更年期を感じたらまずやるべきは? 始めたい6つの生活習慣【備えあれば憂いなし!アラフォーの更年期対策②】

この不調もしかして……と思った時が始めどき!

アラフォーは、「もしかして、もう更年期?」と思うような不調が出始める世代。そんな女性たちのために、更年期の基礎知識から対策までを産婦人科医の八田真理子先生に教えていただく連載の今回は第2回目。今回は、更年期かも?と思ったときにまずやるべきことについて解説。知っておけば、更年期も怖くない!

第1回目でご紹介したように、更年期の始まりに感じやすい不調は、生理周期の乱れや、のぼせ・ほてり、不眠、頭痛、めまい、肩こり・腰痛、動悸・息切れなどの体の不調から、イライラやくよくよなどのメンタルの不調までさまざま。このような不調を感じときに、やるべきこととは? 八田先生に伺った。

\ 私が教えます! /

八田真理子先生

八田真理子先生

ジュノ・ヴェスタクリニック八田 院長。日本産婦人科学会専門医。1990年聖マリアンナ医科大学卒業。順天堂大学、千葉大学、松戸市立病院産婦人科勤務を経て、1998年に現クリニックを開業。思春期から老年期までの幅広い女性の診療・カウンセリングを行う。性教育・不妊・更年期などの正しい知識の啓蒙にも積極的に取り組む。

不調を感じたら、まずは婦人科へ

「更年期かな?と思われる症状が出始めて、それがつらいようなら、婦人科を受診しましょう。アラフォーは病気になりやすい年代でもあるので、婦人科では、まず子宮や卵巣の超音波検査や、子宮がん検査などをして病気がないかどうかを調べます。そして必要なら、血液検査で女性ホルモンの値をチェックします。女性ホルモンの検査は、E2 =エストラジオール(エストロゲンの中で最も強く作用するホルモン)と、FSH=卵胞刺激ホルモンの値を調べますが、更年期になるとE2の値が低くなり、FSHの数値が高くなるのが特徴で、これが更年期のひとつの目安になります。ただし、女性ホルモンの値は変動しやすいので、1回の結果だけでは更年期症状と診断できません。生理の状態や、子宮や卵巣の状態、更年期指数(第1回目の記事参照)の結果などを総合して、更年期症状かどうかを診断します」(八田先生)

では、更年期症状だと分かった場合の治療法とは?

更年期症状の治療のひとつが、ホルモン治療です。生理不順などの生理の不調には、アラフォーなら低用量ピルを処方することがあります。ただし、40代以上は血栓症のリスクが高まるので、40代以上の人には慎重投与になり、BMIが25以上の肥満の人、血圧が高い人、喫煙者など、血栓症のリスクが高い人には低用量ピルは処方できません。40代でエストロゲンがまだある程度分泌されている場合には、黄体ホルモン製剤を単独で用いることもあり、これで生理のリズムを整えることができます。

また、閉経に近い状態なら、HRT(ホルモン補充療法)を行うこともあります。

そのほか、漢方薬や、女性ホルモンと似た働きをするエクオールのサプリメントなども治療の選択肢です。婦人科医によく相談してみましょう」(八田先生)

40代にありがちな病気の場合も!!

更年期症状かな?と思っても、実はほかの病気の場合もあるというから要注意。

アラフォーがなりやすく、更年期症状と間違えやすい病気にはいろいろあります。

生理痛がひどくなったり、経血量が多くなってきたら、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症の場合がありますし、不正出血があったら、子宮頸がんや子宮体がんの場合もあります。

また、ホットフラッシュのような症状が出たら甲状腺機能亢進症、体がだるい、疲れやすいなどの症状があったら甲状腺機能低下症の可能性もあります。

そのほか、便秘でお腹が張りやすいなら卵巣がんや大腸がん、手の関節のこわばりや痛みがある場合はリウマチ、目が乾きやすくなったり、腟が乾いて性交痛があるようになったりという場合はシェーグレン症候群という病気が潜んでいることも。

ですから、アラフォーの不調はなんでも更年期と自己判断せず、まずは病院で検査を受けましょう」(八田先生)

◆ 更年期症状と間違えやすいおもな病気

・ひどい生理痛、過多月経→子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症

・不正出血、月経不順→子宮頸がん、子宮体がん

・ホットフラッシュ(ほてり・異常発汗)、動悸→甲状腺機能亢進症

・体がだるい、疲れやすい→甲状腺機能低下症

・便秘でお腹が張る→卵巣がん、大腸がん

・手の関節のこわばり、痛み→リウマチ

・目や口が乾く、腟が乾く→シェーグレン症候群

生活習慣の見直しも大切!

