デビュー10周年を迎えた福士蒼汰の"今"。坂元裕二作品に初挑戦

幅広い役柄を演じ分け、進化を続ける役者・福士蒼汰。連続ドラマ小説『あまちゃん』で世間が抱いた”好青年なヒーロー”というイメージを覆すように、近年出演した映画『ザ ファブル』や『カイジ ファイナルゲーム』では狂気的なキャラクターで観客を魅了したことも記憶に新しい。そんな彼が新たに挑戦するのは、『坂元裕二 朗読劇2021』。放映中のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』も話題の人気脚本家、坂元裕二の物語を上演するもので、過去に上演された「不帰の初恋、海老名SA」「カラシニコフ不倫海峡」と、新作「忘れえぬ 忘れえぬ」の計3作を朗読する。

坂元さんからの一言が、自信につながった

―朗読劇、初挑戦ですね。

「まさかあの坂元さんの作品。しかも朗読劇。僕にできるのか……と最初は不安がありました。もともと身体的な表現は好きだけど、しゃべることには苦手意識もあって。ただ、新しいことに挑戦したいという気持ちが強かったので、できるかわからないけどやってみよう! と。脚本を読んでみると朗読劇ならではの描写を説明するようなパートはありつつも、感情をのせるシーンが多くて。読み進めるほどに没入できる物語でもあり、これはすごくやりがいがあるなと感じました」

―初めてお会いした坂元裕二さんはどんな方でしたか?

「坂元さんはとてもフランクな方でした。稽古の冒頭に『ちょっと、とめて!』と仰って。内心怖いな……とドキドキしましたが、そこで『いや、いいよ。すごく、いいよ』と笑いかけてくださったのですごく安心しました(笑)。さらにもっと自由に演じていい、自由に舞台上に存在していていいとも話してくださって。僕が自信を持てるような言葉をたくさんかけて頂いたので、初めに抱いていた不安がなくなりました」

―今回上演される3作品、それぞれ全く異なる物語ですが読んでみていかがでしたか?

「ひとつひとつまったく違うと感じました。ただどれも共通して人間の本質を突くような側面があるのは坂元さんの作品ならでは。『見ないふりをしてきたけど、人間ってそういうところあるよね』と感じたりして。僕は特に新作の『忘れえぬ 忘れえぬ』という物語に共感しました。これは”少数派”である男女の物語だと思っていて。誰でも自分が”少数派”であると感じることはあると思いますが、それを自覚したら多数派に変わろうとしてしまう。でもこの物語は多数派である必要があるのか、という問題提起をしているような気がしたんです。僕も常々、もっと客観的に物事をみて色々な考えを理解しあえる世界になったらいいなと思っていたので、この作品を通じて観客の皆さんがそういったことを考えるきっかけになるとうれしいです」

 

20歳の時に書いた、僕の”忘れえぬ”手紙

福士蒼汰さん

今回の朗読劇で上演されるのは、年齢も背景も異なる登場人物たちの3つの作品。共通するのは、物語が男女の織りなすメールや手紙のやりとりのみで構成されている点だ。

―福士さんは文通をされた経験はありますか?

メール世代なので文通の経験はないですが、手紙は何度か書いたことはあります。20歳の時に両親に宛てたことがあって、それが今まで書いた中で一番思いが入っていた”忘れえぬ”手紙です。自分の誕生日にサプライズで旅行をプレゼントして、ホテルの方に頼んで夕食時にサプライズでケーキと手紙を出していただきました。実はもう、何を書いたかはあまり詳しく覚えていないんですが(笑)。

―メールも含めて筆まめな方ですか?

返信は早い方ですね、たまるのが嫌で。あとは年始の挨拶と誕生日のお祝いはちゃんとしたいです。大切な日に一言でも気持ちを伝えられたら、お互いうれしい気持ちになると思うので。

―今回の作品の軸となるメールや手紙は、坂元裕二さんらしい比喩表現も心に残ります。福士さんは今回の登場人物のように例え話を交えて思いを伝えるか、ストレートに物事を伝えるか。どちらのタイプでしょうか。

僕自身のメールの文面はすごく端的でストレートです。文学的というか表現豊かな文章への憧れもあるんですけど。ただ、多少は演じている役に影響も受けるので、その時々で特徴が少し変わっているかもしれないです(笑)。

 

コメディに出演して、ボケてみたい!!

福士蒼汰さん

デビュー間もない頃にその名を知らしめた『仮面ライダーフォーゼ』から今年で10年、俳優として11年目のキャリアをスタートさせた。今回の朗読劇への出演も、節目となるタイミングで新しいものに挑戦したいという思いの強さが背景にあるという。インタビューの最後、常に精力的に活動を続ける彼の"これから"について聞いた。

―デビュー10周年を迎えた心境はいかがですか。

やっと肩の力が抜けるようになった気がします。自分を大きく見せようと肩肘張っていたのがなくなって、ありのままの姿でいられるようになった。11年目はここからまた新しいスタートだと思うので、ひとつひとつ新鮮な気持ちを持ってやっていきたいです。

―今後チャレンジしたいお仕事はありますか。

コメディをやってみたいです。コメディで思い切りボケてみたい(笑)。世間の方にあまりそのイメージがないと思うので、そのギャップを楽しんでもらえたらうれしいなと思います。もともとお笑いは好きでテレビやYouTubeでもたまに観るのですが、例えばジャルジャルさんのコントをみていると「一緒にお芝居ができたら楽しそうだな」という思いが生まれて。だからコメディ作品への出演はもちろん、ジャルジャルさんはじめとした芸人さんと一緒にお芝居してみたいと密かに考えたりしています。

―20周年に向けての抱負をお聞かせください。

これからの10年は自分の好きなことを突き詰めて、ハマるだけハマって、それが花咲くのがちょうど10年後くらいなんじゃないかと思うんです。だから20周年を迎える頃に、今やっている努力が報われるように頑張りたいです。具体的な目標としては"ボーダレスになる"こと。日本の作品にも海外のどんな国の作品にも出演できる役者になりたい。そのためにも今は目の前のことに全力で取り組んでいこうと思います。

 

坂元裕二 朗読劇2021 「忘れえぬ 忘れえぬ」、「初恋」と「不倫」

坂元裕二の作・演出による朗読劇で、「カラシニコフ不倫海峡」「不帰の初恋、海老名SA」の2作に、本公演のために書き下ろされた「忘れえぬ 忘れえぬ」を追加し、1公演につき3つの物語から1つを上演する。これから始まる大阪・札幌公演では福士蒼汰×小芝風花のほか(大阪のみ)、風間俊介×松岡茉優が登場する。

   
・大阪 2021年4月28日~5月2日(松下IMPホール)

・札幌 2021年5月7日~8日(道新ホール)

※緊急事態宣言の発令に伴い、大阪公演は中止となりました。最新の情報は公式HPを御覧ください。

 

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0570-200-888(月~土 10:00~16:00)

 

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Profile
ふくし・そうた●1993年生まれ。東京都出身。11年、ドラマ『美咲ナンバーワン!!』で俳優デビュー。ドラマ『仮面ライダーフォーゼ』でテレビドラマ初主演。13年、連続テレビ小説『あまちゃん』で脚光を浴び、第38回エランドール新人賞を受賞。映画『好きっていいなよ。』『イン・ザ・ヒーロー』『神さまの言うとおり』で第38回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。以降、数々の作品に出演。近年の出演作に映画『BLEACH』、『旅猫リポート』、『ザ・ファブル』など

 

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