【ART#02】ファッションは「視る/視られる」ゲーム?

「着る」「装う」ことについて問うファッション展『ドレス・コード? ――着る人たちのゲーム』。京都服飾文化研究財団(KCI)が収蔵する衣装コレクションを中心に、ファッションとアートをはじめ、映画やマンガなどに描かれた衣装も合わせて300点を超える作品で構成される。

 

13のキーワード「ドレス・コード」を立ててインスタレーション

【東京オペラシティ アートギャラリー 7月4日(土)~ 8月30日(日)】

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COMME des GARÇONS 2018年春夏 京都服飾文化研究財団所蔵 撮影/畠山崇

昨年から京都国立近代美術館、熊本市現代美術館を巡回し、4月から東京オペラシティ アートギャラリーで開催予定だった展覧会『ドレス・コード? ――着る人たちのゲーム』がようやく7月に開幕となる。ファッションの歴史や1人のデザイナーをフィーチャーするのではなく、誰にとっても関係のある「着る」という行為に焦点を当てる展覧会だ。

 今日は何を着ようかと考える時、自分の好きな服を選んでいるようで、「視られている」という他者の視線が忍び込んでいる。どこへ行くか、誰に会うか。SNSも意識する? こうした「視る/視られる」関係性から考えると、フォーマルな「ドレス・コード(服装規定)」にかぎらず、時代、地域、社会階層、文化、慣習、規範などに基づき、日常生活にも暗黙のルールがあることに気づく。ファッションのおもしろさは、そうしたルールを破ったり、守ったり、新たに作ったりして新しい服や着方が生まれてくるところにもある。今やジーンズが炭鉱から、トレンチコートが戦場から生まれたことを知る人は少ないだろう。

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キャンベルズ・スープ・カンパニー《ザ・スーパー・ドレス》1968年 京都服飾文化研究財団所蔵 撮影/畠山崇

そこで、この展覧会では「組織のルールを守らなければならない?」「服は意志をもって選ばなければならない?」など13のルール=ドレス・コードに疑問符を立てて、ファッションやファッションにまつわるカルチャーを見つめ直していく。「生き残りをかけて闘わなければいけない?」というエリアでは、ルイ・ヴィトン×シュプリーム、フェンディ×フィラなど、ラグジュアリーなブランドとストリートブランドやスポーツメーカーのロゴを用いたコラボを。「教養は身につけなければならない?」というエリアでは、高橋真琴のイラストをポリエステル・キャンバスにインクジェットでプリントしたコム デ ギャルソンのドレスなどで、テキスタイルと絵画の境界を超える。また、アンディ・ウォーホルが作品のモチーフとした「キャンベル・スープ缶」、そのコピー・アートを不織布にプリントした「ペーパー・ドレス」も展示。ウォーホル自身も「バナナ」のペーパー・ドレスを作っていて、「本物とコピー」などさまざまな価値の転倒がある。

 東京展では、ノワール ケイ ニノミヤ(2020年春夏)やコム デ ギャルソン(2016-17年秋冬)のコレクションが初出品。アーティストの森村泰昌や青山悟、都築響一、劇団「マームとジプシー」、「チェルフィッチュ」などの作品も東京独自の展示方法や東京のみの出品作品もある。マンガ家・坂本眞一の『イノサン』『イノサン Rouge ルージュ』とコラボしたコーナーも。美術館の全展示室を使った大規模な展示空間となる。さて、何を着ていこう? 

 

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参考画像「ドレス・コード? ――着る人たちのゲーム」熊本市現代美術館 展示風景 2019年 撮影/山中慎太郎(Qsym!)

ドレス・コード?――着る人たちのゲーム

 

会場/東京オペラシティ アートギャラリー

会期/7/4(土)~8/30(日)

※月曜(祝日の場合は翌火曜)・8/2休

時間/11:0019:00(入館は30分前まで)

料金/一般1,200円 事前予約制

03-5777-5600(ハローダイヤル)

 

▶東京オペラシティ公式サイト

 

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白坂由里

白坂由里

しらさか・ゆり●アートライター。1991〜97年にカルチャー情報誌『Weeklyぴあ』編集部でアートページを担当後、フリーに。共著に『フェルメール 16人の視点で語る最新案内』『別冊太陽 ディック・ブルーナ』など。鑑賞者の変化に関心があり、アートプロジェクトの取材も行っている

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