2020年も、重要な改正法の施行がありますので、特に知っておいていただきたい「配偶者居住権」について解説したいと思います。
アラフォー女性のご両親は、おそらく60代後半から70代。まだまだお元気な世代ではありますが、相続が気になる年齢でもあります・・・。
実家で暮らすご両親と、家を出ているアラフォーの娘が一人という家族を想定します。
仮に、お父さんの財産が、3000万円の自宅と、2000万円の預貯金の、合計5000万円だったとします。
お父さんが亡くなったとき、これをどのように分けるか?
法定相続分は、お母さんと娘がそれぞれ2分の1ずつなので、2500万円相当となります。
これからも実家に住み続けたいお母さんが自宅を相続すると、それだけで3000万円相当の財産を取得することとなり、法定相続分をオーバーすることに。
そうすると、娘が預貯金の全てを相続しても、法定相続分には足りなくなってしまいます。そして、お母さんは、自宅を相続して住居は確保できても、ご自身の預貯金が乏しければ、老後の資金が足らなくなる危険性があります。
さらに、もしお母さんと娘の仲がうまくいっていなければ、娘から母に対して、法定相続分に足りない500万円の請求がなされるかもしれません。
同居していた夫婦間であれば、もし夫が亡くなっても、自宅に居住し続けることができる権利です。
配偶者居住権は、通常、不動産の「所有権」よりも評価が低くなりますので、配偶者居住権を得ることによって、自宅に住む権利だけでなく、他の財産も受け取ることができる可能性が出てきます。
先ほどの例で言うと、仮に配偶者居住権が1500万円と評価されたとします。
お母さんが、1500万円の価値の配偶者居住権を取得し、娘が1500万円の価値の自宅の所有権(配偶者居住権の負担付き)を取得し、預貯金を1000万円ずつ分ける方法をとれば、それぞれ法定相続分どおり2分の1ずつの財産を受け取ることになり、お母さんも老後の資金が確保できます。
アラフォー世代も、もしもの時のために、ぜひ少しでも相続について考えていただきたいですし、このブログがそのきっかけになればいいなと思います。
youtubeでも動画で解説しましたので、良かったらご覧ください↓
今年も私のブログを見ていただき本当にありがとうございました!
こちらのブログではあまり本については書いていませんが、実は私、年間300冊以上読む活字中毒気味の本の虫。
突然ですが、2019年に出版された本から、マイベストを紹介して終わりたいと思います。来年は、本についても少しずつブログを書いていければと思っています。
来年もどうぞよろしくお願いします!