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「自分自身をどう見せるのかがファッションのインテリジェンス」 CINOH 後編【私のおしゃれフィロソフィVol.11】

「チノ」の服は試着することでその良さをより体感するという。今年で10周年を迎える「チノ」が目指すこの先は?
デザイナーの茅野誉之さん
______デザインや企画のインスピレーションはどんな時に?
世の中でどのような服が必要か、その必要性と新鮮さを常に考えています。例えば昨年2月に発表した「ブラックフォーマルコレクション」は、娘の卒園式に出席したときにカッコいいフォーマルが少ないと感じたことがきっかけでした。着心地を重視してかパンツのウエストにゴムが入っているのを見た時は、ヒップラインがきれいじゃないしシャツインもできないじゃないかと(笑)。ならば僕が得意とするマニッシュな要素を取り入れた、エレガントなフォーマルウェアを作ろうと。
______茅野さんのこだわりは?
楽しい気持ちになれる遊び心と着心地のよさ。そしてラグジュアリーブランドにも引けを取らない素材選びでしょうか。男の僕がウィメンズの服を作るのですからある程度の押し付けがましさもありますが、女性がより魅力的に見える服を作りたい。素敵な服の解釈には禁欲的かセクシャルかという両極がありますが、僕はどちらかというと禁欲的、男性的な要素を女性に向けて作る“マスキュリン”を意識します。ジャケットやパンツなどがまさにそうですが、ユニセックスなメンズライクな服とは一線を画す物づくりにこだわりたいと思っていますし、そもそもマスキュリンとユニセックスが混同されがちですがデザインの過程が違うので、そこを「チノ」では明確にしています。そしてこれは今まで意識してこなかったのですがコロナ以降、世の中が殺伐としていると感じているので精神的にリラックスできる優しい色や花をモチーフとして取り入れるようになりましたね。
______これからの「チノ」に思うことは?
ブランドはトータル力。ウェアは多くの方に認知いただきまずまずですが、シューズやバッグがまだ作れていないし、表参道のショップもオープンしたばかりでお客様へのおもてなしはまだまだこれから。まずは「チノ」の世界観をトータルで提案できるようにしていきたいですね。
_____読者に向けたメッセージを是非
何となく最近の業界を見ていて思うのは、おしゃれはわかりやすい承認欲求ではなく自分を美しく見せる自己表現だということをもう一度、真剣に考えてみた方がいいなと。自分自身をどう見せるのかがファッションのインテリジェンス。ぜひ自分のために服を選んでください。
〈今日のスタイル〉
黒に白を効かせた着こなしで登場してくださった茅野さん。
チノ メンズの黒いニットとパンツに白のタートルとシューズが冴えるモノトーンスタイルをさらりと着こなす茅野さん。「その時の気分で着たいものが偏るんです。昨年はグレーばかり着ていました。そして今は黒と白(笑)。」衿もとや袖、足もとからのぞく白の分量は、さりげなく見えて絶妙なバランスだ。さらにサングラスと時計の文字盤をブルーでリンクさせる小粋な小物使いにも注目したい。
〈推しアイテムをCHECK〉
  • パールボタンつきジャケット

  • 長袖シャツ

(左)ブランドが得意とするマスキュリン&クリーンに仕上げたフォーマルコレクションを代表する1着。タキシードのようなダブルジャケットにパールボタンがアクセント。パンツにもスカートにも合わせたくなる。
ジャケット¥79,200/チノ(ブラックフォーマルコレクション)
(右)フロントにビスチェ風のディテール、後ろにはスリットとベルトを施したプルオーバーシャツ。手摘みした最高級のコットンはシルクのような光沢としなやかな肌触りだ。
¥52,800/チノ
  • レースケープ付き半袖シャツ

  • アンシンメトリーボトム

(左)シャープなカッティングの半袖シャツにレースのケープをまとったような、ブランドの遊び心が冴える1枚。パリッとした白シャツとレースの透け感で奥行きのある着こなしが完成する。
¥55,000/チノ
(右)ハーレムパンツとラップスカートをドッキングさせた楽しいデザイン。スカート部分の下にはショートパンツが内蔵されています。シンプルなトップスに合わせるだけでモード感が漂う。
¥44,000/チノ
■チノ 表参道ヒルズ
東京都渋谷区神宮前4-12-10
表参道ヒルズ本館2F
☎03-6447-1030
  • Marisolで買える! 【チノ】アイテム一覧はこちら

    Marisolで買える! 【チノ】アイテム一覧はこちら

    「一瞬の時の中に存在するだけでなく、ワードローブ・想い出に残るモノ創り。」を理念とし、伝統の無い自由な発想から生まれる東京のストリートをベースにしている。 また今までの服装史、その背景にあるカルチャー、現在の世の中からシーズン毎に感じとったモノ・コトを、遊び心と高揚感を持った大人のリアルクローズへと落とし込んでいる。

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