箱根湯本のお隣、塔ノ沢温泉に佇む有形登録文化財の宿です。
塔ノ沢は、老舗旅館が道路に沿って数軒並んでいますが、福住楼もその中のひとつ。
前を通るたびに、独特の雰囲気が気になっていた宿でした。
到着して、玄関の前に立った瞬間から昭和にタイムトリップ。
周りの景観も箱根の風情を感じるいい雰囲気なのですが、宿に一歩入るとさらに空気が変わります。
やはり積み重ねてきた歴史あってこそ出せる趣です。
しっとりとした雨の箱根によく馴染みます。
他にも館内の何箇所かにとても凝った素敵な床があります。
年季の入った木の窓から眺める川はとても風情があります。
美しい緑の木々と相まって絵画のようです。
部屋は全部で17室。こういった老舗旅館ならではで、こちらも2つとして同じ間取りの部屋はないそうです。
全室見てみたかった。。
全部を見ていたらキリがないくらい至る所に意匠が凝らされています。
本当に贅沢な造りです。
そもそも、現在では同じものを作ろうにも作れる職人がいない、資材が手に入らないなどでもう作れないものがほとんど。
そう考えるとどれだけ貴重な宿なのか。こうやってしっかりと保存されていること自体に頭が下がる思いです。
そして以前は公衆電話が置かれていたであろう電話室。
セットみたいで可愛らしい。
こちらの温泉は、男湯、女湯、家族風呂2つの合わせて4つ。
そしてこのお風呂が宿の名物、大丸風呂。太い松の幹をくり抜いて組み合わせて作られたものだそう。
このお風呂は、小田急の箱根ロマンスカーのポスターにも使われていました。
お風呂以外にも、大広間やこちらの宿の各所が広告などの撮影に使われているようです。
脱衣所までも至る所がこのような凝った造りになっています。
建築好きには絶対におすすめの宿ですが、そうではない方でも箱根の風情を感じて昭和へタイムトリップできるとてもおすすめの宿です。
今回も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。