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口ぐせは「芸人たるもの」。何かと空回りしております。

職業:美術館職員
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昨今はおしゃれ迷子ですがなんとか生きています。
猫、夫、自分の3つの生命体で一つ屋根の下に生息。酒は飲めないが四文屋にいがち。

身長:168cm

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン@東京オペラシティ アートギャラリー 個々に存在する時間とは何だろう?

人が一番「時間」を意識するのは、死を目前にしたときーーライアン・ガンダー
ごきげんよう、皆様。
強風の8月のあの日、初台にある東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」へ行ってまいりました。

絶対「ザコシショウ」て感想があふれてるはず、と思い込んでいたのですが、ネットにあまりそんな感想が落ちていなくて自分の浅はかさに泣きたくなりました。

コロナのために1年延期されたこの展覧会。ネズミどんにひかれて参戦です。
ライアン・ガンダー われらの時代のサイン
会期:2022年7月16日〜9月19日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:03-5353-0756
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月(祝日の場合は翌火曜)、8月7日
料金:一般 1400円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下 無料
展覧会の意義について、「本展は時間についての展覧会」と語るライアン・ガンダー。
「もし3日後に死ぬとわかったとき、わたしたちはインスタグラムを見て過ごすだろうか。」

自分のみならず、近しい人間の死を意識したとき、時間はとてつもないスピードで目の前を通り過ぎてしまう。何かやれることはないか、やりたいことをやらなきゃ、まだあの景色を見られていない、まだあの人に、ありがとうと伝えていない……。気持ちが急くほどにやりたいことが出てくるのに、死を意識することがない限り、明日は当たり前にやってくると思っているような……私などそうかもしれません。いや、そう。

そんな楽観的な人間の愛しさと愚かさを、ガンダー作品は「時間」を通して問いかけます。普段SNSを見続けている時間を、少し違うものに変えてみる。SNSが悪なのではなく、費やし続けた時間を、リアルを見つめる時間にしてみるだけで、普段想像する物事への見方が変わるかもしれません。
「ザコシショウ~!」とはしゃいでいたのは私です。「最高傑作」(2013)
「ザコシショウ~!」とはしゃいでいたのは私です。「最高傑作」(2013)
こちらの「最高傑作」、鑑賞者に併せて目線を変えて動きます。瞬きだってしちゃう。見つめていると、時間がたっていることに気が付きます。便利になるために、時間を確保するために時間がないと言いながら働いているって、なんだか可笑しいな……とこの目ん玉を見つめていると笑えてきます。

他にも、「時間」を感じる作品がちりばめられている本展。よく見てみないと気が付かないこと、全体を見てみて初めて気が付くこと……ガンダーの遊び心の中に見られる時間への問いに、自分で考えることで答えを模索します。
彼女が動いた時間の痕跡が壁面に。「脇役(タイーサ、ペリクリーズ:第5幕第3場)」2022
彼女が動いた後時間の痕跡が壁面に。「脇役(タイーサ、ペリクリーズ:第5幕第3場)」2022
地球上のどこかの座標。アルゴリズムによってランダムに選ばれる 「あなたをどこかに連れて行ってくれる機械」2020
地球上のどこかの座標。アルゴリズムによってランダムに選ばれる 「あなたをどこかに連れて行ってくれる機械」2020
椅子の上の虫が…… 「すべては予定通り」2022
椅子の上の虫が……「すべては予定通り」2022
9分にわたっての独白。すごくかわいい、ガンダーの9歳の娘さんの声。「2000年来のコラボレーション(預言者)」2016
9分にわたっての独白。すごくかわいい、ガンダーの9歳の娘さんの声。「2000年来のコラボレーション(預言者)」2016
このほかにも、多彩なアート体験ができる作品が会場のそこかしこに配置されています。くすっと笑えて、その次に発見がある、国際的にも有名なアーティストの東京では初めての大規模個展、この機会にぜひ……!
彼女を見つめる、貴重な「時間」。
彼女を見つめる、貴重な「時間」。……背中広いの治ってないな!

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