年齢とともに顔に元気がなくなった……というアラフォーも多いはず。それは、毛量が乏しくなってきた"眉"の印象も大きいのでは。「こんな時代だからこそ大人の眉は"勢い"が必要」とヘア&メイクの岡野さん。アラフォーの顔に生命力を吹き込む、大人の今どき眉の作り方を伝授します!
☆教えてくれたのは・・・
ヘア&メイクアップアーティスト 岡野瑞恵さん
自然で勢いのある眉が大人の内面も美しく魅せる
「大人になってくると、これまで生きてきた経験だったり、苦労だったりが顔に出てくるようになりますよね」と岡野さん。それが、知性や品性につながればいいけれど、えてして気になるのは肌やパーツの衰え、それによって薄れていく内側からの〝生命力〟印象。
「だからこそ大人は、食や運動、スキンケアなどで、内面からの美しさを整えていくことが大事なのですが、もちろん、メイクアップで装うということも、すごく重要になってくるわけです。といってもただ装えばいいというわけではありません。問題はその装い方。大人になるほど、“考えて”装わなければいけない、と私は思います。ただ若作りをすればいいとか、若い人のやっていることをなぞればいいとか、もちろん、それもひとつの表現方法ではあるけれど、年齢とともに骨格も肌の印象も変わってくるのだから、その点を意識しながら、考えて装うことが重要なんです」
なかでも、ポイントとなるのが眉。「マスク生活によって、今は顔の上半身の印象がより大切になっている時代。とはいえ、アイシャドウだけで華やかに装うというよりも、眉毛など“毛”というリアルな素材をどう魅せるかが大切で、それが、大人の生命力によりつながるポイントではないかと思います。こんな時代だからこそ、大人は眉という毛によりいっそうの勢いが必要。眉の勢いは人生の勢い! なんです」
そんな岡野流生命力ある眉は、太さと毛量感、毛並みと立体感、おしゃれ感の3つを意識することがポイントに。 「今のトレンドは眉山に角度がない、太さのある平行眉。でも、ただ太く、強く描くだけでは、大人の骨格や肌には追いつけずに不自然に見えてしまうことも。まるでもともと毛が生えているような自然な毛量感のある太さに仕上げてこそ生命力が感じられる。さらに、より表情をイキイキとさせるのは、毛の勢いを感じる毛並みや立体感。また、大人には隠し味程度のニュアンスあるおしゃれ感も大切。この3つをどうしたら表現できるのか。今回じっくりとお見せします。内面のイキイキ感まで感じる美しい眉がかないますよ」
■生命力あふれる〝岡野眉〞作りはここがマスト!
①生命力を感じさせるには、まずはこれ!
太さと毛量感
眉山に角度のない平行ぎみの太眉が今のトレンド。形は、この流行を意識しながら、眉毛が乏しくなりつつあるアラフォーは、いかに自然に毛量感を出すかが生命力の決め手。質感の違う3 つのアイテム使いがキーポイントに。
②ただただ弾けるイキイキ感をさらに強化
毛並みと立体感
眉の勢いにとって、最も大切なのは毛の印象。 それには、眉頭から眉山までは斜め上に、眉じりは斜め下にという毛流れを眉マスカラで整えることが重要。そうすることで、毛がもつイキイキとした3D感も復活!
③ただただ〝元気〞だけではなく今っぽさを
おしゃれ感
勢いがあるだけでなく、おしゃれ感がさりげなく宿っていなければ大人のキレイはアップされない。そこで血色系のアイカラーを隠し味にさっとひとはけ。一気に印象があかぬけるとともに、顔にすっとなじむ効果も。
Lesson 1
”眉の勢い”に不可欠な、太さと毛量感はこう作る!
角度、長さ、太さ、色……まずは、今の旬の眉のフォルムを改めて確認し、そこに生命感を吹き込むベース作りを。質感違いの3アイテム使い分けが秘けつ!
