オーストリアとスイスに囲まれた面積160 k㎡、人口38,114人の小国で、今年で建国300年を迎える国です。
首都ファドーツにはリヒテンシュタイン公の官邸であるファドーツ城がそびえたち、とても美しい国です。
かつて神聖ローマ皇帝に仕えたリヒテンシュタイン侯爵家は皇帝に貸し付けを行うほど豊かな名家であり、現在でも金融業で財を成しています。
脈々と受け継がれた富を背景として収集を重ねた美術品でコレクションが形成されていきました。
そのコレクションが来日したのがこの企画展です。
ルーベンス、ヤン・ブリューゲル(父)、クラーナハ(父)を含む、北方ルネサンス、バロック、ロココを中心とする油彩画と、ヨーロッパでも有数の貴族の趣向が色濃く反映された、ウィーン窯を中心とする優美な陶磁器、合わせて約130点が鑑賞できます。
個人的にはバロック絵画が一番好きなので、日本でこれらの絵画を見れるのは非常に嬉しくありました。
素晴らしい作品の中で個人的に印象に特に残ったのは、
・ヴァルトミュラーの「磁器の花瓶の花、燭台、銀器」
花、燭台、銀器のそれぞれの美しさが相乗効果で引き立てあった絵画
・ヨーゼフノイゲバウアーの「リヒテンシュタイン侯フランツ1世、8歳の肖像」
金髪の美少年の肖像は、美しさと奥ゆかしく静かにこちらを見やる表情が素晴らしいです
優雅なコレクションの数々、ゆっくり鑑賞されては如何でしょうか。
(作品の一部は撮影可でした)