坪田あさみ エディター・ライター
▲手持ちのデニムを改めて見直してみました。実際は写真の3倍ぐらいの本数がありますが、よく履くのは3〜5本。年一回も履いていないものもあったので、少し断捨離せねば
私が思うデニム更新時期の基準は、「コーディネートのセオリーとしては間違っていないのに、どう転んでもしゃれて見えない時」。
さらにTシャツ&デニムのようなシンプルな着こなしに思いっきり“ご近所感”が出てきたら要注意。
デニムのコーディネートはデニム自体のカッコよさによるところが大きいので、確かにまめなアップデートは必要かもしれないですね。
そうは言っても新しいデニムであればおしゃれかというとそうとも限りません。
例えばおしゃれ上級者である私の友人は、自分の体型や着こなしの好みに合う古着のリーバイス517を長年に渡って買い続けていて、それを彼女らしくカッコよく着こなしているし、仕事でよくご一緒する超おしゃれな某モデルさんも、いろんな古着のデニムをいつも個性的に取り入れています。
彼女たちのおしゃれは有無を言わせぬ迫力があり、ちょっとやそっとでは太刀打ちできない深みがあります。
つまり旬なブランドやトレンドのシルエットや色だけでない何か、例えばデニムから滲み出るその人らしい味やストーリー(大げさに言うとおしゃれの歴史)みたいなものがデニムには求められていて、それが人と差のつくスタイルを形成しているのではないかと。そう考えるとデニムってかなり難しい上級アイテムだと思います。
私はまだまだ旬なデニムブランドやシルエットの力を借りたい若輩者なので、年1本以上は新しいデニムを投入していますが、それでも自分らしいデニムスタイルを作るために、ずっと愛し続けたいデニムも少しずつ育ていきたい思っています。
今回、改めて手持ちのデニムを見直してみると、数年に渡ってヘビロテの座を勝ち取ってきた精鋭デニムがあることに気づきました。なので、今回は私が愛するお気に入りについてご紹介したいと思います。
1本目はアクネストゥディオスのブラックスキニー。これはおそらく5年以上長く履いていて、体型的に履ける限り一生履きたい大好きな1本です。マットなブラックと、少しウォッシュされたブラックユーズドを持っています。
仲良しのスタイリスト福田亜矢子さんも全く同じものを愛用しているのですが、身長差のある私たち(福田さんは156cm、私は170cm)がこのスキニーの良さについて年中語り合っているので、おそらく万人に受けする1本だと思います。なんてことのないシンプルなデザインで主役感はないのですが、それこそがこのデニムをヘビロテしている理由かもしれません。
ストレッチが入っていて履き心地が楽ちんながら、生地にほどよく厚みがあるので脚の肉感を拾わず、まっすぐきれいに見せてくれるのはもちろん、レイヤードコーデではレギンスのように履けるのも便利。また適度に股上が深いので、どんな丈のトップスとも合わせやすいのも便利なんです。
▲裾を自分でカットオフ。足首が見えるようになるので、これだけで手持ちのデニムの印象が変わります。
最近はスタイリスト福田さんも私もブラックデニムの裾を自分でカットして着用。足首が出ることでフラット靴でもスニーカーでもブーツでもなんでも合わせやすくなり、さらに使用頻度がアップしたと感じています。アラフォーがスキニーを履いても若作りにならない唯一のデニムがブラックなのではないでしょうか。
▲股上が深く、太めながら裾にかけて少し細くなった特徴のあるシルエット。冬なので靴下を履いていますが、本当は甲が見える女っぽい靴が似合います。
約5年ぐらい前の購入当時は5〜6万円とかなりお高かったと思うのですが、結果、長年に渡ってヘビロテしているのでしっかり元は取れたと思います(笑)。
こちらは3年ぐらい前に仲間入りしたかと思うのですが、海の近くでの生活にとってもマッチする一本なのもヘビロテ理由。きちんとしたトップスを合わせても、ちょっとラフな雰囲気に崩してくれる、そんなこなれ感アップに欠かせない存在。
他にもフミカ ウチダやレッドカード、マディソンブルーなどよく履く旬ブランドのデニムはあるのですが、ここ数年常にヘビロテしていると考えた時に真っ先に浮かんだのが上記の三本でした。
キャラクターも役割も印象も全く違うデニムですが、この三本があればデニムコーディネートには全く困らないと実感しています。
年齢とともに少しずつ難しくなってくるであろうデニム。トレンドを意識した旬度の高いデニムも楽しみつつ、もはや自分の身体と渾然一体となるような、そんな唯一無二の1本を探して、育てていきたいと思っています。