"女性が憧れる理想の男性像"を舞台上で見事に体現。多くの女性たちを虜とりこにしてきた宙組のトップスター・真風涼帆。トップ就任から3年目、男役としての厚みと深みで観客を魅了する彼女だが「自分はまだまだ」と語る。飾らず、おごらず、止まらずに進化し続ける今を、質問をぶつけ、ひもとく。
Q.トップ就任から3年目の今大切にしていることは?
トップスター就任から約2年、濃すぎるほどに濃い時間を過ごさせていただきました。目の前のことに向き合うだけで精いっぱい、無我夢中で駆け抜けた1年目。それを経て2年目は少し広い視野をもてるようになりました。すると、また新たな壁や課題が目の前に立ちはだかるように。どれだけ経験を積み重ねても終わりがない、まだまだ学ぶことが多々あることを実感する毎日です。そして3 年目。「新しい自分に出会いたい」気持ちがさらに膨らんでいるのを感じています。舞台に関してはもちろん、それ以外の世界についても学び知る、その時間はとても大切。本を読み、人と話し、時にはネット検索をすることも。心に響いた言葉は忘れないようにスマホにメモ。最近だと、心理学の本で目にした「他者を理解することも自分を理解することもできない。私たちにできるのは他者を無条件に信じることだけ」という言葉。とても奥深く考えさせられました。舞台では"他者"を演じるからこそ、自分のフィルターに頼らずさまざまな角度から物事を見ることのできる人でありたい。人が演じて、人の心を動かす、それが芝居のおもしろさであり、すばらしさ。技術だけでなく"人としての豊かさ"も蓄えていけたらと思っています。
Q.真風さんにとっての "頑張ったごほうび"とは?
刺激し合える仲間と会話を楽しみながら食事する時間。観劇した舞台の話から、それこそ電子マネーについてまで(笑)、そこでは幅広い会話が繰り広げられます。また、大好きなファッションを楽しむのも私にとってはごほうび。最近のお気に入りは憧れのブランドのブルーのバッグ。経験を積んだ今の自分だからフィットする、それがとても気に入っています。
Q.美しさの秘けつを教えてください!
私が「美しさ」を感じるのは外見ではなく内面。どんなに着飾ったところで中身が伴っていなければ素敵ではない。その人の内側にある"生きざま"や"人間力の高さ"、"心の充実度"に魅力を感じる。私自身もそうありたいなと思うからこそ、大切なものを見失わずに生きていくこと、自分の世界をもち続けることを、これからも大事にしたいなと思っています。
【この記事はMarisol 2020年5月号より掲載されたものです。本誌では5つの質問を掲載しています】
Profile
まかぜ・すずほ●2006年、宝塚歌劇団に入団、星組に配属。15年、宙組へ組替え。17年、宙組トップスター就任。本公演作品も『アナスタシア』で5作目。実力、包容力、大人の色気、作品を重ねるごとに磨かれていく男役としての魅力。進化し続ける姿に注目が集まっている
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