祖業である温泉旅館を2016年に東京・大手町という都心のど真ん中にオープンさせたことをご存知の方も多いのではないでしょうか。
遠目から見ると黒いビルですが、実は江戸小紋の柄である「麻の葉崩し」柄の格子で覆われています。
■大都会の日本旅館体験。靴を脱げば一気に心緩む。
ヒバで作られた玄関の大扉が開くと、パッと目に飛び込んでくるのは一面畳張りの床と、天井まで続く竹細工で覆われた特徴的な壁。
この左側一面が実は下駄箱。竹細工で作られていて、この下駄箱に宿泊者の履物が入っているのです。
今も残るのはわずかばかりだそうですが、江戸・東京の料亭や風呂屋には下駄箱があって、下足番と呼ばれるスタッフたちがどの靴がどのお客様のものか把握し管理していたそう。
『星のや東京』でもこの玄関に24時間スタッフの方が常駐していて、そんな風景を現代に再現したかのような雰囲気です。
印象的な玄関に浸っていると、白檀の香りと、畳のい草の香りが…。
思わずスーッと深呼吸すると、懐かしさと安心感に包まれてふわっと力が抜けていくのが分かりました。
館内は全て裸足での移動が可能です。非日常空間のはずなのに、靴を脱いで館内着で過ごしているとまるで自宅にいるかのように寛げるから不思議です。
■『星のや東京』のコロナ対策
「星のや」では徹底的な除菌・衛生管理と、密を避ける対策を取られています。
まず玄関で検温を済ませ館内に入りますが、1階の玄関でお出迎えしてくれるスタッフと宿泊フロアで待っているスタッフが別になっており、基本的にエレベーターは宿泊者本人たちのみで移動する対応を取っておられます。
お部屋の鍵をかざすとエレベーターが動く仕組みなのですが、自分が泊まるフロア以外の宿泊フロアに行く事はできません。
滞在中に体験できる各種アクティビティーも密を避け、安全に体験できるものが用意されています。
チェックインは宿泊するお部屋で行います。なるべく人に会うことを避けたい方も安心です。
■塔の日本旅館。各フロアが小さな一つの旅館
宿泊フロアの各階には「お茶の間ラウンジ」が用意されています。
廊下もお茶の間ラウンジも畳続きなので、イメージとしては各宿泊部屋が寝室、ラウンジが各部屋のお茶の間といった感じでリラックスして自由に行き来できるのです。
お茶の間ラウンジは、コロナでなければ同じフロアの他のゲストとの交流も生まれるなど、新たなご縁が生まれる場所としての役割もあるようです。
実は自分の泊まっているお部屋のオートロックキーを外すこともでき、お茶の間と寝室を自由に行ったり来たりまるで自分の家のように寛ぐことができる仕様にもなっているそう。ご家族でワンフロアを貸し切るという専用プランもあるようですよ。
■竹や栗の自然素材を使った和のしつらえのお部屋
今回宿泊させていただいたのは「菊」のお部屋。
各階の角に位置する約80平米の大きなお部屋で、最大3名までの宿泊が可能だそう。
大きなダイニングテーブル、ゴロゴロできるソファ、ゆったりとしたデスク、大きなウォークインクローゼットが備え付けられ、ここに何連泊かしたいと何度思ったことか。
菊の間には大きなバスルームも。浴槽も完備されていますが、私たちは最上階(17階)の温泉に入ったので自室の浴槽は使いませんでした。
障子の外側には江戸小紋の「麻の葉崩し」柄の格子が。
陽がさすと陰影が障子や畳に映りなんとも美しいのです。
季節やお部屋によって陰影が現れる時間帯は異なると思いますが、この写真はチェックアウト直前の11:00頃に撮影しました。
■2階ラウンジで四季折々の催し物を愉しむ
2階にはレセプションとラウンジがあります。
ラウンジ奥には舞台があり週末は雅楽の演奏や茶の湯の体験もあるそうです。
(※茶の湯体験は事前ご予約制で、毎日開催しているそうです。)
毎日18:00から19:00はSAKEラウンジが開催。
どこで買えるのか気になってスタッフの方に伺ったところ、丁寧に都内の販売店をメモに書き記して渡してくださいました。
他にも2階のラウンジでは和紙を使った遊びや、生花を使ったワークショップなど、季節ごとの催しが開催されていますので、最新の情報はぜひホテルまでお問い合わせください。
/
次回記事はとても楽しみにしていたディナーなど、星のや東京の「食」をご紹介致します!
\
下記画像をクリックでInstagramへ飛べます。