違う質感を組み合わせて自然な毛量感を演出して
ちょっとした違いで古くさくなりがちな大人の眉。まずは、今の旬の眉の基本を改めておさらいを。「適度な太さのある平行眉で、やや短めが今の基本。色は知性と抜け感のある栗毛色がおすすめです」
基本を押さえたら、フォルムを整えるベース作りへ。パウダー、ペンシル、リキッドと質感の違う3アイテムを使うのが岡野流。 「眉の状態にもよるので、なんでも道具をいっぱい使えばいいというわけではないのですが、毛量がなくなってきている大人は、例えばペンシルだけとか1つのアイテムで作るより、いくつかの質感を使ったほうが、テクニックがなくても、リアリティのある毛量感が作れます。理想の眉がより描きやすくなるはずです」
Point①
角度は?
眉頭~眉山までほぼ角度のないストレートな平行眉に
眉山に角度のある眉は古くさい印象に。眉の下側アウトラインは眉頭から眉じりまでほぼストレートに。上側は眉山まで下側ラインに平行に伸ばし、眉じりに自然につなげる。
Point②
長さは?
今のトレンドはやや短め。若いフレッシュ眉の決め手
口角と目じりを結んだ延長線上に眉じりの終点を設定してきたのがこれまでの基本。今は、それよりもやや短めに設定するとより"旬"の印象に。フレッシュなあかぬけ眉の決め手。
Point③
太さは?
一番太い部分で8 ㎜~1㎝ぐらいの太さ
上に向かう毛と下側に向かう毛が交錯する一番太い部分で8 ㎜〜1 ㎝が太さの目安。眉じりはその半分くらいに。眉頭は毛並みも含めた太さなので、塗りつぶさないよう注意を。
Point④
色は?
明るすぎず暗すぎない地毛より優しい栗毛色を
誰もが失敗なく決まるのは、もともとの髪や眉毛の色よりもちょっとだけ優しく見える風合いの栗毛色。明るすぎる色や黄みが強い色は"若作り見え"の要因になるので避けて。
ちょっと頼りなく見えそうな素眉も、岡野流のプロセスでベースを描くことで、明るさとイキイキした印象が生まれる。
3つの質感の使い分けがポイント!
最初は軽く、徐々にくっきりで自然な毛量感のある眉も簡単に!
☆ベース作りに最初は軽い質感でふわっと
パウダータイプ
描く基本のフォルムを確認したら、ベース作り。まずは軽い質感のパウダーでフォルムをふわっと整える
3色をミックスして地毛よりもちょっとだけ優しくなる栗毛色に調節しながら使う。ヴィセ リシェ アイブロウパウダーBR- 2 ¥1,188(編集部調べ)/コーセー
☆ベース作りにパウダー苦手派はこれも◎
太く柔らかなペンシルタイプ
パウダーが苦手だったり、ペンシルが好きという人はこちらでベースを。軽いタッチで描ける太め柔らか芯がポイント。
優しくなめらかなタッチで、軽く淡いラインも描きやすく、ぼかすのも簡単。スクリューブラシつきなのも便利。クレイヨン スルスィル30¥3,520/シャネル
☆毛量感作りに続いて繊細タッチの細ライン
細く硬めのペンシルタイプ
ベース作りで全体のフォルムが整ったら、毛の少ない部分を極細芯のペンシルで描き足し。これだけでも毛量感が。
眉の一本一本まで繊細に描けるカートリッジタイプ。深いシナモンカラー。アイブロウペンシル01¥1,320・ホルダー¥1,980/アディクション
☆毛量感作りに最後にくっきりしっかりライン
リキッドタイプ
2つの質感で描いたベースで、足りない部分はくっきり描けるリキッドを。3つの質感で自然な奥行き感も演出。
淡くツヤのある発色で、濃く描きすぎる心配なし。抜群のラスティング効果で、落ちにくいのも◎。アイブロウ リクイッドWN51¥3,300/エレガンス コスメティックス