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40歳からの「老後資金」計画。何から始めたらいい?【アラフォーからのマネー学 #9】

マネー超初心者の編集Pが、ライターNのナビゲートを受けながら、専門家からマネーの基礎を教えてもらう連載の第9回。今回は、「そろそろ老後資金を準備しなくては」と思っている人に、何をすべきかアドバイス!

☆教えてくれた人

藤川 太さん

生活デザイン代表取締役。「家計の見直し相談センター」代表。著書に『1億円貯める人のお金の習慣』(PHP研究所)ほか多数

  • 40歳からの「老後資金」計画。何から始めたらいい?【アラフォーからのマネー学 #9】_1_1-1

    ライターN
    マネーコラムニスト。貯蓄と幸せの両立について発信

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    編集P
    マネー超初心者。40歳でお金の勉強を始めています!



■第9回:40歳からの「老後資金」計画。何から始める?

P 今さらですけど、話題になった「2000万円問題」ってなんだったの?
N Pさん、もしかして老後資金の話?

P はい、老後には2000万も必要ってよく聞いたけれど、やっぱりそれくらい準備が必要? 今から間に合うかな……。

N 老後資金の準備、早ければ早いほど楽ですよ。専門家に聞きにいきましょ!


「老後資金」としてためる前にまずは家計サイズの見直しを

F こんにちは。ファイナンシャルプランナーの藤川太です。老後資金ですね。

P はい、あの話題になった「2000万円」という話、どういうことでしょうか。

F 金融庁のワーキング・グループによる報告書がベースになった話ですね。総務省の統計データを使って「ざっくりとですが、65歳以上の夫婦が年金だけでは生活できず、毎月5万円ほどの赤字ですよ。30年間で約1800万円足りないので老後までに2000万円くらいは準備したいですね」という問題提起だったんです。

N 国民全員が必ず準備しましょうという話ではなく、あくまで平均値ですね?

F そうなんです。しかも不足額は年によって変わります。2020年はコロナ禍で1人10万円の給付金が出たこともあり高齢者は逆に黒字だったというデータも。

P そうかあ……目安の金額ってことなんですね。では私たちアラフォーが老後資金の準備をするにはどうしたら?

F 3段階で進めます。まずは今から家計サイズを小さくしていくこと

P ええっ? つまりどういうこと?

アラフォーからのマネー学 #9_1
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真っ先に見直したいのが、今の家計のサイズ。「収入が多い人ほど、余裕があって支出が膨らみがちなので要注意。家計サイズが小さければ、老後に向けて準備すべき金額も少なくなるので、小さくしておくことがコツです」

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お金を増やすには、収入アップも検討を。「1年あたりの収入を増やすことに加えて、働く期間ものばして、"縦と横に面積を増やすイメージ"で。収入と支出の金額に差ができれば、それだけ老後資金がたまるようになります」

アラフォーからのマネー学 #9_4

今は超低金利なので、預貯金だけでなく運用にもトライ。「少額からコツコツと投資に回していきましょう。短期で判断せず、老後までの長い目で考えることが大切です」。ちなみに、運用については次号取り上げる予定です!


F 現在、生活費をたくさん使っている人ほど、いざ老後で年金暮らしになっても、急に生活レベルを下げることはむずかしいですから。今のうちから、生活費をほどよく抑えていく必要があるんです

N 生活費を今から抑えていれば、老後も貯蓄から取り崩す金額も少ないと。

F そうですね。そのため、むだな保険に入っていないか、使っていないサブスクはないかなど、毎月一定額を払っている“固定費”を中心に見直ししましょう。食費や外食費、レジャー費といった“やりくり費”を抑えようとすると節約がつらくなるので固定費の見直しが先決です。

N 仮に月1万円でも、40年間で480万円になりますから、大きいですよね。

P あ、そういえばこの前、電力会社の見直しをして少し安くなりましたよ!


F すばらしいですね! 支出が減れば それだけでお金が自然にたまるようになりますよ。2つめのステップが、今の収入を増やすこと。スキルアップや転職、副業などを検討するほか、「長く働くこと」も視野に入れたい。生涯収入が増えますから。また、夫婦なら、2人で働けるといいですね。

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N 最近、早くリタイアする“FIRE”も話題ですが、リタイアしても、することがなくてつまらないという声も。楽しみながら長く収入を得られる方法を見つけたいですね。

P
 今頑張って少しでも収入を増やすことが幸せな老後につながるんですね! 

F
 はい、そして3つめのステップが、お金の運用を考えること。これは先ほどの2つを考えた後に着手するのがコツです。

P
 老後資金獲得には、てっきり「まずは運用!」かと思い込んでいました。

N
 今のお金の流れを整理して支出を減らし、かつ収入を増やしてからのほうが、運用のためのお金も増えますしね。

F
 そうです! ただし運用に回すといっても、初心者がいきなり大きな金額で投資をするのは危険。月1〜2万円くらいから始めましょう。元本保証がある預貯金とは異なり、運用中には大きな暴落が起きることもあり、暴落があっても続けられる金額で始めたいですね。

N
 突然の暴落で、あせって低い値段で売ってしまったら、もったいないですしね。

P
 わっ、私ものすごくあせりそう……。小さな金額から、ですね。メモメモ!

F
 あとは「老後資金準備」とうたったセミナーにも要注意です。もちろんセミナーで勉強するのはいいことですが、予定外の金融商品の勧誘を受けることもあります。「保険代わりになります」「節税にもなります」などと、本来の「利益」以外の話を強調する場合は、利益が出にくいことの裏返しですから。

P
 そうか……決して釣られませんっ! 



現在の家族構成によって押さえたいポイントも違う!

P  ほかに注意点はありますか?

F ひとり暮らしや夫婦二人暮らしの場合は、子供がいる家庭に比べて教育費などがかからないぶん、生活費が上がりがちなので、実は要注意です。老後も高い生活レベルが続くとお金が足りなくなってしまうので、ステップ1の「支出を見直す」をまず重点的に考えてみてください。一方で子供がいる場合は、定年時期に要注意。例えば40歳で出産した家庭では、子供が大学生の間に親が定年を迎えるかもしれません。教育費がまだまだかかり、老後資金をためるチャンスがなくなることも。その場合、今のうちからしっかり準備していく必要があります。

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生活水準の上がりすぎに注意

独身または子供がいない場合は、収入を自分たちだけのために使えるので支出が増えがち。「それゆえ、必要な老後資金が膨らむことになります。今から意識して支出を抑えつつ、老後資金をしっかりためるようにしましょう」

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教育費がいつまでかかるかに注意

教育費がかかる年齢の確認を。「例えば50歳で子供が独立すれば、教育費が不要で老後資金をためる時間がありますが、60歳でも子供が学生の場合は老後資金をためる余裕がなくなるため、早めに準備していく必要があります」


P
 そうかあ……今の状況に合わせた「老後資金」の準備が大切なんですね


F あとはフリーランスのかたは、会社員のように厚生年金がなく、国民年金だけで退職金もないので、よりしっかり準備したいですね。ただ定年がないのは強みなので長く働くことを目ざしてください。


N 私もフリーランスなので老後資金対策には力を入れています(笑)。


F それと、最近は離婚の問題もありますね。婚姻期間が短いと、分割してもらえる年金もわずか。できるだけ夫婦ともに仕事をもち、いざという時に自立できるようにしておくこともリスク回避につながります。


P コツコツできる老後資金準備が実はたくさんあるんですね。まずは家計サイズから見直します!

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【Marisol9月号2021年掲載】イラストレーション/徳永明子 取材・文/西山美紀 構成/原 千乃

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