国宝も64点所蔵されている由緒あるお寺です。
その敷地内にある400年以上の歴史を持つ僧坊「妙厳院」をリニューアルし、一組限定の一棟貸切宿坊としてできた和空三井寺。
周囲の庭園も含めて800㎡もの空間が完全プライベートスペースとして独り占めできます。
そして、さらなる贅沢として、これまで密やかに安置されてきた不動明王像が「和空 三井寺」の仏間へ安置されており、宿泊者だけが目にすることができ、プライベート空間でいつでも拝むことができるのです。
その他、写経体験や坐禅、山伏体験、広大な三井寺内を専属で解説してもらいながら案内していただけたりと特別な体験ができます。
目黒のクラスカを手がけたことで有名なインテンショナリーズのこちらの宿坊へのリニューアルデザインは、機能性は備えつつも歴史ある寺院建築の雰囲気を全く損ねることなく落ち着いたトーンで絶妙にモダン要素も加えられた完成度の高いものでした。
廊下の床や天井は僧坊の趣がかなり残されていました。
廊下にはお香が焚かれていてとても心が落ち着きます。
窓も二重窓でスムーズに開閉できる新しいものですが、雰囲気を損なわないようさらに木枠の一枚ガラスの窓がついており、ちゃんと宿坊の落ち着いた空間を演出してくれています。
かなり古い掛軸(説明してもらったのに詳細は忘れてしまいました…)が掛けられ、廊下を挟んだ大きな窓からは美しい庭園を眺められる素晴らしい空間でした。
こちらの庭園も全てプライベート空間です。
そしてそのアプローチを抜けていくとその先にはこんなに可愛らしいお庭とお地蔵さんも。
全てのスペースが誰にも邪魔されることなくプライベート空間として堪能できます。
この椅子でもビール一本開けました。笑
こちらもとても落ち着く空間です。
寝室2部屋でベット4台が用意されていて、お手洗いも2つあり、最大4名まで宿泊が可能です。
4名でも有り余るほどの広さです。
実は今回夕飯は外で食べるつもりで夕食無しのプランにしていたのですが、送迎車で宿まで向かったところ想像以上に駅から遠かった為、また外に出るのは厳しそうということで、さてどうしようかと。
専属でお世話をしてくれた支配人の方に相談したところ、朝食付のプランだったのでその朝食を夕食に回してくれるとの本当にありがたいお言葉をいただき、夕食難民から逃れることができました。
こちらのお料理は、夕食も朝食も近江懐石の老舗『清元』の総料理長が自ら宿坊まで出張し、提供してくれます。
今回はこのような事情により朝食を夕食としていただくことになりましたが、それでも全く引けを取らない素晴らしい内容でした。
朝食なのでシンプルな内容ではありますが、だからこそ素材の旨みや味付けの妙が存分に感じられる大満足の内容。
本当に支配人の機転のきいた提案に感謝しかありません。
夜のライトアップされた庭園を眺めながら、完全なプライベート空間で静かにいただくお料理は格別でした。
そして、支配人からのプレゼントで地元のお酒を1本いただき、こちらも静かな庭園を眺めながらじっくりと味わいました。
温泉ではありませんが、檜の香りが漂うお風呂でゆったり癒されました。
アメニティは、フランス製の京都ブランドKOTOSHINA。このセレクトにもこだわりが感じられます。
メインの寝室のちょうど隣に位置していて、お不動様の隣室で寝ることができるというなんとも贅沢な幸せ。
最初に正式な参拝方法も教えていただけるので、あとはいつでも好きな時にお参りができます。
私は滞在中何度もお参りして、お不動様を前にこちらの仏間でゆっくりと静寂な時間を過ごしました。
誰がくるわけでもなく、完全に1人でお不動様と空間を共にできる本当に贅沢なひと時でした。
そして、写経の道具も部屋に用意されていて申し出れば全てセッティングしてくれます。
さらに、作法や書き方なども詳しく説明してくれるので、とても理解が深まりました。
写真は私が書いた写経です。
全てを回ろうとしたら1日はかかるくらいの規模。
一つ一つに全て深い歴史やストーリーがあり、どれもこれもじっくりと見てしまいます。
そして、宿泊者の特典として、支配人が専属で境内を案内してくれとても詳しくわかりやすい説明を受けられるのでお寺のこと、仏像のことなどかなり理解を深めることができます。
桜の季節には境内の至る所で桜が満開になるそうでそれも見ものとのことでした。
なかなか他では味わえない貴重な体験ばかりの三井寺寺泊体験。
寺泊と言っても本当にラグジュアリーでプライベートな時間を楽しめる素晴らしいものでした。
自分へのご褒美時間として静かに自分を見つめなおすひと時としてもおすすめです。