教えてくれたのは・・・
ヘア&メイクアップアーティスト 小田切ヒロ
徐々に顔が大きくなるアラフォーを救うには?
フェイスラインがゆるんでもたついてきた、顔が膨張して見える、口角が落ちて不機嫌顔に……。アラフォーが抱える「サガり」問題は数知れず。「だからこそこの世代は、アゲるための“マニュアル”をもっていてほしい。どんな状況でもとりあえずこれをやれば、いやでもアガる。そういうルーティーンが、日々、自分を助けてくれるんです。マニュアル=決め事にしておけば、疲れている時でも実行しやすいですから」と小田切さん。
今回お伝えするのは、そんなテクニック。「最初にスキンケア。角質ケア、美容液、クリームを三本柱に。次にマッサージ。アラフォーは、顔の肌を下手に摩擦すると、ダメージの引き金になるので、『顔に触れないでアゲる』が鉄則です」
そして本当の意味で“アゲる”には、気持ちもアップしなくては。「心がアガらなければ、顔も上がらないのがマリソル世代。また気持ちが伴わず、変に顔だけがキリッとしすぎているのは一生懸命感が出て怖い。“アゲ”には余裕や癒しがセットでないと、年齢相応の美はかないません」。こんな哲学をもつ小田切さんのアガるマニュアルをマスターして、いつでも上向き顔に!
①惹きつけられる自分になるには? |40代エイジングケア
アラフォーのアガらないお悩み1
数年前までは、歩いていても常に男性の視線を感じていたけど、最近それがない!惹きつけられる自分になるには?
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解決方法
顔で勝負しちゃダメ! 余裕や包容力を感じさせる、成熟した雰囲気を醸して
これまで若さに自信があったのに、失って自信をなくしているのでしょうね。でも、もう顔で勝負するのはなし。人を惹きつけるには雰囲気。大人にしか出せない包容力や優しさのある、成熟した魅力を放つのが一番です。特に男はどこか甘えたい生き物だから、女性の丸みに弱い。頰、唇、胸といった丸みをアピールするのがおすすめです。
<Lesson>スキンケアで、肌の「底力」を〝アゲる〞
アガり感を出すためには、ファーストステップ=スキンケアは重要。朝はメイクの仕上がりを助けること、夜は肌力を高めることを目的にして。
【ココがキモ!】
★角質ケア、美容液、クリームこそアラフォーの肌の三種の神器
★朝と夜、それぞれに最適なアイテム、ケア法を選ぶ
★どんなに疲れていても勝手に手が動くよう、ケアをルーティーン化!
【朝】メイクの仕込みとしてのルーティーン
①角質ケア
代謝が落ちるアラフォーは角質ケアがマスト。朝は保湿系をチョイスして。
保水力もキープする〝ブースタークレンジング〞で洗顔する
泡立たない洗顔料を肌にのせ、指の腹でクルクル。触れるか触れないかくらいの"小鳥タッチ"で。まるでブースターを使ったように、後にくる保湿ケアが入りやすい肌になるはず。
②美容液
老化阻止には、最新技術搭載の美容液を。朝は血色注入ケアを主役に。
圧をかけ、めぐりを高めて血色を仕込む
全体にのばした後、手全体を頰に当て、引き 上げながら圧をかけ、血行促進。額は手を横にして上方向に圧を。
③クリーム
朝は軽めの質感でツヤをオン。
ケアではなくメイクのつもりでツヤチャージ
クリームは外→内に広げ、乾燥しやすい頰などにしっかりうるおいを。スポンジで余分な油を取り、くずれを防ぐ。
【夜】肌の底力を育てるためのルーティーン
①角質ケア
代謝が落ちるアラフォーは角質ケアがマスト。朝は保湿系をチョイスして。
布を使ったソフトピーリングを習慣に
クレンジング料を肌にのせ、手持ちの柔らかいガーゼ状の布を顔の内→外側にすべらせ角質オフ。小鼻などの細部は指に巻いて。
②美容液
夜の美容液はシワやたるみケアを主役に。
シワケア美容液でエイジングサイン消去を目ざせ
顔全体に塗ってからシワ部分に2 度づけ。目もとは片方の手で引き上げ、ほうれい線は頰を膨らませて入れ込む。
肌の奥の柔軟性に作用して、潜伏ジワを防止。リンクルショット ジオ セラム(医薬部外品) 40g¥10,000/ポーラ
③クリーム
夜は高機能モノでエイジングケア。のばす方向も変えて。
高機能クリームで顔の形状記憶
夜は内→外側にのばす。肌を外方向にもっていき、形状記憶させる感覚でなじませる。
②"年齢に応じた美しさ"はどうすれば出てくる? |40代エイジングケア
アラフォーのアガらないお悩み2
よく"年齢に応じた美しさ"と言いますが、いったいどうすれば出てくるの?
