アラフォーになって急に肌荒れしやすくなった、以前の敏感肌状態が再発したなど、肌コンディションが安定しないという声が多数! それ、油断できない肌変化だってこと知ってますか?
☆お話をうかがったのは…
皮膚科医 津田攝子先生
女性ホルモンが影響する大人のゆらぎ肌
ゆらぎ肌の原因というと、もと もとの肌質に加え、花粉やPM2.5のような外的刺激に誘発されるイメージをもっていないだろうか。今、アラフォーに増えている大人のゆらぎ肌はもっと根深く、体の変化にかかわっているという。「私のクリニックにも、敏感肌症状で受診する大人の女性が増えています。その多くは今まで何の症状もなかったのに、アラフォー世代になり、いきなり肌荒れが発症するようになったというのです。 40 代から50代へ向けて、女性はエストロゲン低下が起こります。実は大人のゆらぎ肌もこのホルモンバランスの影響を受けていることが考えられるのです。エストロゲンが低下すると、うるおいの成分が作れなくなり、肌の乾燥が進行。シワが深くなったり、かゆみが出現したり。それが大人のゆらぎ肌につながっているのです」
アラフォーのゆらぎ状態は肌老化の第一歩!
「ゆらぎ肌の直接的な原因は、洗いすぎや乾燥などによって、うるおいをため込むことができず、肌がスカスカになっている状態(下図を参照)。アラフォーになると、この乾燥の原因にエストロゲンの減少が加わります。こうなると肌は花粉やPM2.5など外的物質やアレルゲンの刺激を受けやすくなり、酸化や炎症を起こしたり。これがゆらぎ肌の状態です。ここで見逃せないのが、この酸化や炎症は肌老化の原因でもある、ということ。ゆらぎ肌は特異な肌質の人がなるものと思っている人が多いのですが、マリソル世代にもなると、誰もがその発症と背中合わせ。そして発症してしまうと、肌の老化を進行させてしまう負のスパイラルとなるのです。 そして私が懸念しているのは、人生100年といわれている医学が進歩した今の時代背景。昔の日本人は60~70年の寿命でした。40歳から考えると、肌は20~30年もてばよかった。それが今はアラフォー以降、50~60年も肌を使わなくてはならないのです。家だって、長くきれいに住むためにはこまめなメンテナンスを必要とするように、大人のゆらぎ肌には早めの対策を講じる必要が! ゆらぎ状態から老化肌へ進行しないよう、長くいい肌が続くように、今からのスキンケアが肝となるのです」
(右)健康な肌状態では、細胞間が脂質で満たされている
(左)ゆらぎ肌は角層、TJ(タイトジャンクション)バリアが乱れ、肌の防御機能が弱くなっている状態に
■大人のゆらぎ肌、タイプ分けCheck!
自分は大丈夫だと思っていても、下記のどれかに当てはまれば立派な「大人のゆらぎ肌」。下記の項目で、一番多くチェックがついたところがあなたの肌タイプ。バリア機能が弱っていると自覚して!
トータル ビューティアドバイザー・水井真理子さん
「もともと何かのアレルゲンに敏感で、肌にかゆみや赤みが起きやすいタイプです。花粉症の人はそれ以外のアレルギー要素をもっていることが多く、花粉によって肌に症状が出ていなくても、この分類に入ります。乾燥肌な場合も多いですが、脂性肌だとしてもアレルゲンに反応すればかゆみが発生するので、肌質で分けられないのが特徴です」
「もともと敏感肌体質だったとしても、大人になってから落ち着いている人も。ですがそんなケースでも強いストレスがかかることで、もとの敏感肌が再発することがあるんです! そして敏感肌の人は汗でかゆみが出やすいので、冬になり汗が出ないから"あ、落ち着いた"と勘違いしてしまうことが。完全に落ち着くまで、自分の肌と向き合う必要が」
「肌が過度に乾燥し、バリア機能が低下した状態です。乾燥の原因は、保湿力の足りないスキンケア。アラフォーでもベタつきが苦手でさっぱりケアが好きな人は陥りやすいかも。肌のバリアが弱くなっているので、自分の汗、洗顔料、化粧水など、今まで大丈夫だったものを急に刺激に感じてしまうことが。女性ホルモンの低下も乾燥の原因に」
「超乾燥肌の人は、自分なりに保湿ケアをしっかりやっていると自負しています。確かにスキンケアはしているのですが、季節によってお手入れを変えていないこともあり、保湿力が足りなくなった冬にゆらぎ肌が爆発することが。ただし保湿力の高いクリームを使う、クレンジングをミルクにする、といった簡単なことで回復する可能性があります」
「結果としては、上の2つと同じように肌のバリア機能が低下しているのですが、その原因が年齢特有のものやライフスタイルに関係するものに。ストレス、寝不足、暴飲暴食、メンタルの落ち込み、自律神経の乱れなどによって血行不良が起こり、乾燥が引き起こされています。そして女性ホルモンの低下も乾燥の原因に。肌の内外のケアが特に必要です」
「このタイプは自分でも原因がわからないので症状を悪化させているケースが多く見受けられます。生理時に肌荒れした、暴飲暴食した翌日にゆらいだ、いつものシャンプーで肌荒れしたなど、原因がわかるまで自分の肌をよく観察してください。生活リズムが変わることがストレスとなり、ゆらぐこともあるので、今までとは"違う"習慣も観察の対象に」