今回の恋愛相談者
Yさん:46歳 フリーランスPR
仕事柄、飲食店との関わりが多く異性との出会いも少なくないが、恋愛に関しては攻めより受け身。ぱっちりとした目が印象的なキャリア女性。

荒野語録①:60歳以上との「年の差婚」は未来の幸福が担保されにくい
荒野: 今日はよろしくお願いします。今、ずいぶん年上の彼との恋愛でお悩みがあるとのこと。今、Yさんは46歳ですよね。お相手はおいくつなんですか?
Yさん:はい、実は65歳なんです。付き合って今6か月目になりました。
荒野:なかなかな年齢差ですね。それを抜いても付き合って半年だったら、一番楽しい時期だと思うのですが……。どうやって知り合われたんですか?
Yさん:共通の友人から紹介されてお付き合いを始めました。ずいぶん年上だけど、私に合うかもってとりあえずセッティングしてくれて。彼は今65歳でバツ2で、子供もいるそう。でも、誰かいたら紹介してほしいって言っていたみたい。43歳でリタイアして、海外に出かけたり、趣味のアートを楽しんだりと、見識の広いかたなんです。働かなくて20年過ごせるってことは資産もそれなりにあると思う。確かに年齢的にはかなり差がありますが、それを差し引いても正直私にはもったいない「良物件」ではないかと思っているんです。
ただ、すごく好きということではなくて……。フィーリングというか、性格が合わないんです。価値観も絶対違うんですよね。夫婦でも100%価値観が一緒ということはなかなかないと思うのでそれが嫌ということではないんですが、トキメキみたいなのがない。正直、このまま結婚していいのかな?と思っていて。
荒野:なるほど、愛はないけれどお金はあるということですね。お綺麗ですし、お仕事柄活動範囲も広そう。今まで出会いもあったと思うんですが、婚活はされてきていないんですか?
Yさん:活動ですか? 出会い系アプリとかそういうことでしょうか? それはないですね。これまでわりと出会いがあったんです。人に紹介してもらったり、友人とごはんを食べていたら隣に座っているグループと一緒に飲み始めて、仲良くなってそのうちお付き合いに発展……っていうことも、よくあって。だから、この先、本当に好きな人と出会えそうな気がしなくもないなって、この歳でも思ってしまったり。
荒野:ご自分的に、今の恋愛における課題って何だろうと思っていらっしゃいますか?
Yさん:お相手には問題がないので、自分自身の問題なのかな。
荒野:ふむ。Yさんの中で結論が出ているような印象を受けますね。僕が何を言ったとしても、辛口YouTuberが何か言ってるわ~ぐらいで聞いていただきたいんですけど。ちょっともったいない気がしています。
Yさん:え? もったいない?
荒野:なんだか、恐ろしくもったいない。失礼ながら、婚活のアドバイスをする側から見たら、見た目的にも人間的な魅力も同じ46歳のライバルがいたら勝てるポテンシャルがあるのに、完全受け身で誰でもいいですっていうスタンスに振り切っているのが本当にもったいない。いくら経済的に余裕があっても、ちょっと心配です。“歳の差婚”にありがちな「年上だけど、いいか」という話ではなく、自分のこの先の幸福を自分で奪っているっていう選択に近い。
例えば、50歳の人が40後半の人と結婚するんだったら、老後のお金の問題とか介護の問題もまだ先ですよね。5年、10年と2人で楽しく過ごす時間がかなったうえでの老後ですけど、お相手が65歳だともう高齢者のくくり。 Yさんが彼と海外旅行したりいろいろと楽しみたいとしても、お相手の年齢的に早い段階でそれがかなわなくなってきます。
Yさん自身も、それに気づいていながら「良物件」だと思い込んでいるように感じます。
Yさん:うーん、正直それも私の中にあると思うんです。今はよくても年齢的にそれって続かなくなるのかなというものはあります。ただ、仮に努力して“活動”したところで、今から彼の持っているもの以上の環境が得られるかというと難しいと思うんです。40代前半はまだ子供を持つという希望もありましたが、もう46。さすがに厳しいなと思うようになって、条件が広がったというか。だからこそ迷っているんですよね。

荒野語録②:40代の出会いは「質」も大切
荒野:迷っているとおっしゃいましたが、やはり妥協もあるのではないですか?