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解決方法
生きてきた蓄積も老化も受け入れることで、年齢なりの美がにじみ出る
アラフォーということは、その年齢まで生きた蓄積があるということ。まずその蓄積を自信をもって受け入れる。そして老いも受け入れる。例えば眉間に出るネガティブなシワはともかく、笑いジワなどのポジティブなシワは「出た、ラッキー」という意識でとらえるんです。こういうふうに思うと、年齢なりの美しさが少しずつ出てくるはず。
<Lesson>メイク前マッサージで、めぐり力を〝アゲる〞
肌が疲れやすいアラフォーは「いかに顔に触れずにアゲるか」がカギ。下手にいじると、摩擦が生じ、かえってくすみなどを引き起こすから注意!
【ココがキモ!】
★アラフォーからのマッサージは顔の肌には触れない
★デコルテや首すじのリンパを流して、むくみをなくす
★頭皮もきちんとほぐし、自らアガる顔に
攻めるべきポイントはここ!
③どうしたらメイクがあかぬける? |40代エイジングケア
アラフォーのアガらないお悩み3
まわりの人に比べて、メイクが古くさいしあかぬけない。比べてがっかりしてしまいます。
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解決方法
コスメの進化を上手に利用。メイクテクもアップデートして、顔の鮮度を上げる
コスメはすごいスピードで進化しています。だから1 年と言わず、1 シーズンで思いきって買い替えるのはいい方法。新しいものを使うだけでも、メイクはかなりアップデートできますよ。それから昔覚えたメイクテクを引きずっていると、一気におばさん化するから注意。アイテム以外に技もアップデートして。
<Lesson>ベースメイクで、フェイスライン印象を“アゲる”
顔の中の光が当たって明るくなる箇所と、影になる箇所を強調するだけで、アガった感じに。質感によるコントラストもつけて、さらに引き締め。
【ココがキモ!】
★上半顔にはハイライト、下半顔にはローライト
★顔の中心部はツヤ、輪郭はマットに仕上げる
★ファンデやハイライトは指づけで正確に
メイクのポイント!
”上がり顔”の最大のコツは、ハイライトとローライトの使い分け!
