2021年2月26日

結婚すべき？しなくていい？どう生きたらよいのか、わかりません【40代お悩み相談】

「婚活して20年、ここにきて分からない」という相談者さんに、みうらじゅんさんと辛酸なめ子さんが独自の視点で回答！

【今月のお悩み】結婚すべき？しなくていい？どう生きたらよいのか、わかりません

24歳から20年間、婚活をしてきましたが話がまとまりそうになると、今の生活の変化を恐れてしまいます。母や妹とは仲がよく、2 人とも私の結婚は望んでいなさそう。今、年下の彼がいますが、結婚したらうまくいかなそうです。私はどう生きたらいいのか、わかりません。仕事はしっかりもっていて、稼ぎは男性並みにあります。
（大阪府・ルル・44歳・会社員　趣味／海外旅行、ドライブ、ファッション）

☆辛酸なめ子さんの回答

相手のアラ探しや結婚による生活の変化への不安、彼とうまくいかない予想などネガティブ思考になっているのかもしれません。実は自分には大切に思ってくれる家族や彼もいて愛されている、とポジティブな面に目を向けてみては?

☆みうらじゅんさんの回答

まわりを気にしすぎず、「生きたい」ように生きましょう！

　ルルさんからのお悩みを読んでいて、一番気になったことは、文章中に「〜そう」が多いことです。個人的な意見ですが、「〜そう」というのは、勝手な想像の〝そう〞である気がします。

　一度、正面きってお母さんや妹さんにルルさんの結婚を本当に望んでいないのか、聞いてみる余地がありますね。年下の彼にも「どう思う？　結婚したらうまくいかないかな」と、相談してみるのは？　この世には真理こそあれど、特に恋愛においては正確などありません。

　物事って、実際にやってみないとわからないことが大半じゃないですか？　だから、行動を起こすのが怖いからといって想像するだけですませてしまうのはよくありません。

　もし、ルルさんが心から「結婚したい」と思っているなら、この２つについては想像をやめて、実際に確かめるのがいいでしょう。そうすれば自ずと、自分がどうすればいいのかわかるんじゃないでしょうか。お母さんや妹さんがルルさんの結婚を望んでいないなら、年下の彼に結婚する気がないなら、ルルさんはどうすればいいのか。「どう生きたらいいのか、わからない」ではなくて、「どう生きるか」を自分で決めればいいのだと思います。

　と考えると、まずは本当に結婚したいのかどうかを、今一度、自分に問うてみたほうがいいかもしれませんね。

　 20年間、婚活を続けてきて、まとまりそうになると今の生活の変化を恐れてしまうというところを考えると、今の生活に大変、満足していることになりますよね。

　しかも、「稼ぎは男性並みにある」と書かれていますから、ルルさんは他人に今の生活を乱されたくない気持ちがおありなんでしょう。

　これは、僕の思いすごしかもしれませんが、ルルさんには「ひとりで生きていける」という自信がありながらも、どこか「女はやっぱり、ひとりではいけない」という思いがあるような気がするんですが、どうです？　もし、僕が思っているとおりだとしたら、「女は〜」とか「男は〜」というものを取っ払って、ひとりの人間として自分の本当の気持ちを大切にしたほうがいいんじゃないでしょうか。

　素のまま、思いっきり強い自分を通せばきっと、そこに惚れ込む男がいるはずです。結婚するかどうかは別としてね。特に若い世代には、そうした関係性のほうがいい、という人もけっこういるでしょうし。

　僕は、ルルさんは「自分はどう生きればいいのか」が実はわかっていらっしゃると思うんです。それはきっと「これでいいのだ!」ではないでしょうか？

みうら・じゅん●イラストレーターなど。「マイブーム」「ゆるキャラ」ほか多くのブームを生む。近著に『みうらじゅんの松本清張ファンブック清張地獄八景』（文春ムック）、『ひみつのダイアリー』（文春文庫）など
しんさん・なめこ●漫画家、コラムニスト。巫女的な感性であらゆる事象を取材。近著は『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』『愛すべき音大生の生態』（ともにPHP研究所）など