1990年生まれ、幼い頃から釜山の祖母と暮らし、祖母が体調を崩し入院していた時は、病院から学校に通ったこともあったそうだ。ちょうど「太陽の末裔」のチング兄さんが演じた役のような、頼れる刺身店の主人と出会い、やんちゃだった彼は調理師を目指した。そんな頃、韓国が4強に入ったサッカーW杯を見て感銘を受け、自分も得意なことを仕事にしようと一念発起。のど自慢では必ず賞をもらっていた歌で勝負しようとソウルへ。オーディション番組「スーパースターK」に出演、「美男<イケメン>バンド~キミに届けるピュアビート」でドラマデビューを果たした。
「その頃は、ドラマに出させてもらうのが、どんなにありがたいことかわかっていなくて、俳優になろうとは思ってなかったんです」。「撮影中は、イ・ミンギさんについて回ってました(笑)。今では近所に住んでいるエルさんとも出会えた作品。エルさんはアイドルでもイケメン中のイケメンで知られてますが、きっと整形だろうと思っていたんです(笑)。でも会ってみたら、本当に二度見するほどイケメンで。ご両親と食事を一緒にする機会があったんですが、お父さんもすごくハンサムで、昔からのイケメン家系なんだなあ、と感心してしまいました(笑)」。ご自身は小さい頃、お祖母さんから、泥棒みたいな顔と言われて育ったといい笑いを誘う。
その後、契約問題もあり、21歳の頃には貯金も使い果たして、ホームレス状態だったという。宅配のバイトをしながら苦労を重ねたが、突然1日違いで「恋するジェネレーション」と「太陽の末裔」のふたつのオーディションに受かった。ドラマは大ヒットし、おかげで、CMも決まり、友人たちから借りていた生活費も一気に返せたうえ、オーディションを受けずに済むように。ドラマで今の気の合う弟分、ルームメイトにも出会え、愛犬と暮らしているそうだ。さらに新人賞も受賞、日本でもファンイベントができるなんて、これ以上最高な日はないのでは、と語った。釜山男子らしい、シャイな語り口で、冗談も交えながらの本音トークから、優しく飾らない素顔がのぞく。そして、得意の歌を披露する時は、さすがスターのオーラで、好きだというバラードを歌い上げる。
「太陽の末裔」のOST(挿入歌)「You Are My Everything」で始まり、 「ぜんぜん披露する機会がないのでここで(笑)」と、「美男<イケメン>バンド~キミに届けるピュアビート」から、ミンソクさんのOST「どうして君を」、「日本のドラマの中でいちばん好きで、1リットルではなく、2リットル分泣きました」という「1リットルの涙」のOST「only human」も披露。「大好きでずっと歌っていたんですが、1年くらいしてから韓国人のKさんの歌だと教えられてびっくりしました(笑)」。
また、「ドクターズ~恋する気持ち」は、「自分を信じてキャスティングしてくださったので、ものすごく一生懸命準備して臨んだ作品です」。「被告人(原題)」での好きなシーンは、8歳の子役のシン・リナさんとのシーンだという。彼女のお母さんはミンソクさんの8歳うえ、姉のような年齢だったので、リナさんは本当の叔父のように、叔父さん、叔父さんと慕ってくれ、撮影現場ではそんなリナさんに、ミンソクさんが付いて回っていたとか。
「5、6年まえ、ドラマのイベントで初めて来日したときには、もうこんなふうに日本に来れることは、ないんじゃないかと思っていたんです。僕は、普通の近所にいる人なので、たくさんの人が応援に駆けつけてくださって、また日本に来ることができて、本当に嬉しいです。僕の味方と一緒にいる気がして緊張もほぐれました。これからも心を込めた、心からの演技ができる俳優になりたいですし、歳をとったら「被告人(原題)」で共演したチソン兄さんのような味のある俳優、そして良い父親になりたいです」。次回作の撮影も始まるとのこと。今後の活躍も楽しみな俳優のひとりだ。