渋谷PARCOは8Fにある「ほぼ日曜日」で開催されている「写真展 はじめての、牛腸茂雄(ごちょうしげお)。」展に伺ってきました。
「誰だろう、牛腸茂雄さん」状態の方、同じです。初耳。読めませんでしたもんね、そもそもね。
「はじめての」とタイトルにつくだけあり、ご本人を知らない人を前提として構成されている模様です。
そして驚いたのは、作品を保護するアクリル板が設置されていないこと。鑑賞者に生の「プリント」の力強さを感じてもらうため、外してあるのだそうです。そんなことができたのは、牛腸さんの学生時代からの友人だった写真家・三浦和人さんのお力添えがあったからなんだとか。
……詳しくはぜひ、公式ホームページをご覧になってみてください。
場所 ほぼ日曜日(渋谷PARCO8階)
時間 11:00〜20:00
入場料 600円(税込)
入場特典:
和田ラヂヲさんの描きおろしマンガ付き小冊子
和田さんが牛腸さんの写真を漫画にした絵が描かれた小冊子を入り口でいただけるのですが、その絵がなんだかとぼけていて可愛くて、「この写真展、面白がってもいいみたい」と肩の力が抜けます。
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シャイニング感(by 和田ラヂヲ先生)
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この小冊子が面白すぎて……裏面には和田さん描き下ろしの4コマ漫画も。
1946年新潟に生まれた牛腸さん。3歳のときに胸椎カリエスという難病を患い、身体にハンディキャップを持ちながらも作品を撮り続け、36歳という若さで亡くなった写真家です。
高校生の時にはすでに卓越されたセンスを発揮されていたようで、美術展やデザイン展などでさまざまな賞を受賞。18歳で上京し、桑沢デザイン研究所に入学。デザイナーを目指していたけれど、写真の授業を担当していた先生に「君は写真をやりなさい」と言われて写真の道へ。
写真展は4つのセクションで構成されていて、まず始めは1971年、25歳のときに桑沢時代の同級生、関口正夫さんと自費出版した「日々」で使用された写真から始まります。
牛腸さんの写真集の名前にもなっている「SELF AND OTHERS」は文字通り「自分と他者」。1977年に自費出版された写真集から、とのこと。
他人が写っている写真に、どうしてこんなに惹きつけられるのでしょう。他人だからこそ愛しいのでしょうか。
私事ですが、ついに自分の生まれ年。親近感が生まれます。
「幼年の「時間(とき)」」と題され、1983年『日本カメラ』で発表された作品群が並びます。
この年、牛腸さんは36歳という若さで逝去されます。
未来を携えた子供たちを前にして、牛腸さんはどんな気持ちで撮影していたんでしょう。
偉人たちは死後、成績をさらされがちなのが気の毒だと常々思ってきていたのですが、こんなにも優秀な成績の通信簿を私はかつてみたことがあっただろうか。
先生のコメントが確信に満ちていて力強いのも、昭和という時代なのかなと感じました。
「思いやり深く、よく出来る人でもよくできない人とでも同じ態度で接しているのは大変感心がもてます」
「体はよわくとも心のつよい正しい子になりなさい」
当初は「知らない人の写真展かぁ…」となんとなく敷居が高く感じていました。
実際に行ってみると「ほぼ日曜日」のスペースの入り口はとてもこぢんまりしていて、のれんに描かれた牛が「ようこそ」と言っているし、入っちゃえ、と気軽になれました。
会ったことも、ましてや喋ったこともない写真家の目を通した、とても懐かしい写真展。
昨日より日常が愛おしくなるような温かな空間にぜひ、癒されてみてはいかがでしょうか。
この秋、CITY SHOPで購入。ボヘミアン調漂うブーツカットで渋谷PARCOに参戦です。
もちろん目立つことなく淘汰されました。
意外とトップスは何色でも合ってしまうピンク、発見でした。
トップス……シンゾーン(1年前に購入)
パンツ……CITY SHOP
シューズ……Maison Margiera
バッグ……いただいた布バッグ
アートもファッションも、何気ない日常の愛しい一部。楽しんでいきたいですね。