学生時代の仲間たち6人が繰り広げる大人の青春群像劇
高校時代の友人の結婚式で余興を披露するために久しぶりに顔をそろえ、思い出話に花を咲かせる男子6人。今はそれぞれの道を歩いている彼らの他愛ないおしゃべりから、せつなくも美しい物語が浮かび上がってくる――。松居大悟監督が自身の舞台劇を映画化したアラサー男子の群像劇『くれなずめ』(近日公開予定)で共演している、成田凌さんと若葉竜也さん。
成田 脚本を読んだ時、最初は単純に男6人の会話が楽しくて、それをずっと見ていたくなるような作品になりそうだな、と思っていたんです。でも最後にすごい仕掛けがあって、シンプルにおもしろかったですね。何度も読むうちに、これはどうやって描いていくんだろうって思うところがたくさん出てきました。
若葉 こんなに凡庸な会話が描かれた台本を読んだのは、久しぶりでした。大人から見ればくだらない会話でも、確かに青春の退屈でキラキラした時間が台本からにじみ出てました。それがすごく懐かしくて、なぜか新鮮に感じられたんですよね。
成田 完成した映画の会話は、ほとんど脚本に書かれているまんまだよね。文字で書かれているより、僕たちが話すことでたぶんさらにバカっぽくなってるんだと思う。女性が見たら、男子ってやっぱりどうしようもないなぁ……って思うんじゃないか、と(笑)。
若葉 松居さん、あるシーンで演出しながら号泣してましたよね。その姿を見て、本当に思い入れがある脚本なんだなと改めて実感しました。
成田 で、号泣しながらも、「もう一回!」って(笑)。瞬間的な感情はリスキーだということを理解していて、冷静になれる監督が撮ったから、笑って泣けるいい作品になったんだと思います。
映画『愛がなんだ』、ドラマ『おちょやん』でも共演しているふたり。今回の映画『くれなずめ』でグッと距離が縮まった。
若葉 成田君は……、あ、成田君って呼んじゃった。この映画の撮影に入る前に同級生を演じるためにも下の名前で呼ぼうって決めたんですよ。凌って呼ぶようになったら、どんどん心が開けるようになって。もっと斜に構えている人かと思っていたけど、話してみたら、会話の端々から飛びぬけてピュアな人なんだなってことが伝わってきました。
成田 若葉君は会話がすごく上手。みんなでしゃべっていると違う角度の切り口で入ってくるからトークが広がっていくし、一緒に話していて楽しい人なんですよね。会話のリズムを作れる人だなっていつも思っていました。
Profile
なりた・りょう●1993年、埼玉県生まれ。2013年より『MEN’S NON-NO』の専属モデルに。14年に俳優デビューし、『カツベン!』で映画初主演。現在、NHK連続テレビ小説『おちょやん』に出演中のほか、映画『まともじゃないのは君も一緒』『ホムンクルス』が公開中。
Profile
わかば・りゅうや●1989年、東京都生まれ。幼いころより大衆演劇の世界で活躍し、数々のドラマ、映画に出演。近年の出演作に『愛がなんだ』『台風家族』『生きちゃった』『AWAKE』『朝が来る』『罪の声』『あの頃。』などがある。主演映画『街の上で』が公開中。
『くれなずめ』
結婚式で余興を披露するため、久々に集まったアラサー男子6人。つるんでいた高校時代の思い出話に花を咲かせながら、目を背けていた"友の死"に向き合うこととなる――。松居大悟監督のもと、成田凌、若葉竜也はじめ実力派の俳優たちがそろう。近日公開予定。情報は公式サイトをチェック。https://kurenazume.com/