ーありがとうございます(パチパチと小さく手を叩く)!
●この作品がこんなにも視聴者に愛されたのはどうしてだと思いますか?
ーただ運が良かったのだと思っています。
●キャストのみなさんもとても役に合っていましたよね。
ーはい、僕もそう思います。
●キム・へユンさんがインタビューで、見習わなければいけないいちばんの努力家でムードメーカーでした、と、ロウンさんを絶賛していました。へユンさんの印象は?
ーへユンさんはとても賢くて演技も上手く、まわりの人に配慮もできて性格も優しくとても明るいので、僕と一緒に撮影現場でもムードメーカーでした。友達としてもウマがあったなと思いますし、だからこそ僕たちふたりのケミ(化学反応)が生まれたんだと思います。本当に親しいからこそ出てくる雰囲気が、仲が良いフリではなく、そのままTVを通じて伝わったんじゃないかなと思います。
●このドラマで好きなシーンを挙げるとしたら?
ー作品の中で、ハルが、本人の存在理由を考えて自分がなぜここにいるのかを考えさせられるシーンです。第5話あたりの、ハルの存在理由の根本を知らせてくれるようなシーンです。それから、カーテンを星型にくりぬいて、ダノに夜空を作ってあげるシーンがあるんですが、そのシーンが気に入っています。ドラマ後半には感情をうまく表現しなくてはいけないシーンがとても多かったんです。そんな時に台本に書かれた決まったセリフではなくて、僕が本当にハルになりきって集中していた時に、自然とアドリブで出てきたセリフでOKをもらったシーン。OKがかかったあとも、その感情がずっと続いた時の感覚が良かったと思います。
●この作品から得たこと、何か深く考えさせられたことはありますか?
ーすべての行動には、意味や考えがあってこそ体も動くし言葉も出てくると考えるようになったので、撮影中はずっと悩み続けてました。どのシーンも心を楽にして臨んだ場面はまったくなくて、ハルというキャラクターに集中していました。自分自身とハルの共通点は何かと探してみたり、毎回何に集中すべきなのか、と考えました。自我を持っている時と持っていない時を、はっきり区別して演じなくてはいけないと思ったので、外見的な点にも気を遣いましたし。服だとか靴だとか。ずっとそれだけを考えてました。起きる時や寝る時も、服からも感情が見えてくると思ってスタイリングにも気を遣ったり、自分であれこれ考えたり、台本に書かれていない部分もなんとか表現したいと思ったので、それに合うような小物を用意したり探してみたりしました。
●例えばどんな小道具を用意したんですか?
ー実際にはそのシーンは使われず残念だったのですが、ダノが心臓病で何日も学校に来れない時期があって、僕が演じたハルは、ダノがいてこそ自由になれるので、何もできないでいたんです。ハルはいつもなぜここにいるのかという理由を探しているので、ロッカーに向かっている時も、なぜロッカーに向かっているのかを考えているし。そう考えた時に「図書館で心臓病の本を探して持っているのはどうですか?」と監督に提案してみたら賛成してくださって、タイトショットを撮ったんです。
●共演したキム・へユンさん、キム・ジェウクさん、キム・ヨンデさん、ナウンさん、チョン・ゴンジュさん、イ・テリさんの実際のキャラクターをひとことで表現すると?
ーへユンさんは優しくて明るく、とても賢くて、演技に対してしっかりと悩み抜いて臨む、想像力も豊かな女優。ドラマを通して皆仲良くなったのですが、その中でもいちばん仲良くなったジェウクさんは、若いけれど幅の広い、柔軟性も持った俳優で、僕と演技のキャッチボールもうまくでき、とてもいい役者だなと思いました。みんな優しく現場の雰囲気もとても良かったのですが、ゴンジュさんも優しくて、演技を重ねるほどに想像していた通りの役に近づいていって不思議な感じがしました。ヨンデさんはともすると僕やペクキョンとの関係が重くなりかねないのに、彼とドファを演じたふたりが、気分のいいシナジー効果、役割を果たしてくれて。ヨンデさんはウィットとセンスのある人間だと思いました。ナウンさんも若いけれど演技のキャリアがあり、演技の話もよくしましたし、いい意味での欲もあって刺激を受けました。小さなシーンにも一生懸命に取り組む姿が素晴らしいなと思いました。テリさんは子役の時から演技をしてきた方ですよね。撮影すればするほどハルとの関係性で悩みました。チミチェがどんな存在なのか、監督が考えていた答えと僕の答えが違ったところがあって、より考えさせられたんです。でも、テリさんには内なる何かがあって、彼との撮影は気を楽にして進めることができました。彼ならではの内なる力のおかげで、演技の息が合って楽だったんです。そんなこともあって、最後のシーンは本当に記憶に残ってます。