仕事でもファッションに関われることがうれしくて、入社当時の記憶がほとんどないくらい無我夢中でした。ディストリビューターとは入荷の振り分けや在庫管理などが主な業務で、店舗の売れ筋などが理解できる仕事です。ちょうど代官山にショップができたタイミングでしたので、お客さまからの質問にきちんと答えられるよう事前に準備を整えて週に1度はお店に行き、どういう方が何を買ってくださるのかを興味深く観察することを続けました。3年後、バイヤーになりましたが全くの素人だった私が今あるのは、このときの経験があったからだと感謝の気持ちを持ち続けています。
ブランドのコンセプトを「Play to Elegance」(優雅に遊ぶ)としたのは、ベーシックなアイテムを着こなすことができるようになった大人の女性をイメージしてのこと。好きなベーシックを軸にトレンド要素も加えながら、自分らしさが感じられるパリで出会った女性たちのように肩の力を抜いて着ることができる、毎日袖を通したくなる服を目ざしています。
フランス語で”ゆるさ”を意味するラシュモンという単語をブランド名に決めたのも、そんな理由からでした。
若い頃はカットソーだけでもサマになった着こなしが、それだけでは難しいと感じる大人世代。私自身も体型が変わってきていることを感じるので、どう見えるのかを常に意識しながらシルエットにこだわった服作りを心がけています。
「ラシュモン」は今年で5年目を迎えましたが、自分自身にもっともっと力をつけていきたいと思っています。
(右)まじめなトラッドとは一線を画す、イレギュラーなプリーツと切りっぱなしの裾がポイント。大人に似合うひざ下丈。ハウンドトゥース チェックスカート¥59,400/ラシュモン
(右)エレガントなマキシ丈のドレスにブラックウォッチチェックのツイードを採用することで、織田さんのアレンジが光る。ツイード ブラックウォッチドレス¥96,800/ラシュモン
※取り扱い店舗情報は、2022年12月14日公開時のものになります