坪田あさみ エディター・ライター
@asamit1201
@sundownertokyoomuretsu
▲2020年夏は何色とはっきり言えないような「ニュアンスカラー」が大活躍。白や黒、ネイビーといった去年までのベーシックカラー人気から一転、合わせやすさとおしゃれ感でいえば、絶対に買って損はないと思います!
暑い夏はワンツーコーディネートが当たり前。少しでも涼しく過ごすことを考えると、重ね着などでおしゃれに変化をつけることが難しくなるので、いかに一枚で素敵に見えるかということがとても重要になってきます。
中でもアラフォーから年々難しくなると言われるのがTシャツです。
そもそもTシャツは若者のイメージ。カジュアルアイテムとしても最右翼です。
今でこそTシャツを着て行くことが許される会社も増えているかもしれませんが、“ど・カジュアル”アイテムゆえ大人は選び方が重要になります。
大人向けの女性誌は毎年のように新作Tシャツやその選び方についてたくさんのページを割いていますが、「結局どれを買えばいいのか?」ということは媒体の特性上はっきりとは言えません。なぜならTシャツに求めることは人それぞれだから。どんな人でも欲しいものが見つかるよう、色々なものをご紹介する結果になってしまうのです。
ここではブログという特性上、超私的な、あくまで“私が”考えるTシャツに対する考え方についてご紹介します。
今回ご紹介するTシャツの基準は、ある程度おしゃれをして、仕事やお出かけをするシーンで着ることをイメージしてください。
ちなみにトップのTシャツの写真はこの夏の私のヘビロテ一軍Tシャツです。
まず私がTシャツを買う時には、以下の4つのカテゴリーが自分的にかなっているかをチェックします。
1/価格帯とコストパフォーマンス
ある程度値段の高いTシャツ(10,000〜15,000円前後)は、それだけクオリティにこだわって作られています。Tシャツはベーシックアイテムゆえにデザインの差はどこも微差。ではどこで値段に差がつくかというと素材のクオリティになります。
「1万円以上のTシャツなんて高すぎる!」と躊躇する場合は、ブランドのホームページなどを見て、どれだけそのブランドが素材に対し情熱を注ぎこだわっているかをチェックしてみるのも一つの手だと思います。
昨今の事情を鑑みるとブランドとしてもできるだけ価格は抑えたいはず。それでもTシャツとして強気の価格を出してくるということは、それなりの背景や思いがあることを知るのはよいことだと思います。
また価格はそのTシャツが何年着られるかということでも変わってきます。
例えば3000円のTシャツを一年で着倒し毎年新しいものを購入するのと、1万円のTシャツを3年間活躍させるのではどちらが自分にとってパフォーマンスが高いかを考えてみてください(何年着られるかどうかというのは、自分なりの経験が必要ですね。着る頻度やお手入れの仕方は人それぞれですから)。
夏は汗をかきますし、少ない枚数を着回す人もいます。なので人によっては毎年フレッシュで新しくきれいなものに買い変える方がよいという人も多いでしょう。そうであれば、ある程度価格の安いものを選ぶ方が得策です。逆にある程度よいものを長く着ることをよしとする人とであれば、1万円はそれほど高いとは感じないかもしれません。
2/クオリティ
1の価格帯と連動するのですが、上質さを追求したコットンのTシャツは、ガサガサとしたラフな感じではなく、なめらかで肌に吸い付くような手触りをしています。目が詰まった編み方で表面がつるっとしているものが多いのが特徴です。自然なつやも感じられるでしょう。
実際に手にとって触って目視するとその違いは一目瞭然ですので、初めて買うブランドの場合は、一度店頭で手に取ってみることをおすすめします(必ずしもクオリティと値段が伴っているとは限りません。そこはしっかりと触って見極めてください)。
ちなみに私は洗濯ネットにも入れず洗濯機でガンガン洗っていますが、3年程度ならほとんどへたりを感じませんし、色落ちも型崩れもせず一軍で活躍してくれています。そして使う度に肌に優しく「気持ちのいいTシャツだなあ」と感じます。
つまり私にとって素材のよさは気持ちの上でもコストパフォーマンスのよさにつながるということになります。
3/デザイン性
ロゴやブランド名、イラスト、写真などが入っているものはジャケットやブルゾンなどのインナーとしては存在感がありキャッチーでよいのですが、夏に一枚で着るには大人にはちょっとカジュアルすぎるといのが私の考え方です。
もちろん山や海、フェスに行く、キャンプをするなどシーンによってはありですが、街中でオフィシャルな予定がある場合にはあまり着ることはありません。
