毎分3万リットル以上で自然湧出量日本一という、圧倒的な湯量を誇る草津温泉。日本三名泉のひとつで、殺菌性のある酸性、硫黄の香り漂う絵に描いたような良質な泉質で知られます。温泉保養士の私が、個人的にも通っている草津温泉とその近くの万座温泉。ぴりりとした強酸性の湯はピーリング効果があるのか肌がピカピカ輝きだすので、石鹸やタオルはいらないくらいで、化粧水で保湿するとより効果的です。
そして、温泉好きの間で知られているのが、草津温泉のいくつかある源泉のなかの「わたの湯」。真綿に包まれたようなやわらかな肌触り、どこか神秘的でさえある湯の花が舞う湯です。森の木々に囲まれた「フォートリート草津」に、そんな綿の湯がひとりじめできる、温泉半露天風呂付きの客室ができたと聞いて、期待でいっぱいに。大浴場でも、野鳥のさえずりも心地いい露天風呂で白濁のわたの湯、内湯で熱めの万代鉱が楽しめ、それだけでもじゅうぶんなのに、ハマっている友人も少なくないよもぎ蒸しまで。半露天風呂付きのほか、メゾネット、洋室ツインなども落ち着いたインテリアで、日常を離れてリフレッシュするのにぴったりの全14室のリトリートです。
久しぶりのわたの湯は、やはり期待以上。温泉のパワーをじわじわと感じ、癒しに包まれます。そして、スチームスパでの温浴セラピー・よもぎ蒸しは、国産よもぎに漢方薬剤師監修の漢方をブレンドした漢方をブレンドした2種(デトックス・子宮温暖)、ハーブ2種(アンチエイジング・リラックス)から選べます。体を内側から温めます。デトックスのよもぎ蒸しを就寝前に体験したからか、ぐっすり眠れた気がします。
森のライブラリー、ライブラリーラウンジのフリードリンクコーナーには睡眠中の低血糖を和らげ睡眠の質を上げるとも言われるはちみつが並び、はちみつゆず酒なども。客室にもその日の薬膳茶が2種、大浴場を出たところにもカモミール・ミント、ハイビスカス・ローズヒップ、バタフライピーのハーブウォーターが用意されているなど、滞在中植物の力、ハーブに浸れるのも嬉しい。ディナーは、群馬の素材を堪能できる、鉄板焼きをメインにしたハーブをふんだんに使った創作会席で、希少な国内外のワインや日本酒をペアリングもできます。先付けの群馬県産の美しいギンヒカリのカルパッチョとハーブのサラダから始まり、前菜には、上州麦豚とセージのサルティンボッカ風、セルフィーユの香る群馬蒟蒻の田楽などが。豌豆のポタージュ雑穀ロワイアル仕立てにディルオイルをアクセント、上州牛のサーロインステーキはローズマリーとブランデーの香りで山葵がよく合います。穴子の寿司になた豆の花の甘酢漬けが添えられ、旬の山菜の天ぷらにも舌鼓。秋冬にはワカサギやキノコも美味しいそうで、季節ごとに訪れたいです!