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「正論はやめてね、弱ってるから」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.22】

第22回目 「正論はやめてね、弱ってるから」弱っている時は優しく寄り添ってほしい。

不慣れな運転で通った放射線治療も無事終えた。病院選びの際はどうなることかと思ったがすべて杞憂で大団円。病院での最終日のセレモニーで号泣したケビ子。乳がん・ニューライフ (第21回はこちらから)

第22回は放射線治療の影響で黒ずんだ胸と病気を公表した話。やさしさに包まれてワシは幸せじゃよ。

【放射線治療後の肌の黒ずみ】
放射線治療のために毎日同じ時間に通院すること15日。
週末は休みなので都合3週間通った放射線治療が終わるころには胸が黒ずんできていた。


担当医師からも放射線治療から1か月から2か月くらいは黒ずみになるが、そのうちなくなると言われていたので想定の範囲内なのだが、私の場合肌のターンオーバーが極端に悪いのか胸は手で撫でるように洗っているので本当は落ちるべき皮膚がくっついているだけなのか、放射線治療後半年以上も黒ずみが居座っていた。


今年の夏はとても熱くて、外にいると当然汗をかく。ホルモン剤でホットフラッシュ全開のところにこの暑さ。そこにマスクもするという3重苦であった。顔にはめったに汗をかかないケビ子も外にいるとマスクが変色するほど汗をかいた。

汗拭きシートで顔や首からデコルテの汗をぬぐったところ胸元の黒ずんだ皮膚が汗拭きシートにごっそり付いてきて、「ぎゃーなにこれ汚い!しかし取れた!」と黒焦げになった鍋をきれいにしたときのような爽快感を味わった。これにより黒ずみはほぼきれいになった。


なるほど、摩擦がないから表面に居座っていたのね、と合点がいった。
放射線治療をするとこうして黒ずむということは一定の乾燥をするということだな。
ネットで調べてみても強い日焼けや軽いやけどあとのようになると記載してあった。放射線による炎症なのだと。


日焼けや軽いやけど、ということは乾燥しているということだ。確かに皮膚が粉を吹いている。こんなところも粉を吹くなんてまだまだ知らないことばかりである。


【経験者からの優しい情報とおススメの保湿剤】
ちょうど放射線治療が終わる頃、この連載が始まったこともあってインスタで病気を公表した。


公表は無神経を自覚しているケビ子でさえもとても緊張したし、反応が怖かった。
しかし、たくさんのコメントやDMをいただき励ましてもらって心から嬉しかった。
その中に病気経験者からおすすめの製品情報、とりわけこの時期に必要な乳液やクリームを教えてくださる方がいたり、実際使ってよかったから、とプレゼントをしてくださる方もいた。


頼まれたわけでは一切ないが、乳がん先輩に教えてもらった、またはいただいた乳液を胸に塗って乾燥対策をした。とりわけ放射線治療の後はとても役立ったこともあり、経験者が教えてくれるものへの信頼はとても厚い。せっかくなのでこちらで紹介したい。


① DR+ MEDI BALM(CBDワセリン)ワセリンに話題のCBD(カンナビジオール)を配合したバーム。傷口にも安心して塗れるとのこと、また抗炎症作用に優れ、かゆみや痛みの鎮静にも良いとのことで、継続使用をした。さらっとのびて使用感がとても良い。クリニック専売商品なので少しハードルが高いがその分安心して使えるね。


② Sotto Sattoのピアケアモイスト乳液。がんサバイバーが「同じ立場にある女性たちを支援したい」と立ち上げたスキンケアブランドSotto Sattoの乳液。顔も体もこれ一本で完結するのでまだ自分の体をしっかり見ることに抵抗があった頃にはさっと終わるスキンケアものはとても助かった。


③ ベーテル 保湿ローション。同じ時期に乳がんになった友人がこれ良いらしいよと勧めてくれたこちら。手軽にリピートできる価格と口コミの良さよ。気になったらAmazonで口コミ見てね!
全部使って、それぞれとても良かった。成分の半分以上は優しさではないかと思うくらい、落ち込んでいた私には優しさと保湿成分がことのほか効いたようだ。



①DR+ MEDI BALM 説明は画像をクリック
②Sotto Satto ピアケアモイスト 説明は画像をクリック
「正論はやめてね、弱ってるから」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.22】_1_3
③ベーテル保湿ローション
【正論はやめてね、弱ってるから】
公表するのはとても勇気が必要だったが、結果としていろいろな方から「私も闘病中です」「来月手術です」「同じころに手術をしました」などメッセージをいただいたり、公表した私をすごいと褒めてくれるなど公表をするのはやはりハードルが高いのだなということと、想像以上に多くの方が闘病をしていることを知った。


あらゆるステージで病気に立ち向かう方々と一緒にがんばろうね、と心から思う。
この「一緒にがんばろう」という励ましがこの度これほど沁みるのかと実感した。


励ましにもいろいろな流派がある。
例えば「乳がんになりまして、これから治療をしないといけません。辛いです。」と友人知人が告白してくれた。

「なったことをぐちぐち言っても始まらないよ。治療をがんばるしかないじゃん」
「辛かったね、大丈夫?」


大きく正論型と寄り添い型に分かれるとしたら、仕事の場では正論をふりかざしてめった斬りを好むケビ子でも病気したと告白して正論を吐かれたら号泣である。

治療はがんばる。当たり前だ。それでも健康に留意して生活をしてきて、健康診断だって毎年受けてきて、食事の添加物だって意識して、それなのになんで私が?のところに「ぐちぐち言っても始まらない」と来たら落ち込むのは当然なのだ。


ここに一言「辛かったね」と寄り添ってもらうだけで、涙腺が崩壊する。この人に何かあったら「私の出番だ、こうしちゃいられないぜ!」とまで思う。そのくらい寄り添いの言葉が持つパワーが爆発する。要するに弱っているのだ。


このコラムを読んでくださる貴女が、もし知人から病気の告白をされたらぜひ寄り添い型の言葉をかけてほしいと願うケビ子であった。



つづく


※次回【Vol.23】は11/11公開予定です。




「正論はやめてね、弱ってるから」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.22】_1_4
※この記事はケビ子さんの体験に基づいて書かれており、2021年12月当時の情報をもとにしています。
治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません
カモチ ケビ子
43歳で結婚、47歳で乳がん。
心配性の夫、奴さん(やっこさん)はなぜか嬉しそうに妻の世話を焼いている
Instagram(@kbandkbandkb)ピンクリボンアドバイザー(初級)資格保有

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