またそうしたTシャツの場合、ボトムはバランスを考えてきれいめなものと合わせるしかアラフォーには難しくなりますが、無地ならデニムやチノパンでも合わせる小物次第できれいめな着こなしになります。
つまり無地は合わせるボトムを選ばず、使用頻度が高くなるということ。これも何度も言っているコストパフォーマンスのよさに繋がります。
とはいえTシャツは冒頭にも述べたように、“カジュアル最右翼”アイテムなので、フリルがついているとか、レースがあしらわれているといったエレガントかつフェミニンなデザインは私的にはNG。老けて見えるというのが持論です(そうした可愛げなディテールも好きですが、私はTシャツ以外のアイテムで取り入れます)。
形はあくまで基本に忠実ではあるけれど、“ど・カジュアル”すぎないというさじ加減を目指します。
また襟ぐり問題ですが今はクルーネック一択です。昔はVネックも着ましたが、デコルテが削げてくるアラフォー世代はクルーネックが一番安心。キャミなどの重ね着も必要がないので夏に涼しく、下着のひもが見えることを気にしなくていいのでストレスフリーです。
4/フォルム
これはトレンド感が出ますが、3年ぐらいは大きく流行は変わらないので、その時の旬なフォルムを選べばよいと思います。
今ならつかず離れずのシルエット。どちらかというとやや大きめで体を泳がせるのが今っぽい。
また着丈は短めより長めが使いやすいです。というのも前だけインにして後ろを出す時にも着丈が長めの方が、後ろに膨らみのあるシルエットになりしゃれた印象になるからです。
前後差のあるものもたくさんありますが、これなら簡単に前だけインにしやすく、理想のシルエットになるので利用するのもありだと思います。
また二の腕が気になる人は、長めの袖丈やドルマンスリーブなどを選ぶと自然とカバーできます。ノースリーブなら肩から脇にかけてまっすぐなラインでアームホールがえぐれていないものを選ぶと二の腕がほっそり見えます(トップの写真の左のブルーと下のテラコッタをご覧ください)。
▲今年はあまり白を着ていないのですが、それでも見つけた時に買わずにはいられなかったTシャツがこちら。襟ぐりが詰まったクルーネック、つややかなコットン素材、前後差のある着丈、体につかず離れずのシルエット、ドルマンスリーブと私にとって完璧な一枚です。
5/カラー
最後に色です。これはとてもトレンド感が出ます。少し前までは白・黒・ネイビーが主流でしたが、今はニュアンスのある色出しのものが断然活躍します。
というのも、トレンド的にボトムに色があるものが多く、それらに合わせるには、白や黒といった単純な色よりもニュアンスのある複雑な色の方がおしゃれに見えるからです。
もちろん何にでも合わせやすい白と黒は持っていて損はないとしても、今季あえて買い足すなら、グレー、グレージュ、ベージュ、ブラウン、カーキ、ピンクベージュあたりが便利ではないかと思います。
上記の内容を踏まえ、今年も何枚かTシャツを購入しましたが、中でももっとも使いやすいと思っているのが、下の一枚です。
実はある撮影の時に某有名スタイリストさんが「今年はこういう色が一番使いやすいよ!」とあらゆるボトムと合わせて見せてくれたのがきっかけ。その場にいたスタッフはみんな感化されすぐにネットでポチったのでした(笑)。
▲エイトンならではのなめらかな肌触り、長めの着丈と袖丈、前後差シルエット、そしてニュアンスカラー(チャコールグレー)、つかず離れずのシルエット。上記内容に即したこちらも完璧な一枚です。着たいイメージに合わせてサイズを自由に選べるので2を購入。素材の厚みやデザインによっては3を選ぶこともあります。
実際に手持ちのボトム2枚と合わせみました。Tシャツを今っぽくきれいめなイメージで着る時にニュアンスカラーが便利なことがわかっていただけるかと思います。
▲ふんわりシルエットの黒いシルクタフタのスカートとTシャツを合わせた着こなし。これが黒×黒だと重いし、白×黒だとちょっと昔っぽい。ニュアンスカラー×黒というのが単純なワンツーコーデを格上げしてくれると思います。スカートの繊細な素材感と、Tシャツのつややかな上質コットンに落差が少なく違和感なく合わせられます。
▲同じエイトンのTシャツを淡いくすみピンクのリネンパンツと合わせた着こなし。写真ではちょっとパンツのピンクがわかりにくいのですが、カラーパンツが人気の今季はこんな淡い色はもちろん、もっとはっきりとしたビビッドカラーのパンツと合わせてもとても合いました。とにかく合わせるアイテムに困ったらニュアンスカラーです!
いかがでしたでしょうか? Tシャツに関してこんなに語ることがあるのかというほど長くなってしまいましたが、読んでくださりありがとうございました。
本当はまだまだ語ることがあるのですが、それはまた別の機会に(笑)!