こちらのsioも元々は代々木上原の名店サンカントサンクの系列店Grisのシェフがオーナーシェフとなりオープンしたお店です。Grisも大好きなお店でしたが、それとは全く違う切り口のお店となって生まれ変わりました。
内装も器もお料理も全て無駄なものを削ぎ落としたような質実剛健といった印象。
といってももちろん器や内装、お料理のビジュアルは全て統一感があってとても素敵です。
ご覧の通り材料のみ表記されているような内容!ただ、そこから伺えるように素材の本質を追求するという姿勢がメニューでも表現されているんだなと感じました。
そして詳細が見えないだけによりどんなお料理が供されるのか期待が膨らみます。
まずはここでお店の印象を決定すると言っても過言ではない一品目のお料理。この時はトウモロコシのスープでした。
トウモロコシのスープといってもコーンスープではありません(笑)当然ですが・・・
でも本当に素材の味を生かすとか本質を追求するという言葉って料理の世界ではよく耳にしますが、こちらの追求度は半端ではないことがこの一品目のスープでわかりました。
トウモロコシをそのまま食べている以上にトウモロコシ感がする。
この開幕戦でシェフの料理に対する姿勢、考え方が理解できる名刺のような一品に感じました。
その後に続くのはこちらのお店の看板メニューとも言えるのでしょうか(?)赤いビジュアルがスイーツ??と思ってしまうようなこちらのお料理。
なんと馬肉でした。色はビーツの赤みたいです。こちらも無駄な味付けは一切ない真剣な素材追求を感じる逸品。
その後に続くお魚やお肉もメニューに表現された通りの素材そのもの以上に素材の味や特徴を打ち出すお料理。
クラシカルではなく創作系の新しいフレンチでは薄味(という表現で良いのか)的な調理法のところは多いですが、こちらのお料理はその流れともまた違う感じ。とにかく素材の本質への追求具合が半端ではないという感じで素材との真剣勝負という表現をしたくなるような印象を受けました。
全てのお料理に対して色んな切り口からぴったりのお酒を出してくれました。
最初のシャンパンから何と焼酎まで!
他のお店でも言えますがやはりお料理に合わせるお酒によって味わいが更に倍増するかしないか重要な存在なので絶対にペアリングをお勧めします。
無難な感じからエッジの効いた提案までお店の特徴も見えるので楽しいですよね。
こちらはエッジが効きすぎることもなくかと言って無難で退屈することもなくとても良いバランスでの提案でした。