Yさん:むしろ、妥協は絶対必要だと思っているんです。例えば自分が46として50歳ぐらいの人がいいとか、背が高くてイケメンだったらなおよしとか、そういうのが理想だとしたら、65歳でも、容姿がそんなに素敵じゃなくても、愛されるならいいかなという妥協は当然しなきゃなと思っているんです。
そこに、すごく好きとか、価値観が合うとか、そういうのまでは求めていないんですよね。だから、来てくれた人はとりあえず付き合ってきました。その中でいなくなる人もいるし続く人もいて、今回はどうしようかなっていう感じなんです。
荒野:本当は、Yさんは妥協なんてしなくていい人だったと思います。でも、「なんとなく飲み会で……」なんていう、来るもの拒まずな付き合い方をしてきた結果が、今だと思うんです。
受け身になれば相手に好きになってもらおうとする努力をしなくても済んだ。逆に言うと、ワンランク上の人とつながる機会を、失ってきたとも言えます。適度に自然発生的な出会いがあるがゆえに、まともな人間が自分を好きになってくれるというシチュエーションが発生しなかったんです。
Yさん:ううう。確かに、特殊なお付き合いすることは多かったかもしれません。珍しい趣味の人とか、急に宇宙と交信し始める人とか(笑)
荒野:僕は飲み会でよくある「ちょっとおいでよ」みたいな付き合いって、適当な人とのつながりだと思うんですよ。その相手が結婚しているかどうかもわからないし、まともな人間かどうかすらもわからない。その中で自分に来てくれる人、来る者を拒まずで選んでしまうと、相手が65歳です、みたいになってしまう。
およそ恋愛は引退していそうな60代やら、急に宇宙と交信し始めるようなヤツって、まともな女子には選ばれないわけじゃないですか。だからそういう輩は、誰でもいいからとりあえず行けそうなヤツに行こうとする。
「誰でもいい」っていうジャンルの中では、Yさんは見た目もスペックも相当ハイクラスだったと思うんです。だから、変な奴から需要があるっていう仕組みになっていただけで、そいつらにとっては運命の出会いだったとしても、それがYさんにとってのそれかというと少し違うと思うんです。40代は出会いの「質」も大切。探り寄せることができた運命の人を、探り寄せなかった。それがこの年齢まで好きな人と結婚できない理由なんじゃないかなって思います。
Yさん:なるほど~。ショックですけど、それは一理あるかもしれません……。
荒野語録③:受け身の恋愛は運命の人との出会いを遠ざける
荒野:僕はよく言うんですけど、基本的に受け身の恋愛って9割以上相手が“格下”です。自分から「よっしゃっ、いい人と結婚したるで!」って思っている人が、 わざわざ自分よりスペックも見た目も人間性も劣る人に対して猛烈なアプローチなんてしませんよね。頑張らないと手に入らないからこそ頑張るわけで、そんなことをしなくても手に入れば努力はしません。
男性側だって来てくれた女性の中から選べばいいやと受け身になりますよね。努力する、失敗する、工夫して挽回するという恋愛の一連の動きは、基本やらないことが多いと思うんですよ。
Yさん:そういう見方もあるんですね。それなりに彼氏はいたけれど、それがいつの間にかいい出会いを失ってきたなんて……。
荒野:100歩譲ってお付き合いするだけならそれでもいいと思いますが、結婚って10年20年先まで続いていくんです。長期間のスパンで見た時に、本当に自分が幸せで、自分の人生に満足しているイメージが持てますか? 後悔しませんか? この人なら大丈夫という気持ちが一点の曇りもなく固まっているならよし。でも、幸せじゃなさそうだと一瞬でも感じたのなら、誰だったら幸せなのかって考えてほしいんです。
次回は、結婚と幸せの条件について一緒に考えてみましょう。