▽ストレッチを教えてくれるのはこの人!
パーソナルトレーナー 橋本はづきさん
▶疲れをとる呼吸法をマスター!
現代人の多くは呼吸が浅いため交感神経が過剰に優位になりリラックスできない状態。
深い腹式呼吸ができるようになると副交感神経が優位になって血流もよくなり体と脳の疲れが解消。
「深い腹式呼吸ができるようにするには、縮んで硬くなりやすい表面の腹直筋はゆるめてのばし、脇腹の腹斜筋は縮んで衰えやすいので、のばしながら引き締めて。そしてインナーマッスルの腹横筋はゆるんで衰えている人が多いので、ここはしっかりと鍛えて丹田に力をつけるのがポイント。これを寝る前などにできるだけ毎日続ければ、疲れがとれて睡眠の質もアップ!」
❶ 腹直筋をほぐす呼吸
おなかの深部の腹横筋は丹田のある部分でもあり、しっかりと力が入らなければいけない部分。ゆるんでいる人が多いので力が入るよう練習を。
1.あばら骨の内側をもみほぐす
あおむけに寝て両膝を立て、足を少し開く。両手の指先をあばら骨の内側に入れて、よくもみほぐす。硬くなっていることが多いので、柔らかくなるまでもみほぐして。
2.胃に手を当て、息を吸う
次に、あばら骨の下の胃のあたりに両手を重ねて当て、息を吸っておなかに空気を入れてできるだけ大きく膨らませる。
❷ 腹斜筋をほぐす呼吸
腹斜筋は、猫背姿勢などで縮まりやすいので、長くなるようマッサージしてよくのばして。
1.両手をあばら骨の下に当てる
あおむけで両膝を立て、軽く足を開く。両手を左右のあばら 骨の下あたりに当て、息を吸っておなかを膨らませる。
2.腸骨へとなで下ろす
息を吐きながらおなかをへこませていき、腸骨(骨盤の左右に広がる骨)に向かってなで下ろす。これを3回。
▶腰まわりのストレッチ
❶ 腰の疲れや腰痛に効く!お腹の伸ばし方
縮んだ腹斜筋をのばしながら、引き締める効果がある体操。体のゆがみが整い、腰の疲れや腰痛改善に効果的。
1.両膝を立てて息を吸う
あおむけに寝て、両膝を立て足を軽く開く。両腕を頭のほうに上げ、左右の手をクロスさせて手のひらを合わせる。息を吸っておなかを膨らませる。
2.息を吐きながら膝を右に倒す
息を吐きながらおなかをへこませていき、両膝を右に倒す。左の脇腹を長くのばして息を吐ききる。この時左の腹斜筋が硬くなるのを意識。
3.息を吐きながら膝を左に倒す
息を吸いながら両膝を元に戻し、今度は、同じ要領で息を吐きながら両膝を左に倒す。これを左右各1回。
❷ 座りっぱなしで固まってしまった腰をのばすストレッチ
背骨と骨盤のゆがみを整える体操。長時間の座り仕事からくる腰の疲れの予防・改善に効果的。
1.膝を持ち股関節を回す
あおむけに寝て、右の股関節を横に開いて右手で膝を持ち、膝で円を描くように股関節から大きく回す。これを5回。反対側も同様に。
2.左手で右膝をつかむ
次に、右膝は曲げて引き上げたまま、左手で右膝をつかむ。
3.右膝を左の床へ倒す
息を吸って吐きながら右膝を左の床へ倒して3呼吸キープ。右腕は床にのばし、右肩は床から浮かせないこと。反対側も同様に。
▶肩コリに効く!肩甲骨ゆらし
硬くなりがちな肩甲骨まわりの血行がよくなり肩コリが改善。丸まっていた肩や背中がのびて姿勢もよくなる。
1.右腕を上げ、左腕は曲げる
椅子に座り、背すじをのばし、左右 の肩甲骨を中央に寄せ、首をのばし、肩を下げる。その状態を保ったまま、右腕をまっすぐ上にのばし、左肘は曲げて下ろす。
