年上のチェリスト・諏訪内さんとの不倫にハマッていくエピソードは、結構なドロドロです。与の片想いが実って、夢のような時間を過ごしていたのも束の間、諏訪内さんがまさかの妻子持ちだったことが発覚。「好きだから一緒にいたい」という気持ちで、与は情熱的に盛り上がり、突っ走りますが、自分の未来が見えない恋に次第に絶望していきます。
また、諏訪内さんがとってもやさくしてイケメンなんですが、不倫男のずるさや無神経さが垣間見れる瞬間があって、与の心をグサグサと傷づけていくんですよね。そのディテールがめっちゃ生々しくて、不倫のドツボにハマっている人もこれを読めば、きっと不倫の愚かさが理解できてやめられるんじゃないかしら。
谷川先生の繊細な絵のタッチで描き出される揺れる大人の女ゴコロは、どれも複雑でリアリティ抜群。そして最後は前を向いて歩きだすヒロインたちの姿が印象的。寒い日にラブストーリーを読んで、心から温まりたいという人、ぜひおすすめです!!
それでは、試し読み、どうぞ~!!
「はじめて」といっても子ども時代や学生時代の話ではありません。大人たちが恋愛関係の中で体験するさまざまな‘はじめて’を瑞々しく描き出した切ないラブストーリー集。
博物館に勤める女性が半同棲生活を送る彼との結婚に躊躇しなからもはじめて抱いた心のつながり、彼に愛されているか不安を募らせる中で、はじめて感じる確かな絆……。連作作品集ということで、つながりをもった登場人物がヒロインとして入れ替っていくところもおもしろくて、前の作品の主人公が、他の作品に登場したりするので、なんだか読んでいる自分も彼女たちの友達のひとりになったような気分に。
中でも絵画の修復作業を仕事にしている与(くみ)が、16歳年上のチェリスト・諏訪内さんとの不倫にハマッていくエピソードは、結構なドロドロです。与の片想いが実って、夢のような時間を過ごしていたのも束の間、諏訪内さんがまさかの妻子持ちだったことが発覚。「好きだから一緒にいたい」という気持ちで、与は情熱的に盛り上がり、突っ走りますが、自分の未来が見えない恋に次第に絶望していきます。
また、諏訪内さんがとってもやさくしてイケメンなんですが、不倫男のずるさや無神経さが垣間見れる瞬間があって、与の心をグサグサと傷づけていくんですよね。そのディテールがめっちゃ生々しくて、不倫のドツボにハマっている人もこれを読めば、きっと不倫の愚かさが理解できてやめられるんじゃないかしら。
谷川先生の繊細な絵のタッチで描き出される揺れる大人の女ゴコロは、どれも複雑でリアリティ抜群。そして最後は前を向いて歩きだすヒロインたちの姿が印象的。寒い日にラブストーリーを読んで、心から温まりたいという人、ぜひおすすめです!!
それでは、試し読み、どうぞ~!!
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パクチー先輩
漫画大好きライター。女性誌や男性誌でインタビューやカルチャー企画を担当。手塚治虫の「W3」でマンガ愛に目覚める。「パクチーが持つ効能のように、みなさんの体内の毒素を排出してくれるような漫画を紹介していきたいと思います」
漫画大好きライター。女性誌や男性誌でインタビューやカルチャー企画を担当。手塚治虫の「W3」でマンガ愛に目覚める。「パクチーが持つ効能のように、みなさんの体内の毒素を排出してくれるような漫画を紹介していきたいと思います」