12月10日に公開されたばかりの『ニューイヤー・ブルース』は、『結婚前夜～マリッジブルー～』のホン・ジヨン監督による新作で、新年までの1週間の４組の男女の出会いや心の動きを小気味好く紡いでいます。「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」『エクストリーム・ジョブ』のイ・ドンフィさん、その姉を「悪霊狩猟団：カウンターズ」で百想芸術大賞最優秀助演女優賞を受賞したのも記憶に新しいヨム・ヘランさん、「賢い医師生活」のユ・ヨンソクさん、「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」「真心が届く〜僕とスターのオフィス・ラブ！？〜」のユ・インナさん、「アイテム〜運命に導かれし2人〜」のキム・ガンウさん、「だから俺はアンチと結婚した」の少女時代のスヨンさんなどなど気になる役者が勢ぞろい。年末にふさわしい、時に笑えてじんわり響く、温かなラブコメです。
12月17日に公開される『雨とあなたの物語』もハートフルな作品。「椿の花咲く頃」で時の人となった「ミセン-未生-」『ミッドナイトランナー』のカン・ハヌルさんがソウルの予備校生ヨンホを、遅まきながら最近観てハマった、ウィットに富んだセリフが散りばめられた「恋愛体質〜30になれば大丈夫」のチャーミングなチョン・ウヒさんが釜山の古書店を母と営むソヒを演じています。まだスマートフォンのなかった2003年が舞台で、ソヒは姉に代わってヨンホからの手紙に返事を送り、紡いだ言葉で心を通わせていきます。そして時は流れて、、、。「ミセン-未生-」のカン・ソラさんも、ヨンホをひたむきに想う友人スジン役がハマリ役。切なくも、小さな幸せ、奇跡を見つめ直してやさしい気持ちになる、そんな余韻の残る物語です。また、主役のふたりの子供時代をヒット中の「恋慕」の子役時代と同じ、コ・ウリムさんとチェ・ミョンビンさんが演じています。
また、12月24日に公開される『ただ悪より救いたまえ』は韓国で大ヒットしたノワール・アクションで、『神と共に』や「補佐官」「イカゲーム」でも知られるスター、イ・ジョンジェさんが無慈悲な殺し屋、『ベテラン』『国際市場で逢いましょう』「ハッシュ」の、こちらも韓国を代表する俳優ファン・ジョンミンさん演じる暗殺者を、復讐のため東京からバンコクまで追いかけていきます。「地獄が呼んでいる」の演技派パク・ジョンミンさんも新境地のキャラクターで登場、誘拐事件と復讐劇が絡まって息を呑む展開に。『チェイサー』のホン・ウォンチャン監督がメガホンを取り、撮影監督は『パラサイト 半地下の家族』のホン・ギョンピョさんが担当。俳優たちの円熟味あふれるかっこよさにしびれること必至です。
そして、2022年1月21日に公開予定の『声もなく』は、ホン・ウィジョン監督のデビュー作にして、百想芸術大賞、青龍映画賞合わせて５冠受賞を果たし、国内外で絶賛されている話題作です。ねじれた誘拐事件を描く物語で、「密会」『ベテラン』『＃生きている』「地獄が呼んでいる」のユ・アインさんが口のきけない青年テインを演じ、もどかしい彼の心情が切なくなるほど伝わり、青龍映画賞主演男優賞、百想芸術大賞最優秀演技賞など数々の賞を受賞しています。80年代生まれの女性監督も新人監督賞を総なめ。新しい才能に出会いにぜひ映画館に足を運んで欲しい作品です。共演は、「梨泰院クラス」「ヴィンチェンツォ」のユ・ジェミョンさん、子役のムン・スンアさん。クスッと笑えるウィットも散りばめられ、そして何より圧倒的に美しい映像にも心奪われます。
桂まり●かつらまり 韓流予報士（？）。温泉保養士。「SPUR」や「eclat」などで、トラベル、フード記事など担当するライター。趣味は各国で料理教室に行くこと。「泣いて笑って癒される韓流ドラマのお勧めを不定期で紹介します！」インスタグラム＠marikatsura