2.左腕を上げ、右腕は曲げ
る
次に、右肘を曲げて下ろし、同時に左腕をまっすぐ上にのばす。この腕の上げ下げを左右交互に30回。
【NG】
腕を上げ下げする時、肩が上がってしまうと効果が出ないのでNG。肩は下げたまま行って。
▶ パソコンやスマホで疲れた指ストレッチ
パソコンやスマホを打つことで疲れやすい指も、1本ずつ引っぱってストレッチを。指先には自律神経のツボもあり、刺激すると精神状態も安定。
1.指を1本つかむ
左手の指を1 本、右手でつかむ。肩に力を入れず、下げて行って。
2.指を引っぱって離す
つかんだ指を引っぱって、パッと離す。これを1 本ずつ、すべての指で行う。終わったら左右の手を入れ替えて同様に。
▶意外とこっている!腕のストレッチ
パソコン作業などで疲れがたまりやすいのが腕。一日中、曲げっぱなしで縮んでいる部分なので、よくのばして。
右手で左指を持って左腕をのばす
左腕をのばし、指先を下にして手のひらを前に向け、右手で左の指を持つ。息を吸って、吐きながら右手で左の指を手前に引いて左腕をグーッと伸ばして3 呼吸。反対側も同様に。
【NG】
肩に力が入っていると肩が上がってしまい、腕が伸びないのでNG。肩は下げて行って。
▶頭をほぐすマッサージ
脳をフル稼働させていると硬くなるのが頭。よくほぐしつつ、自律神経の乱れを整える百会(ひゃくえ)のツボも刺激。
1.側頭部を押しほぐす
あごを引き、両手の指先を側頭部に当て、グリグリとよく押しほぐしながらゆっくりと3 呼吸。首がこっている人は、後頭部も同様に行って。
2.頭頂部へと指を引き上げる
息を大きく吸って、側頭部に当てた指を頭頂部に向かって押しながら引き上げていく。
3.頭頂部の百会のツボを押す
指が頭頂部に来たら、息を吐きながら頭頂部にある百会のツボを押し、顔の力を抜く。これを3回。
▶全身に効く!長座~前屈
膝裏や背中などをのばして全身の疲れをとりつつ、丹田を鍛えてエネルギーをチャージし、ストレスに負けない体に。
1.骨盤を立て、膝裏をのばして座る
骨盤を立て、両脚を前にのばして座り、左右のかかとを合わせて足先は開く。両手は後ろにつく。膝が浮いたり、骨盤が倒れたりしなければOK。
2.手を足首に置き、おしりを突き出す
足首のあたりに両手を置き、おしりを突き出す。
3.上体を前に倒す
そのまま上体を前に倒す。なるべく遠くに倒すこと。膝が浮かず、脚に顔がつくくらい倒せると理想的。そのまま3 呼吸。
【むずかしければ…】
むずかしければ膝を軽く曲げて、できる範囲で上体を倒して。続けるうちに膝を浮かせずに上体が倒せるようになっていくはず。
▶やる気を出す!魚のポーズ
のどをのばすことで甲状腺が刺激され、ホルモンバランスが整うと疲れにくくなり、やる気がアップ。
1.あおむけに寝て、腕を体の下に置く
あおむけに寝て、両脚をのばし軽く開く。両腕を体の下に入れて両手をおしりの下に置く。背中に腕で2 本のレールを作るイメージで。
2.あごを突き出し、頭頂部を床につける
息を吸って、吐きながら両肘を曲げて、あごを突き出して頭頂部を床につけ、のどをグーッとのばしてキープ。深く息を吐ききったらもうひと呼吸。
3.頭を戻し、息を吐ききる
頭を元に戻して、力を抜き、両手をおなかの上に置いて息を吐ききる。これを1回。そのまま寝てもOK