なぜ中高年のケビ子が選ばれたのか。
相手に「この人と付き合いたい」と思ってもらうにはどうするか。
ひたすら神頼み、というのも100万年後には成就するかもしれないが、いかんせん時間がない。
そこで、自分を商品に見立て、強みと弱みを分析し、売れる市場と売るための方法は何か作戦を練った。あとは目標達成に向けて野良猫ガッツでがんばるぞー!の気合いを入れた。
自分を客観的にみること、そしてこれまでやってこなかったことを試した。
「クセが強い〜!」と自認する思考と行動のクセを強い意識でリセットするよう試みた。
③ なぜ結婚できないのかの理由探し(なぜなぜ分析)
④ 自分の強みと弱みとその対策(強み弱み分析)
なぜ結婚できないのか。なぜ、なぜを繰り返して原因を探った。思い当たることが山ほどあって遭難しそうである。シャワーの水もはじかなくなって数年。アラフォーとなって女性としての自信が極端になくなり出不精になったのと、仕事が忙しくて自分の時間が取れないという時期が重なっていた。
特に予定もないから仕事するか〜。仕事があるから予定は入れられないな〜。がうまいこと自分の言い訳として成り立っていた。
つまり、私の婚活は働き方改革に直結するもので、「婚活時間の確保=仕事の効率化」となった。
資料の細部に必要以上にこだわり、図形のちょっとのズレに「イーーー!」となるタイプで、影で「職人」と言われていたことも知っている。それが結婚を心の底から意識すると自分を変えられた。
仕事の仕方を料理に例える。オムライス作りだ。これまでは半熟の卵をケチャップライスの上で開いてトロトロ卵がライスを覆うことにこだわり、卵と白身のかたまる温度を調べ、理想のトロトロ具合を追求した。ケチャップは有機トマトで添加物なしのものを取り寄せてうっとり。ここまでするとこのこだわりを自慢したくなってSNSにアップして「いいね!」を催促する。
それが、今では卵焼きとごはんとケチャップをワンプレートでお皿に載せ、口の中でオムライスになれば良いのでは?と思えるほどである。
Facebookなどで不特定多数にお誘いがあるイベントにも積極的に参加し、どこに出会いがあるかわからないからと行けるだけ行った。そして集団行動が極端に苦手なことを思い出した。待ち合わせで点呼されるだけで帰りたくなった。性分に合わないことは続かない。かくして婚活アプリもダメ、イベント参加もだめ、飲み会も声がかからない、となってトリ姉さんに相談した。
『モテ研究』については後輩や同僚(男性)などたくさんの男性に意見を聞いた。アラフォーならではのモテもあるっちゃあるし、ないっちゃない、と微妙な光がうっすら見えたような気がした。
当時は髪の毛が腰まであり、「金持ちのおっさんか勘違いした若者ばっかり寄ってこない?」とある男性から言われた。その通りであった。彼は言うにはさわやかセクシーが必要で「こういうイメージ!」とタイトなジーンズに長すぎる脚をねじこんだモデルのSHIHOちゃんの画像を指差していた。その週末、50センチの断髪をした。「気力の限界!」ケビの富士。
ファッションは全身モノトーンにブランド印籠付バッグ。超ロングヘアにモノトーン、ブランドバッグでイケイケどんどん、オッケーバブリー!
そうしたスタイルをすっぱりやめて、ピンクを着てトートバッグを持ち始めた。トートバッグって中身が丸見えだから鼻をかんだ後のティッシュはうまく隠さないとならないのね!
『話題の収集』『話す<聴く』については、元々人見知りなくせに少し打ち解けると馴れ馴れしいトークをしてしまい男性をドン引きさせてきた。癒し系ならぬ「冷やし系」とまで言われた。自分が話すと場を冷やすのはわかったので、聴くに徹する。しかし相手の気分がより良くなるための合いの手を入れたい。そのための情報収集である。
奴さんコメント「前に付き合ったアラフォー女性とは違った。その人は「私が私が」でつまらなかった。ケビ子さんは聞き上手だし、わかったようなことも言わないから楽しかった」
お口チャックは成功したようだ。
『過去の栄光を捨てる』は難しかった。おじさんが「昔は・・・」と話はじめるように私も同様のことをしていた。なぜか。今の自分にそうした自慢要素がないからである。嗚呼!私の現在って!過去の栄光はこの際いっさいがっさい忘れて自分はまだ髷を結えない入門力士だという気持ちで謙虚に土俵に上がろうと決意。え?女人禁制?それはまいったな。
43歳で(やっと)結婚。
仕事で培ったフットワークと屁理屈と知恵をフル活用してゴールイン。奴さん(夫)は夢見る世話焼きロマンチスト。Instagram(@kbandkbandkb)