そろそろ我が家も旅行でもしたいな~なんて思っていたところだったのに。
ということで家族会議の結果、ひとまず全国のおやつを取り寄せてそれっぽい気分を味わうことが決まった。
第7回目は岩手県。
はっきり申し上げて、今回のこれを食べたくて始めたおやつの旅である。
大本命のチーズケーキ。
美味しいチーズケーキを食べてみたいのだが、おすすめを教えてください、と。
なんて効率の良いつぶやきに出会えたのだろうか。
その回答を何度も確認してはメモをとった。
盗人の気分であるが、いたしかたない。
これがいわゆる有名税というやつだろう。
おすすめ、というものは聞かれると非常に気分が良くなってペラペラと話したくなるものだ。これが聞かれないうちに言おうものならマウンティングだの自慢だのと言われる。困った世の中である。
そこで数名の方が書いていたのがトロイカのチーズケーキであった。
トロイカと言えば海鮮丼ではないのか。
またはまともに回答するならばロシアの民謡ではないのか。
岩手県のトロイカというロシア料理屋が作るチーズケーキ。
情報が渋滞している。
しかし、心は決まった。
なぜか。
その著名なお菓子の先生がいの一番で反応していたのがこのトロイカのチーズケーキであったのだ。
「一度食べてみたいと思っていました。やはり美味しいんですね」と。
気持ちはもうダワイ、ダワイと焦っている。
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やはり、あのトロイカなのだな。
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入れ子人形もいる。
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冷蔵庫で解凍せよ、スパシーバ。
数年前に読んだ山崎豊子著「不毛地帯」で覚えたものだ。
ダワイは急げ
ラーゲリは抑留所
スパシーバはありがとう
・・・・
極寒地で抑留された男たちのドラマ・・・
具のないスープを飲むシーンを思い浮かべては、この平和に感謝してトロイカのチーズケーキをいただくことにしよう。
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結構な重量感。
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きめの細かくむっちりとしたチーズ。
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解凍まで待ちきれない。
こんなに美味しいチーズケーキがあったのか!
口いっぱいに広がるチーズの香りと酸味がよだれに絡まれて困っている。そういう口の中の状態をイメージしてもらうと良いだろう。
これはぜひリピートしたい逸品であった。
さて、岩手。
当然、行ったことはない。
驚くことはない。なぜってほとんどの県に行ったことがないのだから。
岩手には何があるだろうか。盛岡冷麺か。
そのくらいは知っている。
そのくらいは。
寒いのは苦手なんだ。人見知りでもあるし。
いつか行くかもしれないし、行かないかもしれない岩手県。
行かないかもしれないが、トロイカのチーズケーキは大変美味であった。
す、スパシーバ。