“人間っぽさ”に惹かれた役を演じて、新しい表情を見せる
劇作家を目指す青年・永田と、彼を健気に支えようとする恋人・沙希の物語『劇場』。永田を演じた山崎賢人さんは「この映画の取材の時って、記者のかたが自分の恋愛と照らし合わせて話してくれることが多いんですよ。今までたくさんやらせてもらった漫画原作の映画と、また違った魅力を感じています」と語る。それはきっと山崎さんが永田のダメさと青くささを、とことんリアルに表現しているからだろう。無精ひげをたくわえて、 これまでと違う新しい表情を見せている。
「理想はあるのにうまくいかなくて、いっぱいいっぱいで人を傷つけたり、才能のある人に嫉妬したり。永田の人間っぽいところに共感しました。人の弱さや醜さ、どうしようもなさをここまで演じたのは初めてかもしれない。間違ったことやうまくいかないことを経験している人のほうが、いい方向に進める可能性もありますよね。ダメな部分を肯定してくれるようなラストも好きなんです」
どんな状況でも、笑顔で永田を見守ろうとする沙希のような恋人は、理想のタイプ?それとも……?
「いいですよね。でもたまにはビシッと言ってもらったほうがいいのかなぁ。仕事のことは自分で考えているので、生活するうえでのことは言ってもらっても大丈夫です。ゴミはちゃんとゴミ箱に捨ててよ ! みたいなことですね(笑)」
青春映画からコメディ、アクション、そして恋愛映画まで多彩な出演作を重ねて、20代を駆け抜けている山崎さん。
「その瞬間のマックスを出して、生きざまを刻んでいく感じも楽しみながら、経験を積んでいきたいです。僕が憧れるのは、主張していないのにさりげなく今までの経験を感じさせてくれる人。自分自身がそうなれるように、一作ずつ大切に演じていきたいと思っています」
Profile
やまざき・けんと●1994年、東京都生まれ。2010年に俳優デビュー。近年の主演作に『羊と鋼の森』『キングダム』『ヲタクに恋は難しい』などがある。今年はNetflixで『今際の国のアリス』が配信予定。又吉直樹原作の映画『劇場』は7月17日(金)に全国公開・Amazon Prime Videoにて独占配信が決定。
※「崎」は正式には旧字。「大」が「立」になります