【今月のお悩み】高圧的な社長にもう、ガマンの限界!
(京都府・さとちゃん・41歳・会社事務)
☆辛酸なめ子さんの回答
☆みうらじゅんさんの回答
〝いやなヤツ〟にこそ、思いきり好意を示しましょう。そこから未来が開けます!
年齢的にも転職はむずかしいというなら、ここで短気を起こして辞めるのは得策ではありません。あと半年とか1年とか期限を決めて、それまではおもしろおかしく過ごしてみてください。いやいや会社に行っても、いやさかげんが増すだけだと思うんですよ。ここはひとつ、その高圧社長をおもしろがるというのはどうでしょう。
さとちゃんさんはおそらく、このところ社長のことを避けていますよね。そこをあえて近づいてみるんです。わがまま勝手なことを言われても聞いてあげ、嫌いなカラオケにも付き合ってあげる。そうやって、改めて社長を観察してみると「この人から〝高圧的〟を取ったら何も残らない」とか、案外、気が小さいことがわかって可愛く見えてくるんじゃないでしょうか。
さとちゃんさんは9年も勤めているわけですから、実は社長はさとちゃんさんのことを頼りきって甘えていただけなのかもしれませんよ。一緒にいるとそんなこともわかったりして、さとちゃんさんの社長に対する感情にも変化が起こるかもしれません。
あと、ぜひ試していただきたいのが、プレゼント作戦。「いつもお世話になっているので」とか言って、高級なハムとか豪勢な菓子折とか箱に入ったマスクメロンとかを社長に贈るんです。そんな、もったいないと思うかもしれませんが、いやな相手にこそいいものを贈るのというのがミソ。これは僕の親父の教えなんですが「いやなヤツをただいやがっているだけでは甘い。自分から相手の懐に入っていけ」と。なので、〝社長を好きになったようなプレイ〟をしてみましょう。
高圧的でいばってる人って、実は自分が嫌われていることに気づいていて孤独だったりするんですよ。だから、お歳暮でもお中元でもない時に自分のことを気にかけてもらえると、すっごくうれしい。しかも、そういう人って〝高級品〟に弱い。自分が特別扱いされたと思うんでしょうかね。実際、知り合いがこれをやったら社長の彼女に対する態度がコロッと変わって、優しくなったそうですよ。
そう、いばっている人って単純なので、愛されるのはけっこう簡単。
さとちゃんさんの場合も、社長は「オレのことをわかってくれるのはこの人だけだ」と思うんじゃないでしょうか。〝好きになったようなプレイ〟をしているうちに、相手がこちらを好きになってくれる。その時、サッと背中を向けて去っていく……かっこいい!
しかも、惜しまれながらの退職だし、転職活動中の面接でも「あの高圧的な社長の下で9年も頑張ったのか」と、高評価を得られるかもしれませんよ。
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JUN MIURA: イラストレーターなどなど。「マイブーム」「ゆるキャラ」など数々のブームを生み出す。『みうらじゅんと宮籐官九郎の世界全体会議』(集英社)が大好評発売中!
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NAMEKO SHINSAN: 漫画家、コラムニスト。巫女的な感性でアイドル観察からスピリチュアルまで、あらゆる事象を取材。近著に『辛酸なめ子の世界恋愛文學全集』(祥伝社)などがある
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