更年期かなと感じ始めたら、生活習慣の見直しも必要だと八田先生。

「今までは、夜遅くまで起きていたり、暴飲暴食をしたり、運動不足だったり、極端なダイエットをしたりといった無茶な生活をしていても大丈夫だったと思います。でもアラフォーになってそんな生活をしていると、肌の老化が進んだり、体型がくずれたり、血圧が上がったり、病気がみつかったりと、普段の生活習慣が自分の体に如実に現れるようになります。ですから、アラフォーは生活習慣の見直しどき。更年期の不調が起きてから慌てて生活習慣を改善しようと思っても、今より体力が落ちているから、なかなかそうもいきません。だからこそ、アラフォーの今から生活習慣を立て直すべき。そうすれば、更年期症状の予防につながり、更年期も怖くないですよ」(八田先生)

 アラフォーから始めたい生活習慣 

八田先生がアラフォー女性におすすめしてくれたのが、以下のような生活習慣。今日からさっそく始めてみて。

○生理の記録・基礎体温をつける

「アラフォー女性にまずおすすめなのが、基礎体温を測って自分の生理を記録することです。生理は自分の健康を管理するうえでのバロメーターになります。チェックするのは、生理周期が正常の範囲の25〜38日から外れていないか、生理の期間が正常の範囲の3〜7日から外れていないか。また、基礎体温が、低温期と高温期の二相になっているかといったことです。こういったことに問題がなく生理が順調にきていれば、卵巣がちゃんと働いているというサイン。また、生理周期のどのタイミングでどんな不調があったかも記録すると、自分の不調が出やすい時期を把握でき、あらかじめ備えることができます。ぜひ記録をしてみてください」(八田先生)>

○発酵食品を摂る

偏った食生活をしているとミネラル不足になりがちですが、すると更年期症状が出やすくなります。ですから食事はとても大事。ラーメンやカレーなどの単品で済ませず、日本の定食のような食事を心がけてバランスよく栄養を摂りましょう。特に腸内環境を整えるために、納豆や豆腐や味噌などの発酵食品を意識して摂るのはおすすめです。また、塩なら精製されたものでなく、ミネラルが多い天然の塩を選んだり、油は血液をサラサラにするオメガ3脂肪酸が多い亜麻仁油や青魚や、悪玉コレステロールを下げるオレイン酸が多いオリーブオイルのような良質の油を選ぶなど、調味料もこだわって選ぶのがおすすめです」(八田先生)

○身体を冷やさない

「卵巣は大動脈から直接血液をもらっているため、全身の血流がよくなると卵巣機能も高まります。ですから体を温めて血流をよくし、冷えから守ることも更年期の不調予防には大切です。体を冷やす食べ物は控えて、生姜などの体を温める食品を取り入れたり、湯船につかる習慣をつけたり、ヨガやストレッチなどを取り入れるなどして血流をよくしましょう」(八田先生)

○週3日以上の有酸素運動

「運動の習慣をつけることも更年期症状の予防になります。特におすすめなのは、週3回、30分以上の有酸素運動。有酸素運動は体にたくさん酸素を取り込むことができ、心肺機能を高められて循環器系の病気の予防になりますし、血中脂質を低下させ、コレステロールの沈着を防ぐことができます。更年期になると太りやすくなりますが、有酸素運動をするとメタボになりにくい体を作ることができます。ウォーキングや水泳、エアロビクスなどなんでも構いません。だらだらとするのでなく、たとえばウォーキングなら、3分早歩きをして、2分ゆっくり歩くのを繰り返すというように、心拍数が適度に上がって、軽く汗をかくような強度で行うと効果的です」(八田先生)

○睡眠の質を整える

「アラフォーは働き盛りで、睡眠不足の人が多いようですが、更年期症状を防ぐには十分に睡眠をとることは重要。理想的な睡眠時間は7時間ですが、個人差もあるので、量より質をよくすることがポイント。質を高めるにはリズムを作るといいので、なるべく毎日決まった時間に寝て、決まった時間に起きるようにしましょう。夜12時前には布団に入るように心がけるとリズムが整いやすくなります」(八田先生)

○サプリメントの活用

「更年期対策にはサプリを活用するのもよいでしょう。特に、女性ホルモンと似た働きをする大豆由来のエクオールという成分は、更年期ののぼせやほてりや手の痛みなどに効果があるというデータがあります。エクオールは市販のサプリメントで摂ることができるので、更年期症状が気になり始めたら取り入れてみるとよいと思います」(八田先生)

イラスト/佐藤由実 取材・文/和田美穂 構成/原千乃

アラフォーの更年期対策:第1回はこちら↓

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