本気の断捨離をした人が多かった自粛生活
年末年始にも夏休みにもできなかった、自分にとって前例のない規模の断捨離。いやがうえにもできてしまう時間の猶予と外出できない抑制、きっとそれが、私たちにこれまで経験したことのないような感慨をもたらしたはずなのだ。
それこそが、大げさではなく“人生をやり直すような実感”。人生をやり直すなんて、そう簡単にできるものじゃない。いやほとんど不可能。とりわけ30代40代まで生きてきてしまうと、何かもう後戻りできない、もう遅いと思えてしまう。少しも遅くはないのだけれど、一体何から手をつけていいか分からないから、最初から諦めている。
もっときちんと生きたいのにきちんとできない自分。いつもニコニコしていたいのに不機嫌な顔になってしまう自分。夫とはたくさん会話する関係でいたいのに、無口になっている自分。清潔で美しい暮らしをしたいのに、結局いつも部屋が散らかっている自分。そのレベルなら、数え切れないほどあると言えるのかもしれない。納得できない自分が。
つまりそういうものを、今一気にやり直す絶好のチャンスなのではないかと思うのだ。
自粛生活の中で、大規模な断捨離に取り掛かったり、非常にストイックな日々を送ったり、ミニマムな自分に戻ったら、それができそうな気がするはずなのだ。ちょっと澱んだコップの水を一気に捨てる感覚があるから。