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口ぐせは「芸人たるもの」。何かと空回りしております。

職業:美術館職員
My favorites:アート鑑賞、宝塚鑑賞、建築鑑賞、K-POP鑑賞、とにかく鑑賞。

昨今はおしゃれ迷子ですがなんとか生きています。
猫、夫、自分の3つの生命体で一つ屋根の下に生息。酒は飲めないが四文屋にいがち。

身長:168cm

展覧会 岡本太郎 @ 大阪中之島美術館 今もって私たちに叫び続ける芸術家

コロナ以降、初めての関西、そして夏。暑さなめてました。しかし気温より熱い展覧会がそこで開かれてもいました……。
敬愛する皆さま、こんにちは。
私事ですが1週間夏休みをいただき遊びほうけておりました。

兵庫県へ宝塚公演を見に行く予定でしたが諸事情から公演中止が発表されてしまい、かといって飛行機もホテルもキャンセル料が発生してしまうタイミング。

ひとまず、失意はあれど夏の思い出作りということで、友人と関西へ出陣。

1泊2日を関西で過ごすにあたり、1日目は2021年に竣工したばかりの大阪中之島美術館へ。
奇しくも岡本太郎の個展を開催中でした。
2021年に竣工したばかりの大阪中之島美術館。手前の猫ちゃんは《SHIP'S CAT (Muse)》(2021)ヤノベケンジ
2021年に竣工したばかりの大阪中之島美術館。手前の猫ちゃんは《SHIP'S CAT (Muse)》(2021)ヤノベケンジ
エスカレーター上から見た内観。黒とスチールの質感がスッキリとしてかっこいい。
エスカレーター上から見た内観。黒とスチールの質感がスッキリとしてかっこいい。
「展覧会 岡本太郎」ビジュアル。グッとくる。会場は一部を省きほぼ撮影可能。
「展覧会 岡本太郎」ビジュアル。会場は一部を省きほぼ撮影可能。
大阪中之島美術館
展覧会 岡本太郎
会期:2022年7月23日(土)~10月2日(日)
休館日:月曜日(9月19日を除く)
※災害などにより臨時で休館となる場合があります。
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)

<巡回情報>
東京展
会期:2022年10月18日(火)~12月28日(水)
会場:東京都美術館

愛知展
会期:2023年1月14日(土)~3月14日(火)
会場:愛知県美術館
傷ましき腕(1936/49)
傷ましき腕(1936/49)
露店(1937/49)1983年にNYのグッゲンハイム美術館に寄贈され、その後日本での展示機会がなかったとのこと。
露店(1937/49)1983年にNYのグッゲンハイム美術館に寄贈され、その後日本での展示機会がなかったとのこと。
太郎は神奈川県川崎市出身の画家です。ゆえに川崎に育つ子供たちは小さいころから、なにかと「地元の有名人」である岡本太郎に触れる機会が多くあります。
実は私もその一人でして、遠足といえば川崎市岡本太郎美術館、図工の時間はまずは太郎のドキュメンタリー視聴……という洗礼を受けてきましたが、結果的に「芸術が爆発している、なんか変なおじさん」くらいにしか思っていなかったわけです。

しかしだんだんと年を取るうちに、いかに岡本太郎が他に類を見ない特別な人間だったかを痛感するようになりました。

こんなにも協調しなければならない世の中で、自分を貫くということがどういうことか。
常に社会に疑問を抱え、誰かの悲鳴をくみ取り芸術にぶつけ続けた人生を送るとはどういうことなのか。
珍しいものをみる目で面白おかしく扱われても、発言を止めたり、主張を曲げたりせずに、そこに存在し続けるという意志。

現代に太郎が生きていたなら今、何を思うのか。そんなことを想像しながら鑑賞していくと、太郎の叫びに呼応して自分の内なる叫びも聞こえてくるかもしれません。
自画像(ca.1950)奇抜なカラーではなく鉛筆を使用している
自画像(ca.1950) 奇抜なカラーではなく鉛筆を使用している
展覧会 岡本太郎 @ 大阪中之島美術館 今もって私たちに叫び続ける芸術家_1_8
暴走(1963)
展覧会 岡本太郎 @ 大阪中之島美術館 今もって私たちに叫び続ける芸術家_1_9
駄々っ子(1969)
今年2月にパリで見つかった、当時20代の太郎自身が描いた「可能性が高い」と言われる3点の絵画も初公開されています。(ここでは1点のみ掲載をば……)

ピカソの絵に衝撃を受けた20代頃の作品では?とのこと。
20代と言えば周りの人間すべてが大きく輝いて見えて妙な焦りがある、ただでさえ苦しい年代。何を考えながら描いていたんでしょうね……。
作品A(推定 岡本太郎)(ca. 1931-33)
作品A(推定 岡本太郎)(ca. 1931-33)
模型や彫刻の数々も多数展覧されています。
「大衆の中に芸術を置くこと」に重きを置いていた太郎は、生活の中に自分の作品が目に触れることに意味があると考えていました。これは逆をいえば、大衆にとっても芸術が開かれたということ。

こういった展示の数々からも、岡本太郎とはどんな人物だったのかを感じられる、貴重な展覧会でした。
  • 生命の樹 全景模型(2017)

    生命の樹 全景模型(2017)

  • 河童像(1981)

    河童像(1981)

  • こどもの樹(1985)

    こどもの樹(1985)

第6章部分にて、黒い眼に囲まれる鑑賞体験(中央は友人)
第6章部分にて、黒い眼に囲まれる鑑賞体験(中央は友人)
最後は自分の広い背中で失礼します……。太郎先生、私、華奢になりたい。
最後は自分の広い背中で失礼します……。太郎先生、私、華奢になりたい。
最後までお読みいただきありがとうございましたっ。
夏休み編、ぼちぼちとアップする予定ですので、お手すきの際には思い出してみてください。

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