東宝ミュージカル『エリザベート』を観てきました!
初エリザベート、というニワカなのですが、
パソコンの小さなモニターで一回観ただけで
すっかりファンになっちゃった。
実際かなり悲劇的だった人生を描いた作品で、
少女の頃に「黄泉の帝王トート=死神」に
見初められてしまい、
人生をかけて抵抗するも、最後は死の誘惑に負けて、
イタリア人の無政府論者に暗殺される、というお話。
(もんのすごく端折ってます)
基本、銀色のロングヘアをして黒装束に身を包み、
毎度、自分のクローンのようなイケメンダンサーズを
引き連れて登場するという人物(死神)で、
少女漫画によくある、どこか陰のある超美男子、
ってやつを地で行っているのですわ。
実際のエリザベートは、死にたい、ということを
頻繁に口にしていたそうなのですが、
それを「美しい死神と恋に落ちてしまう」
という設定に昇華させたところが
まずこのミュージカル最大の勝因だと思う(←誰?)
たとえば厳しい姑の皇太后ゾフィにいびられて
夫である皇帝フランツ・ヨーゼフに「なんとかして!」と
泣きついても、
母親にからきし弱いフランツ・ヨーゼフは
「母も君のためを思って言っているのだから、
我慢してくれ」って言っちゃうところとか、
も~~~それだけは言ったらいかんじゃろ~~~!と
脇腹に裏拳かましたくなるくらい、リアル。
作曲のリーヴァイさんはハンガリー出身で、
ハンガリー人はアジアにルーツをもつ民族だからか
音楽がどことなく演歌調……とおっしゃっていて、
なるほど!と膝を打ったのですが、
たしかにディズニーミュージカルとかの
明るくてお洒落な旋律とは違って
かなりメランコリックで、リズム的にも
「ズンドコドッコイ」が似合ってしまう
ちょいダサ加減が絶妙に心地よく、
一度聴いたら覚えてしまうくらいキャッチー。
ちなみに私は一番有名なエリザベートの独唱
『私だけに』はもちろん、
老いたエリザベートとフランツ・ヨーゼフが歌う
『夜のボート』がめちゃめちゃ好きです。
ただでさえ先祖代々の大帝国が崩壊しそうなうえに、
公務ほっぽらかして好き勝手するエリザベートに
翻弄されまくる老フランツ・ヨーゼフが
それでも「君を愛してる」と絞り出すように伝えるものの
「いや、無理」って言われちゃう歌で、
気の毒すぎて涙無しには聴けない……。
バージョンがいくつもあるのも特徴的で、
宝塚版と東宝版は、セリフも演出も、
ニワカな私が気づいただけでもかなり違っていました。
ちょうど今、韓国でも上演中で
先日ソウルに行ったときに観たのですが、
それともまったく異なっていたので
違った点探しとか、自分の好み探しをするのも
面白そう(←こうやって深みにハマっていくのね……)。
今のところ私は宝塚版が一番好みだったけど、
宝塚は宝塚で、さらに組によっても異なるし
これに「ガラコン(ガラ・コンサート)版」も加わったりして
バラエティがほぼ無限っぽい……。
さらにさらに本家本元のウィーン版も観てみたいし、
大変な底無し沼ですよ、これは……。
いつか宝塚大劇場で観るのと、
ウィーンのシェーンブルン宮殿の庭園で
夏に数日だけやる野外コンサートを観るのが
目下の夢です。