明るい部分=目の下と眉間はハイライト、影になる部分=フェイスラインはローライトと塗り分け、メリハリを出すとリフト効果が。
1.下地は温めてフィット感アップ
大粒パール大の下地を手の ひらで温める。顔の内→外に向けて薄くのばす。
2.クマ、くすみカバーのコンシーラーをオン
肌色のにごりをなくすにはオレンジのコンシーラーを活用。ブラシに少量を取って、目の下のクマゾーン、小鼻のくすみ部分にのせる。
3.ファンデーションは指づけ&パフの2段階
クッションファンデーションは指でつけたほうが量が調整しやすい。シミが目立つ頰に最初にのばしてから周囲に広げて。その後パフで優しく押さえ、定着力を高める。
シンクロスキングロー クッションコンパクト SPF23・PA++ ¥5,700(編集部調べ)/SHISEIDO
4.細かい部分はお粉でテカリ抑え
くずれやすい目のキワや小鼻、テカっているとだらしなく見える唇のまわり、アイブロウをのせる眉に、ブラシを使ってパウダーを軽くのせて。
5.理想の”美輪郭”をローライトでかなえる
肌色より少し濃い色のローライトカラーをエラの角〜あご〜もう一方のエラの角までぐるっと塗る。スポンジであご下方向にぼかす。
6.フェイスラインは粉でツヤ消し
ローライト部分に粉をのせる。顔中央はファンデのツヤを残す=明るく、輪郭はマット=明るさオフと、質感でコントラストをつけて。
7.部分ハイライトで”アゲ”のダメ押し
ハイライトを指に取り、トントンとのせる。入れる範囲は目の下の目頭から目じりまで1.5㎝幅で。鼻すじのへこんでいる箇所にも入れる。
④心の若さと容姿の衰えのギャップを埋めるには? |40代エイジングケア
アラフォーのアガらないお悩み4
気持ち的には20代のころと変わってないのに老けてきた。心の若さと容姿の衰えのギャップがしんどい。
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解決方法
自分がアラフォーであると年齢を自覚して、外見との折り合いをつけて
厳しいようだけど、気持ちが20代と変わっていないのは問題。言い換えれば幼いということなので、そこは改めて、自分はアラフォーであると自覚すべき。もしかすると痛い思い、つらい思いをした経験が少ないのかな? 酸いも甘いも嚙み分けた年代になると心に余裕が出て、「容姿の衰えは仕方ない、じゃあ、どうする?」と前向きに思えるもの。心を成熟させることを考えて。
<Lesson>メイクアップで大人の女の美人印象を"アゲる”
メイクの基本は顔の上を重く、下を軽く。ボリュームと色で上に重心を置き、逆三角形シルエットの顔にすれば、全体がアガったムードに。
【ココがキモ!】
★メイクの〝重心〞を上半顔に持ってくる
★眉下、目もと、口もとにコンシーラーでエッジを
★ゆるみ始めた目もとは寒色系でシャープに
1.上がる印象づくりは眉から始める
ペンシルで眉頭の毛を上げるように描く。カーキのパウダーで、眉山→眉じり→眉山と眉頭の間の順に太めに描く。最後に眉の下全体にコンシーラーをブラシで細く入れ、眉をきわだたせる。
下)こまやかに引ける、毛の先端が平らなブラシ。ディオール バックステージ アイライナー ブラシ¥3,500/パルファン・クリスチャン・ディオール
2.寒色系のシャドウでクールに決める
シャドウは膨張しないブルーを選択。目のキワからアイホールまでクレヨンをじか塗りし、指でぼかす。グラデをつけるとバブリーになるので厳禁。
3.ラインは目もとすっきりのネイビー
上のインサイド全体にネイビーのラインを引き、目じり部分を5㎜のばし、目の幅を広げる。のばした箇所の下に、平筆でコンシーラーを入れるとラインが強調される。マスカラもネイビーで。
下)トゥーマッチにならずに、まつ毛を凛と強調する大人のボリュームマスカラ。黒に近い感覚で使えるブルー。エクストラボリューム カラーマスカラ 06¥4,400/アンプリチュード
4.上半顔を引き立てる幅広ふわっとチーク
チークの範囲は目頭から1 ㎝下、小鼻から1 ㎝横を結ぶ線を起点に、横にぼかす。ゴールド→オレンジと重ねて。
5.エッジのきいたリップラインで口角も上げる
リップはじか塗り。コンシーラーをブラシに取り、唇の下、両口角から1㎝の範囲に細く線を引き、下がりをカバー。
上半顔に視線を集めたいので、口もとは辛口ベージュで抑えめに。ルナソル シームレスマットリップス 08¥3,800/カネボウ化粧品
完成!
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