2025年11月27日

人生を重ねた大人だから共感！仕事と恋愛が交差する韓国ロマンスドラマ３選

2025年もたくさんの韓国ドラマの新作が日本で配信されました。サスペンスからコメディまで多彩な作品の中でも、人生を経て、喜びだけでなく多くの課題も乗り越えたからこそ物語を深く理解して共感できる、大人のためのロマンスドラマを３つピックアップしてご紹介します。

【目次】

恋するムービー：「映画」で出会い、再会したふたり。繊細な愛と人生の成長物語
離婚保険：失敗の数だけ優しくなれる。人生のやり直しを後押しするヒューマンラブコメ
私たちの映画：限りある時間をどう生きたい？静かな情熱が胸を打つ“人生ドラマ”

恋するムービー：「映画」で出会い、再会したふたり。繊細な愛と人生の成長物語

大人になると、恋にも仕事にも少し慎重になり、ときめいたり、気持ちが高ぶるままにアタックしたり、そんな恋愛からは卒業しているものです。ご紹介する「恋するムービー」は“恋に恋していたあの頃の自分”、そして現在の、多様な人との関わりの中にある日常を、登場人物と一緒に見つめ直したくなるような優しく繊細な作品です。

人生を重ねた大人だから共感！仕事と恋愛が交差する韓国ロマンスドラマ３選_1_1 — Netflixシリーズ「恋するムービー」独占配信中

物語は映画評論家コ・ギョム（チェ・ウシク）と、新進映画監督キム・ムビ（パク・ボヨン）の出会い、そして再会を経てつづられます。映画のオーディション会場で出会ったふたりは、一度は惹かれ合うものの、ギョムが突然姿を消し、時間だけが過ぎていきます。５年後、まったく違う場所で“映画をつくる側・語る側”として再会。過去を抱えたまま前に進もうとするふたりですが、離れて過ごした時間の中で起きたギョムとその兄との関係、ムビの父との確執をお互いに乗り越え、自分の気持ちに向き合っていく過程が繊細に描かれます。

人生を重ねた大人だから共感！仕事と恋愛が交差する韓国ロマンスドラマ３選_1_2 — Netflixシリーズ「恋するムービー」独占配信中

大人ともなれば恋にときめくより、仕事、夢、責任、過去の失敗…。そうした日常の一コマ一コマが、時には恋以上に大切になってくるものです。それぞれの過去に向き合うギョムとムビのふたりだからこそ、再会はただのロマンスではなく、“人生をもう一度選び直す時間”として胸に迫ります。

映画監督となったムビが自分の映画を撮る理由を語るシーンでは、「好きなものに誠実でいたい」という言葉が描かれます。映画作りに向けるムビの気持ちを静かに受け止めるギョムの表情が、派手さはなくても大人の心を揺さぶるでしょう。大人になった今だからこそ味わえる、映画のように余韻を楽しむ１作です。

離婚保険：失敗の数だけ優しくなれる。人生のやり直しを後押しするヒューマンラブコメ

「離婚を保険にする」という大胆なテーマからは想像できないほど、温かな気持ちになれるドラマです。大人になって仕事でも、恋愛、家庭と、責任と判断力が求められる場面が増える一方の女性たちに、ドラマ「離婚保険」は静かな勇気を与えてくれる作品です。

人生を重ねた大人だから共感！仕事と恋愛が交差する韓国ロマンスドラマ３選_1_3 — 「離婚保険」Prime Videoで独占配信中提供：Prime Video

主人公は保険会社の計理人ノ・ギジュン（イ・ドンウク）。３度の離婚歴を持ち、自分の失敗を数字として仕事の場面で背負い込むように生きています。ある日、「離婚後の生活を支える保険」という新商品を開発することになり、彼のまわりには元妻、幼なじみ、未婚主義者など多様な価値観を持つ人々が集まります。仕事と恋、そして人生の傷も交差しながら、ギジュンの新しい人間関係が形づくられていきます。

このドラマが楽しく笑えるのは“離婚”を否定や後悔だけで描かないところ。むしろ、登場人物たちは皆どこか不器用で、弱さや迷いを抱えながらも自分の人生を前に進めていこうと奮闘しています。“離婚”というつらい経験も「こんなふうに人生を選び直してきた」と思える瞬間がきっとあるはず、そんな元気や前向きな気持ちを与えてくれる大人のコメディです。

人生を重ねた大人だから共感！仕事と恋愛が交差する韓国ロマンスドラマ３選_1_4 — 「離婚保険」Prime Videoで独占配信中提供：Prime Video

ドラマの中でギジュンは自分の離婚歴について「失敗したというより、今はまだ人生の途中」という意味合いのセリフを語ります。この言葉は離婚という経験だけでなく、仕事や人間関係でつまずいたことのあるすべての大人に刺さります。コメディとしてのテンポのよさもあり、登場人物同士の軽やかな掛け合いは、仕事終わりの疲れた夜に心をほぐしてくれるでしょう。

私たちの映画：限りある時間をどう生きたい？静かな情熱が胸を打つ“人生ドラマ”

人生で大切なことは、人より目立ったり、華やかな暮らしを実現することではない。そんな価値観に共感できる成熟した人だからこそ胸を打たれる作品が「私たちの映画」です。夢、時間、喪失、愛…。年を重ねる中で一度は向き合ったテーマを、静かなトーンで描いています。

人生を重ねた大人だから共感！仕事と恋愛が交差する韓国ロマンスドラマ３選_1_5 — 「私たちの映画」ディズニープラスのスターにて全話独占配信中 © 2025 SBS & Studio S. All rights reserved.

主人公はスランプに陥った映画監督イ・ジェハ（ナムグン・ミン）。父は映画界の巨匠で、自分自身の作品価値を見失っています。一方、女優を夢見るイ・ダウム（チョン・ヨビン）は余命を宣告され、限られた時間を懸命に生きています。ふたりは映画制作を通じて出会い、互いの傷や葛藤に触れながら、それぞれの人生そのものを見つめ直していきます。

本作は、“時間の有限さ”を知っている大人世代にこそ響くストーリー。若いころのように、時間が無限に思えた日々を過ぎたからこそ、「今をどう生きるか」がいっそう尊くなります。ジェハが父の影と期待を背負いながら自分の作品を追う姿、ダウムが残された時間で夢をかなえようとする姿が、見る者の心に深い余韻を残します。

人生を重ねた大人だから共感！仕事と恋愛が交差する韓国ロマンスドラマ３選_1_6 — 「私たちの映画」ディズニープラスのスターにて全話独占配信中 © 2025 SBS & Studio S. All rights reserved.

ふたりが夜の撮影セットの小さな灯りの中、これまでの人生を語り合うシーンは、沈黙すら意味を持ち、言葉よりも“まなざし”が互いを支えているような印象を受けます。この静かな瞬間こそ、“愛とは寄り添うこと”だと教えてくれるのです。これからの毎日の中で大切なものを見つめなおしたいと感じたとき、そっと寄り添ってくれる作品です。

文／森田稜子

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