13のキーワード「ドレス・コード」を立ててインスタレーション
【東京オペラシティ アートギャラリー 7月4日(土)~ 8月30日(日)】
![【ART#02】ファッションは「視る/視られる」ゲーム?_1_2](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/ae/aeb6e9cdbe87966d1b3e72ea98678538_640x640_w.jpg)
昨年から京都国立近代美術館、熊本市現代美術館を巡回し、4月から東京オペラシティ アートギャラリーで開催予定だった展覧会『ドレス・コード? ――着る人たちのゲーム』がようやく7月に開幕となる。ファッションの歴史や1人のデザイナーをフィーチャーするのではなく、誰にとっても関係のある「着る」という行為に焦点を当てる展覧会だ。
今日は何を着ようかと考える時、自分の好きな服を選んでいるようで、「視られている」という他者の視線が忍び込んでいる。どこへ行くか、誰に会うか。SNSも意識する? こうした「視る/視られる」関係性から考えると、フォーマルな「ドレス・コード(服装規定)」にかぎらず、時代、地域、社会階層、文化、慣習、規範などに基づき、日常生活にも暗黙のルールがあることに気づく。ファッションのおもしろさは、そうしたルールを破ったり、守ったり、新たに作ったりして新しい服や着方が生まれてくるところにもある。今やジーンズが炭鉱から、トレンチコートが戦場から生まれたことを知る人は少ないだろう。
![【ART#02】ファッションは「視る/視られる」ゲーム?_1_3](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/ab/ab6305da0cfc3bc9e18c7411efad015f_640x640_w.jpg)
そこで、この展覧会では「組織のルールを守らなければならない?」「服は意志をもって選ばなければならない?」など13のルール=ドレス・コードに疑問符を立てて、ファッションやファッションにまつわるカルチャーを見つめ直していく。「生き残りをかけて闘わなければいけない?」というエリアでは、ルイ・ヴィトン×シュプリーム、フェンディ×フィラなど、ラグジュアリーなブランドとストリートブランドやスポーツメーカーのロゴを用いたコラボを。「教養は身につけなければならない?」というエリアでは、高橋真琴のイラストをポリエステル・キャンバスにインクジェットでプリントしたコム デ ギャルソンのドレスなどで、テキスタイルと絵画の境界を超える。また、アンディ・ウォーホルが作品のモチーフとした「キャンベル・スープ缶」、そのコピー・アートを不織布にプリントした「ペーパー・ドレス」も展示。ウォーホル自身も「バナナ」のペーパー・ドレスを作っていて、「本物とコピー」などさまざまな価値の転倒がある。
東京展では、ノワール ケイ ニノミヤ(2020年春夏)やコム デ ギャルソン(2016-17年秋冬)のコレクションが初出品。アーティストの森村泰昌や青山悟、都築響一、劇団「マームとジプシー」、「チェルフィッチュ」などの作品も東京独自の展示方法や東京のみの出品作品もある。マンガ家・坂本眞一の『イノサン』『イノサン Rouge ルージュ』とコラボしたコーナーも。美術館の全展示室を使った大規模な展示空間となる。さて、何を着ていこう?
![【ART#02】ファッションは「視る/視られる」ゲーム?_1_4](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/ec/ec203b215e348ffb28026488e8fed5d9_3226x2420_w.jpg)
『ドレス・コード?――着る人たちのゲーム』
会場/東京オペラシティ アートギャラリー
会期/7/4(土)~8/30(日)
※月曜(祝日の場合は翌火曜)・8/2休
時間/11:00〜19:00(入館は30分前まで)
料金/一般1,200円 事前予約制
☎︎03-5777-5600(ハローダイヤル)
※新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、掲載の情報は変更になる場合があります。
最新情報は公式ホームページでご確認ください
![白坂由里](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/sqr/0a/0aa5aa38e23591a97dc7ce25b0493986_3264x2448_w.jpg)
白坂由里