津村記久子「この世にたやすい仕事はない」
藤森かよこ「馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。」
を紹介させていただきました。
さて、私は小説やノンフィクションを中心に、年間300冊以上読む本好き。というか、常に何かしらの文章を読んでいないと落ち着かないくらいの活字中毒です(笑)
出版不況が叫ばれて久しいですが、時代の空気感って、やっぱりネットではなく、本からでしか伝わらないものもあると思うのです。
そんな私が、令和3年の空気感を読み取るならこの作家さんの本を読んで!という3人をご紹介します。
宇佐見りん
受賞作の「推し、燃ゆ」ももちろん面白いのですが、私がよりお勧めしたいのが、デビュー作の「かか」です。
アルコール依存症の母親に悩み、機能不全家族に育った19歳の主人公が必死の思いで旅に出る…というストーリーですが、作者がお好きだという中上健次をどこか思い出させるような、土着感のある独特のリズムの文体に揺さぶられます!
作者は執筆時なんと20歳!ものすごい才能を感じます。
王谷晶
大前粟生
自分が男性であるがゆえ、生来に備わっているとされる加害者性に悩み、心まで病んでしまう青年の姿が描かれているのですが、「男性であることに悩む」ことが中心命題とされているのがまさに令和らしい!
まだまだ旧態依然とした男らしさが幅をきかせる日本社会ですが、何かが確実に変わり始めていると気づかされる作品です。
皆さまが素敵な読書ライフを送られる参考になれば嬉しいです!