自分自身と重なったのは正義感の強いところ
大切な人の命を守るために、主人公が 過去に戻って弱虫だった人生にリベンジを試みる漫画『東京卍リベンジャーズ』。"不良もの”と"タイムリープもの”をかけ合わせた斬新な設定が人気のコミックが、ついに映画化された。杉野遥亮さんが演じるのは、死んでしまった姉を助けるために、現代で奔走する警察官の直人。男子のぶつかり合いと友情が描かれるこの作品の中で、正義感あふれるクレバーなキャラクターは異彩を放っている。
「観客の皆さんにタイムリープの説明をするキャラクターでもあるので、仕組みを理解して役割をちゃんと果たさないと!っていうプレッシャーもありました。直人は姉のことになると突発的に怒りを爆発させることがあって、演じるうえではそこが大変でした。僕の中にも彼のような熱さはあると思うけど、基本的には穏やかな性格なんです(笑)。逆に自分と似ているなと思ったのは、すごく正義感が強いところ。嘘が多い人に対しては、自分が悪者になってもいいから疑問に思ったことを投げかけたり、意見を言ってしまうタイプです」
涼しげなルックスや、SNSなどから伝わるほんわかとした雰囲気とはまた違う熱さも隠し持っているよう。この映画のキーワードのひとつでもある“運命”についても力強い言葉で語ってくれた。
「運命って変えられるかどうかというよりも、選択の積み重ねによって自分でつくるものだと思っているんです。善に行くのか悪に行くのか、それはすべて自分しだい。自分が人として強くありたいのか、弱くてもいいのか。そういうことと向き合うことが大切なのかなと思いますね。振り返ってみると、自分にとってどんな選択が最善なのかを意識するというよりも、この瞬間をどれだけ思いっきり楽しんで、泣いて、笑えるのかということを大事にしてきたような気がします」
なによりの糧になるのは身近にいる大切な人との会話
ふだんから年代や性別をあまり気にしすぎずに、人として嘘のないコミュニケーションを心がけているという杉野さん。「特にこれといった趣味もないし、親や親友と何げなく話したり、時にはけんかしたりすることが、俳優としても、人間としても糧になっていると思います。大切な人ほど傷つけたくなくて遠慮しちゃったりもするけど、やっぱり嘘をつくことなく正直になることが、僕には合っているみたいです」
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Profile
すぎの・ようすけ●1995年、千葉県生まれ。2015年にモデルとして活動を始め、17年に俳優デビュー。主な出演作にドラマ『教場Ⅱ』『直ちゃんは小学三年生』、映画『羊とオオカミの恋と殺人』『水上のフライト』、舞台『夜への長い旅路』などがある。『東京リベンジャーズ』は7月9日より公開予定。